焦点距離とボケの関係
望遠レンズは背景がよくボケるなんて説明をよく目にします。
じゃあよりボケを楽しむなら35mmより50mm、50mmより85mmのレンズにした方がいいの?その差ってどのくらいあるの?なんて疑問について調べてみました。
まず撮影位置を変えずに同じ被写体を撮ったら望遠レンズの方がボケます。
当然望遠レンズの方がアップになるわけで、その方がボケるのは感覚的にわかります。そして絞りの条件を同じにして広角レンズで撮ったものを拡大しても同じようにはボケません。
【参考】クロップを例に説明しているサイトを紹介
これ要はフルサイズとAPS-Cのボケ量の違いでも同じことが言えますね。
安易にトリムして拡大しても期待するボケは得られませんよという話。
ここからが本題
では被写体が同じ大きさになるよう撮影位置を変えた場合のボケ量ってどうなんでしょうか。
例えば横に並んだ5人を撮影する場合、50mmのレンズだとおよそ5m離れて撮ることになります。
35mmのレンズだと3.5m。これで同じ画角になりますが、この場合のボケの違いはどうなんでしょうか。
ピントが合っている範囲を被写界深度と言います。
つまり被写界深度が浅いほど背景がよくボケることになります。
被写界深度の計算サイトがあったので計算してみました。
(ちなみにiPhoneアプリもいろいろあります。過焦点距離なんかもを確認できるので1つあるとなにかと便利)
レンズの焦点距離、被写体までの距離、F値によって被写界深度がどう変化するのかを表にまとめてみました。
望遠レンズだからといってボケるわけじゃない
確かに被写体までの距離が遠くなればなるほど、またF値を絞れば絞るほど広角レンズと望遠レンズで被写界深度に差が出てきます。
とはいえテーブル上の物撮りみたいな近くのものを撮る場合、被写界深度にまるっきり差がありません。
(35mmレンズで被写体までの距離0.35mの場合)
また全身のポートレートを想定した場合でも35mmレンズと135mmレンズでたかだか2%に満たない差しかありません。
(85mmレンズで被写体までの距離5.1m/F2.8の場合)
実は望遠レンズだからといってボケるわけじゃないんです。
※ただし135mmレンズで40mくらい離れたものを撮るようなケースだと35mmレンズと比較して2倍くらい差が出てきます
【参考】実際に検証しているサイトを紹介
ではなぜ望遠レンズは背景がよくボケるというのか
ただ広角レンズと望遠レンズでは背景の写り方が違うんです。
広角レンズは遠くのものがより小さく、望遠レンズは大きく写ります。(俗に言う圧縮効果)
つまり広角レンズの方が遠くにいくにつれて徐々にボケていくのに対し、望遠レンズは遠くのものがより手前に写り、広角レンズで遠くに写ってるいるものと同じだけボケることになります。
その結果、望遠レンズの方がよりボケるように見えるんですね。
Nikonさんのサイトから比較画像を拝借して説明を付与しました。
望遠レンズの背景がよくボケるかどうかは被写体までの距離や背景次第ということになります。
いやぁ日々勉強です。
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