救済

看護師からカルテを受け取って状態を確認する。
手術室に入る、患者の状態を見るとかなり悪い。
荒い呼吸、真っ白な肌、胸には大きな穴。
こんなにも苦しんでいる人、早く救わなければ。

死体安置所のドアを開くと独特のにおいがする。
肉食獣の便と肉の腐ったにおいが混じりあう。
先ほどの患者の遺体を安置してポツリと一言。
「お疲れ様でした」そうつぶやいた。

僕は医師、人の生死にかかわるお仕事。
今日も僕に仕事の依頼が入る、安楽死の依頼が。
右手には筋弛緩剤、それは人を殺すための薬剤。
今日も苦しんでいる人を救わなければ。

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