見出し画像

B Corpって何?(2)

B Corpって何?(1)の続きです。なんとなーくBコープの事がわかった所で、ソーコルブロッサーの2022年のインパクトレポート(企業や団体がその活動やプロジェクトが社会、環境、経済に与えた影響をまとめて報告する文書)を紹介します。ーーー2023年もリリースされているのですが、まだ私が訳を出来てないので2022年バージョンで許してください。m(__)m

これを読んで、私自身も、Bコープ認証の目指すところって、そこね!とわかりました。


April 22, 2023
 
52年前、私の両親であるスーザンとビルが最初のブドウの木を植えたとき、彼らは環境保護主義者として、まだサステイナブルという概念が主流になる前に、環境のために正しいことをしようとしていました。過去半世紀、サステイナブルの定義が進化し続ける中で、彼らの、そして私の決意はさらに深まりました。
 
17年近く前に、スーザンは、環境への影響に関する私たちの成功と挫折に焦点を当てた最初のサステイナビリティ報告書を作成しました。そして2014年、私たちはサステイナビリティの定義を、単に地球に優しいだけでなく、環境への影響も含めるようになりました。私たちは、サステイナブルな企業であり、良き企業市民であることによるコミュニティへの影響全体を考慮する必要があることに気づきました。簡単に言えば、私たちの究極の成功とは、人、地球、利益のすべての側面において、このビジネスを善のための力として活用することです。企業としての長期的な存続と成功は、スタッフや地域社会への接し方、地域的・世界的規模での環境への配慮、そして収益性が高く、統率の取れたビジネスの運営にかかっています。このようなレンズを通してビジネスを運営することは、ストーリーを通して人と人をつなぐという私たちの情熱と一致します。
 
私がチームに話しているのは、「良いものを作るだけでなく、実際に良い事をしよう。」ということです。ここに私たちが行ったすべてを記した2022年のインパクト・レポートをお届けします。
 
社長 アレックス・ソーコル・ブロッサー
 

INTRODUCTION

私たちは、「人」、「地球」、「利益」の3つのカテゴリーごとに目標を設定し、毎年その達成度を測定しています。これらの目標には長期的なものもあり、時間をかけて達成していくものもあります。長期的により良く、より持続可能な企業になるために、私たちは事業利益と日々の活動を一致させます。目標と測定は、このコミットメントを実現するための重要なツールです。
 
影響を与えるというコミットメントを認識し、行動するための枠組みを提供するために、2015年4月15日にB Corp認証を取得し、2017年に再認証を受けた際には200点満点中、初回認証時の80点から112点へと32点向上しました。そして2021年4月の再認証では、前回からスコアを22%伸ばしました。
 
2017年、2018年、2019年、ソーコル・ブロッサーは「ベスト・フォー・ザ・ワールド」:チェンジメーカーズ・リストに選ばれました。この賞は、認証Bコーポレーションの中で、初回認証から再認証までの間に最もスコアを伸ばした企業に、ポジティブな影響力と行動変革に対する栄誉として授与されます。2022年には、「ベスト・フォー・ザ・ワールド」:環境部門で4度目の受賞を果たしました。
 

People「人」

トリプルボトムラインの最初の側面は「人」です。私たちは従業員を支援し、激励するとともに、事業を展開する地域社会を大切にします。この分野で私たちが掲げる4つの主要目標と、2019年の結果を以下に示します。
 
従業員の前年比定着率
離職率が例外的に高くなりがちなホスピタリティ業界であることを考慮すると、従業員の平均勤続年数がより良い基準となると考えました。当社の社員の勤続年数は10年以上が19%、5年以上が26%、2年以上が19%です。入社1年目以内の従業員の割合は、2022年までに35%に達しました。私たちの目標は、毎年、勤続2年以上の従業員の離職率を低下させることです。
 
包括的で手厚い福利厚生プログラム
● 標準保険プランでは、医療費、歯科医療費、眼科医療費の90%までを会社が負担し、免責金額は1,500ドルです。
● 買い上げ保険プランでは、医療費、歯科治療費、眼科治療費の保険料の80%までが会社負担され、免責金額は500ドルです。
● 短期障害保険と生命保険は保険料の100%が会社負担されています。また、すべての正社員が対象で、少額の長期障害保険料が設定されています。
● 401(k)プランには4%の会社上乗せがあり、すぐに権利が確定します。
● 有給休暇は、時間給労働者は入社初年度に13日、入社6年目以降は毎年28日まで取得できます。給与制社員は無制限の有給休暇プランに参加しています。さらに、フルタイム従業員には20時間、パートタイム従業員には8時間の有給休暇が与えられ、希望する慈善団体や学校でのボランティア活動に参加することができます。現在、8日間の有給休暇があります。
 
