【紫玉ねぎのマリネ】涙に襲われた後は色の変化で気分が上がる。
今回は中サイズの紫玉ねぎ3個をスライスするのに4回涙を流した。血も涙もないような強靭な人でも、玉ねぎの襲撃には勝てないと思う。
調理現場にいた頃のこと。翌日のカレーライスに使う玉ねぎの切り込みをしていた。1人で数kg切っても涙は出なかった。
ところが、4〜5m離れていた調理師が泣き始めたのだ。硫化アリルが流れて行ったのか。一瞬考えた後に、わたしはほくそ笑んだ。
「おしゃべりな彼女を黙らせるには玉ねぎが有効!」
ドラキュラとにんにくの関係を思い出したのだった。
作り置きすると、推定2ヶ月間は保存できる紫玉ねぎマリネ。色がきれいで料理のアクセントになるし、登板回数が多いので助けられる。とにかく便利で気に入っている一品。
ポイントは2つ
①時々襲われる硫化アリルとの向き合い方
②色の変化を楽しみ味わう
紫玉ねぎのマリネ
涙すると自己陶酔できる。お酒いらない。ヤケ食いいらない。暴挙に出なくていい。おまけに翌日はマリネができている。
紫玉ねぎがあれば。
悲しい時、悔しい時、感情が流れずに溜まっている時は、「さあ、紫玉ねぎを切ろう!」
硫化アリルの辛みの効いた思いやりに甘え、攻撃が治まる頃にはスッキリ感が出る。
自分の意思で何かをするって、たとえ野菜を切るだけでも意味がある。
一度普通の玉ねぎで作ってみたけれど、彩りがない上にシャンとした味わいが減って全く別物だった。
ここは紫玉ねぎの独壇場。
我が家の切れない包丁がさらに硫化アリルを呼び起こし、「全米が泣く」感動レベルの涙を流すはめになる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?