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半導体について 〜設計から製造までのプロセス〜 ④フォトマスク作成編

どうも、おらうです!
今回は半導体 ④フォトマスク作成編についてまとめました。
*本記事は全て無料でお読みいただけますので、ご安心ください☺️

本作はシリーズ物となり、以下は前回分となります。
半導体への理解が進むかと思いますので、こちらもご活用ください😄

半導体について 〜設計から製造までのプロセス〜
①設計編
②シュミレーション③プロトタイピング編


④フォトマスク作成

フォトマスクとは

まず、フォトマスクとは『ステンシル』を連想してみてください。
そのステンシルが塗料を特定の形で紙に転写するように、フォトマスクは光を使って半導体の微細な回路パターンをシリコンウェハー上に正確に転写します。

フォトマスクは、光リソグラフィ(フォトリソグラフィ)プロセスにおいて、特定のパターン(半導体デバイスの回路図)をシリコンウェハー上に転写するために使用されるマスクです。
これは、紫外線(UV)光を使って、光感受性のある化学物質(フォトレジスト)を塗布したウェハー上にパターンを形成するために使用されます。
(シリコンウェハー、光リソグラフィについては次回以降に説明します☺️)


重要性

フォトマスクの正確性は、半導体製造プロセスの中核を成し、最終製品の品質と性能に直結します。
現代の半導体デバイスは、非常に小さなフィーチャーサイズを持ち、複雑なパターンをウェハー上に転写する必要があります。
この精密なパターン転写は、フォトマスクの精度に依存しており、その正確性が微細な回路の形成を決定します。
精度の高いフォトマスクを使用することで、製造過程での欠陥率を最小限に抑え、製品の性能を最大化できます。

一方で、フォトマスクにわずかな誤差があると、回路の不良が発生しやすくなり、性能のバリエーション、信頼性の低下、あるいは完全な機能不全につながる恐れがあります。
また、精度の悪いフォトマスクは製造コストの増加を招き、欠陥品の修正や廃棄に追加費用がかかるため、生産ラインの全体的な歩留まりが低下します。
そして、最終的に製品の市場投入の遅れにも繋がり、競争力の低下や機会損失の原因となります。

フォトマスクの重要性を「レシピ」に例えると、
料理をする際、レシピが正確でなければ、料理の味や品質が大きく変わってしまいます。
たとえば、スパイスの分量が少し違うだけで、料理全体の味わいが大きく変わることがあります。
同様に、フォトマスクは半導体デバイス製造の「レシピ」として機能し、その正確性が微細な回路パターンの品質と性能を決定します。
フォトマスクの誤差は、料理の味が予期せぬ方向に変わるように、デバイスの性能に大きな影響を与える可能性があります。
そのたまめ、高品質な製品を作るためには、フォトマスクという「レシピ」の精度が非常に重要になるんですねぇ〜。


手順

①デザイン:
半導体デバイスの設計データを基に、フォトマスクを作成するためのパターンが設計されます。

②ブランクマスクの準備:
ブランクマスク(未加工のマスク)が準備されます。
これは通常、透明な基板(ガラスやクォーツ)上に薄いクロム層で構成されています。

③パターニング:
電子ビームリソグラフィやレーザーライティングなどの技術を使用して、ブランクマスク上にデザインパターンが描かれます。

④開発:
描かれたパターンに基づいて、不要なクロム層が除去されます。

⑤検査:
製造されたフォトマスクが設計仕様と一致しているか検査されます。

※クロム層:
フォトマスク上で「絵を描く」ための黒いインクのようなものです。
このインク(クロム)を使って描かれた部分は光を通さず、描かれていない透明な部分は光を通します。
これにより、光を使って半導体のウェハー上に微細な回路図を正確に映し出すことができるということなんですねぇ〜。


市場規模

2022年の全世界の半導体フォトマスク市場規模は55億9000万ドル(約8390億円)と評価されています。
2029年まで、年平均成長率(CAGR)は4.67%で成長すると見込まれ、77億4000万ドル(約1兆1610億円)に達すると予測されています。
北米市場は2022年に9億ドル(約1350億円)で、2029年には11億3000万ドル(約1695億円)に成長すると見込まれています。
アジア太平洋市場は2022年に43億7000万ドル(約6560億円)で、2029年には62億5000万ドル(約9375億円)に拡大すると予測されています。(参照元:QY research)


代表的な企業

①Photronics(PLAB)
幅広い技術をカバーし、IC(集積回路)用フォトマスクとフラットパネルディスプレイ(FPD)用フォトマスクの両方で業界をリードするアメリカ企業です。
高解像度と大量生産のニーズに応える技術力と、グローバルに分散した製造拠点が強みです。

②TOPPANホールディングス(7911)
高精細なフォトマスクの製造において、長年の経験と高い技術力を持つ日本の企業です。
半導体だけでなく、ディスプレイ用フォトマスクの分野でも強みを持ち、精密なパターン転写技術に定評があります。

③Hoya(7741)
高品質なフォトマスク用ガラス基板の供給で知られる多角的な日本のテクノロジー企業です。
半導体業界だけでなく、光学製品や医療分野にも強みを持ち、製品の品質と技術革新に注力しています。

④DNP 大日本印刷(7912)
高い技術力と幅広い製品ラインナップを持つ日本企業です。
フォトマスクの分野では、IC用から大型ディスプレイ用まで多岐にわたるニーズに対応し、特にカスタマイズされたソリューション提供に強みを持っています。

⑤SKハイニクス
もともとはメモリチップの韓国発の大手メーカーですが、フォトマスク製造においても技術力を持ち、自社製品の生産効率向上と品質管理のために内製化を進めています。
独自の生産技術と高い品質管理で業界内での競争力を高めています。


以上となります!
如何でしたでしょうか?
また次回お会いしましょう☺️


お読みいただきありがとうございました!
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