また、従業員割り当ての無料ワイン、ワインの割引購入、専門能力開発プログラム、楽しいスタッフイベントなど、その他の福利厚生も提供しています。

地元のチャリティを支援
地域社会支援の一環として、地域社会をより住みやすい場所にするための非営利団体を支援しています。2022年には、現物寄付、現金寄付、VIPテイスティング券を通じて、総額54,942ドルの寄付を行いました。これは2021年の寄付額から35%増加したものです。さらに、私たちはスタッフが好きなチャリティを支援するために、有給のボランティア時間を提供しています。スタッフは2022年に118時間、2021年に111時間のボランティア活動を行い、6%増加しました。また、2022年4月22日のアースデイ・オレゴンに参加し、テイスティング・ルームとオンライン売上の6%をSOLVEとオレゴン環境評議会に寄付しました。
 
私たちは、ステークホルダーが生活し働く地域社会を支援するために慈善寄付を行っており、2022年には194ケース以上のワインを寄付しました。従業員の有給ボランティア、取締役会役員、および/または現物や現金による寄付を通じて支援された慈善団体や非営利団体が含まれます。

 多様な職場環境を重視し、推進
年1回、自主的な多様性調査を実施し、開示を希望する従業員の民族構成を追跡・報告しています。2022年の従業員構成は、91.2%が白人(ヒスパニック系またはラテン系ではない)、5.3%がヒスパニック系またはラテン系、3.5%が2つ以上の人種でした。私たちは、それほど多様な労働力を有していないことを認識しており、それを変えたいと考えています。多様性、公平性、包括性推進戦略計画に取り組み、まず第一に私たちの会社が包括的であることを確実にするための策を講じました。
 
ソーコル・ブロッサーでは、共同創設者スーザン・ソーコル・ブロッサーに始まる強力な女性リーダーシップが誇りです。当社の経営陣は女性60%、男性40%で構成され、取締役会は女性40%、男性60%で構成されています。従業員全体の内訳は、女性61%、男性39%です。

PLANET「地球」

ソーコル・ブロッサーがサステイナブル(持続可能)であるために重要なのは、土地を次の世代により良い状態で残すための良き管理者であることです。私たちは過去20年間、この分野で多くの進歩を遂げてきました。
 
● 2005年にUSDAオーガニック認証を取得。
● 2002年、米国グリーン・ビルディング協会(U.S. Green Building Council)のLEED認証を取得。この認証を取得した世界初のワイナリー。
● サーモン・セーフ認証
● 敷地内に25kWのソーラー・パネル・システム
● PGE(Pacific Gas and Electric Company)から購入した再生可能な風力発電
● ブドウ畑のトラクターとトラックに50%バイオディーゼルを使用
● プレスコット・ウエスタン・ブルーバード回復プロジェクトのメンバー
● パンフレットやコピー用紙には可能な限り再生紙(使用済み紙)を使った紙を使用しています。また、印刷業者と協力する際は、常に紙とインクの両方で最も持続可能な選択肢をリクエストし、環境への配慮とビジネスの持続性を考慮して決定を下しています。
● パッケージは、持続可能性への取り組みと密接に結びついています。例えば、エヴォリューション・ワインのボトルには軽量ガラスを使用し、ワイン・ラベルには再生紙/使用済み古紙を利用した紙を使用しています。また、複合天然コルクやクラフト・ケース箱、FSC認証木箱、2本用バッグにはFSC認証紙を使用し、4本用バッグと6本用バッグには再利用可能な紙を使用しています。
● 敷地内に電気自動車充電ステーションを設置
 
