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「幻告」を読んで(選択により物語が変化するゲームが好きな人にお勧め)

 面白いゲームをしている感覚だった。望むエンディングに向かって、どの選択肢を選ぶかに悩む。これを選択するとこんな物語になるのかというのを楽しむ。そんな感じの本でした。「かまいたちの夜」のようなサウンドノベルが大好きな僕には、最高に楽しい小説だった。
 裁判を舞台にした物語、公判の進行に合わせて物語も進行していく。主人公の行動によって、公判の内容や人間関係が変化していく。最後の判決はどうなるのだろうか、主人公は最後にはどうなっているのだろうか、ハッピーエンドもバッドエンドも両方の可能性もあり、気になって一気に読んでしまいました。楽しい時間はあっという間に過ぎるということを経験させてくれます。
 ネタバレになってしまいそうなので、これ以上内容について書くのはやめておきますが、今の結果は、何かを選択した結果であり、現状を変えるのも現状維持を続けるのも選択肢の一つであることを改めて教えられました。少なくとも、僕にとって、非常に面白い小説で会ったことは間違いありません。選択により物語が変化するゲームが好きな人は、ぜひ読んでみてください。楽しい時間が過ごせると思います。
作者:五十嵐律人 タイトル:幻告 出版社:講談社 5/10読了