私たちは地球を大切にするために多くの目標を掲げています。その中にはかなり高い目標もあり、到達するには何世代もかかるかもしれません。
 
エネルギー使用量
私たちの短期目標は、省エネルギー、実際のエネルギー使用量に関する認識、よりエネルギー効率の高い家電製品や照明への転換を通じて、エネルギー使用量を年間5%削減することです。長期的な目標は、全エネルギー使用量をゼロにすることです。
● 2022年のエネルギー使用量は、前年比10%増加しました。この増加の理由は、2021年8月にカリータ・ヴィンヤードを購入したこと、2022年8月に敷地内に新しい倉庫を開設したこと、そして寒い時期にワインの温度を維持するためにヒーターの使用を増やしたことなどが挙げられます。2022年の総kWh使用量は445,644であり、2021年は404,961でした。
● ソーラーパネル:敷地内の太陽光発電(PV)システムで12,731kWhのエネルギーを生み出しました。これは2021年から54%、14,820kWhの減少です。この量はすでに上記のkWh合計から除外されています。
● テイスティング・ルーム:使用電力量は93,840kWで、前年比1,120kWh、-1.2%の減少です。
● ワイナリー/オフィス 使用電力量:101,760kWh。前年に比べて400kWh、-0.4%の減少です。
● 冷蔵/バレルセラー:211,920kWhのエネルギー使用。これは前年比で33,360kWh、18.7%の増加、または2020年比で3.6%の増加です。ワイナリーでのヒーター使用の増加がこの増加の一部を占めています。
● ヴィンヤード:9,499kWhのエネルギー使用。これは前年比で1,809kWh、24%の増加です。この増加は、2021年8月に購入した新しいカリータ・ヴィンヤードによるものです。
● ハーベスト&オーチャードハウス:使用電力量は21,665kWhで、前年比で74kWh(0.3%)の増加です。
● 倉庫:6,960kWh使用。この新しい倉庫は2022年8月に竣工しました。
 さらに、自社で生産できないエネルギーの57%は、PGEのクリーン・エネルギー・プログラムを通じて購入した再生可能エネルギーです。2022年には、これらのクリーン・エネルギー・プログラムを通じて252,264kWhを購入し、394,137ポンドのCO2を相殺しました。
当社はPGEのクリーン・エネルギー・プログラムに14年間参加しています。敷地内に電気自動車の充電器があり、2022年には合計433時間使用されました。これにより1,422リットルの燃料を節約し、3,306㎏のCO2を相殺しました。
 
 


 埋立地へ送られる有害廃棄物をなくす
私たちは、リサイクルによって有害廃棄物を完全に排除し、埋立地に送る廃棄物の量を減らすことを目指しています。2016年から、オフィスや家庭で使用済み電池・電球を回収するリサイクルプログラムを実施しています。社内に設置された回収容器に、使用済み電池・電球を入れています。回収された電池・電球は、専門業者によって適切にリサイクルされ、有害廃棄物が埋立地に送られることを防ぎます。2022年も継続的に回収を行い、容器がいっぱいになった時点でリサイクル業者に送ります。私たちの目標は、バッテリーや電球をリサイクルすることで、有害廃棄物を100%なくすことです。
 
水使用量の削減
生産部門は、水の使用量と排水の発生量のデータを評価し、その情報から有用で適用可能な成果をどのように生み出すか検討しています。 2019年以降、排水量をモニタリングしており、2022年からは井戸から汲み上げた水の月別量をより詳細に記録しています。入水量(ポンプハウスでの記録)と出水量(廃水ポンプの記録)を関連付けることで、水の消費量を把握し、使用量の多い手順を特定し、改善の可能性を判断します。汲み上げられた水のデータは、施設内で使用される水と造園の灌漑に使用される水の両方を対象としています。
 
2022年4月から2023年3月までに、私たちは117,600ガロン(約445,005.6リットル)の排水を畑に汲み上げました。これは、昨年同期間に汲み上げられた廃水から大幅に減少し、前年同期間(2021年4月~2022年3月)のデータと一致しました。
 
合計で146,420ガロン(約554,704.9リットル)の水が施設内に汲み上げられ、造園の灌漑に使用されました。
 
水の消費量に関連する主な数値は、収穫期に生産されたケースの量と処理トン数です。同時期に敷地内で瓶詰めされたケース数は97,500ケース、敷地内で処理されたトン数は920トンでした。ワインの生産量1リットルあたりの排水量は0.31ガロン/ガロンです。昨年は0.80ガロン/ガロンであり、大幅に改善されました。しかし、その前年は0.35ガロン/ガロンであり、総排水リットルとその発生速度の両方において、より一致した数字でした。これらの数値は、発酵容器、ワインのスタイル、白発酵か赤発酵か、スティルワインの瓶詰めか、ティラージュに入れるベースワインか、そしてクライアントのワイン醸造によって、さらに細分化できます。私たちは今後も、水の使用量を評価するための最良の方法論を検討していきます。
 
環境保護に役立つ良い習慣に取り組む
オーガニック認定農家として、私たちはより持続可能な方法で土地を管理する新しい方法を常に模索しています。ソーコル・ブロッサーのワインに使用する果実は、すべて自分たちで栽培した(あるいは栽培を管理した)有機栽培のものを使用したいと考えています。

ソーコル・ブロッサーはプレスコット・ウエスタン・ブルーバード回復プロジェクトに20年以上関与しています。スーザン・ソーコル・ブロッサーとラス・ロスナーは「ブルーバード・モニター」です。私たちはワイナリーとヴィンヤードの周囲にある11の鳥小屋を管理しています。2022年の春は寒かったため、ブルーバードの巣作りが遅れました。5月中旬になってやっと巣を作り始め、約1ヶ月遅れました。多くのブルーバードのペアは毎年巣作りに戻ってくるので、私たちのことをよく知っています。私たちが犬を連れて丘の上を歩くと、彼らを呼び、彼らが飛んでくるのを見ます。彼らは私たちが生きたミールワームを持っている可能性があることを学習し、準備をしています。私たちが巣箱の上にミールワームを数匹置くと、彼らはヴィンヤードの支柱やトレリスのワイヤーに座って見守ります。私たちが立ち去るのを見守ります。私たちが3メートル以上離れて安心すると、すぐに巣箱に飛んできます。私たちはしばしば立ち止まって、彼らがミミズをほおばる様子を観察します。
 
私たちはミールワームを与えて巣箱に誘い込み、雛がいる間、特に寒い日や雨の日に手助けをします。2022年のシーズン、5月から7月までの間に、ブルーバードのペアは36個の卵を産み、そのうち25個が孵化し、24羽が巣立ちました。
巣を作り、卵を産み、雛を育てることは簡単ではありません。さまざまな捕食者もいます。ある巣は成功するまでに3度も失敗を重ねました。最初の2回は卵を産んでから、それが破壊されてしまいました。おそらく、ツバメが巣に入り込んで卵を取り出し、地面に落としてしまったのでしょう。しかし、ブルーバードのペアはあきらめず、3回目の試みで3個の卵を産み、それらを孵化させることができました。
 
10月に、ラスはプレスコット・ブルーバード・リカバリー・プロジェクトから提供された一部の巣箱を新しいものに交換しました。これで2023年のシーズンに向けて準備が整いました。冬になってもブルーバードが巣に留まる場合もありますが、ほとんどはシャンポーグ・パークで冬を越すようです。ワイナリーへの道を車で走っていると、時折ブルーバードを見かけることがあります。彼らが飛び交うときの紺碧の閃光は、自然の楽しみの一つです。
 

私たちは2022年の春に、働き蜂と女王蜂が1匹ずついる8つの新しい巣箱で始めました。スーザンは、指導者兼コンサルタントのマット・ゲッツィンガーと協力しワイナリーの養蜂家になっています。2人は春から夏にかけて、10日ごとに巣箱をチェックし、健康状態を確認し、密集を防いでいます。各フレームをチェックし、女王蜂が卵を産み、蜜を運んで蜂蜜を作っていることを確認します。2022年の秋までに、ワイナリーの料理チームに約30リットルの蜂蜜を供給できました。
 ミツバチを一箇所に留めることは不可能なので、ミツバチが生産する蜂蜜はオーガニックではありません。彼らの蜜源の一部は有機かもしれませんが、他の部分はそうでないかもしれません。ですので、米国農務省は、蜂蜜を有機認定するための基準を確立していないのです。
 
2013年には、ヴィンヤード・ショップの下に小さな果樹園を植え、2015年から実をつけ始めました。毎年収穫し、主に料理プログラムで使用しています。リンゴ、ナシ、プラムがあります。2022年に私たちが直面した課題は、使い切れない、食べきれないほどの果実が実り、リンゴや梨のほとんどが地面に落ちて堆肥になってしまったことです。果実が使い切れないのは悲しいことですが、2023年にはすべて使い切れるよう努力します。
 

PROFIT「利益」

収益性の高いビジネスを運営することは、長期的に存続可能でサステイナブルな企業であるために最も重要な要素の一つでしょう。
ソーコル・ブロッサー・ファミリーが所有する小規模の株式非公開会社である当社は、財務諸表を開示していませんが、過去50年間事業を継続してきたことに大きな誇りを持っています。
取締役会は、4人の家族メンバーと2人の家族以外のメンバーで構成されています。 時の試練に耐えられるような会社運営は、すべてのステークホルダーにとって非常に重要です。
2015年、ソーコル・ブロッサーは定款を変更し、オレゴン州法60.750に規定されるベネフィット・カンパニーとなりました。 このステータスを選択することは、当社の価値観が長期にわたって維持され、取締役会が株主のみを対象とするのではなく、すべてのステークホルダー(現従業員、退職従業員、サプライヤー、顧客、事業を営むコミュニティや社会、環境、州、地域、国の経済)を考慮して意思決定を行うための最善の方法であると確信しています。
 
2022年、私たちはサステイナビリティと雇用へのコミットメントに関する称賛を受けました。オレゴン・ビジネス・マガジンによって、「オレゴンで最も働きがいのあるグリーン企業」の第33位に選ばれました。これで11年連続の受賞となります。
 
Yelp、Google、Trip Advisorを通じて、私たちのワイナリーは650件以上のカスタマーレビューを獲得し、平均評価は4.3です。インスタグラムのフォロワーは12.3万人を超え、2021年にハイランドとクヌッセンとの50周年コラボレーションを楽しんでいます。また、私たちのワイナリーは著名なワイン評論家や伝統的なメディアから記事や賞賛を受けています。私たちのワインは、著名なワイン専門誌で高い評価とスコアを受けています。


2022 年のインパクトレポートは以上です。この企業努力はすごいです!
次は、ニューヨークタイムズBコープの記事です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?