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性善説と性悪説

社員はみんな仲間だ、家族だ、という哲学で組織運営するのは、昔ながらの日本企業にありがちだ。新卒で入社したら定年まで勤めることは当たり前で、だからこそ社員同士は信頼し合い、人生を共有する。このようなやり方が当たり前の時代はあった。機能した。その前提として高度成長時代があり、会社が成長し続けることは半ば常識だったし、だからこそポストがどんどんできて、社員が年齢を重ねても困らなかった。

ところがそんな時代は終わった。会社が成長するとは限らなくなったので、ポストが生まれにくくなった。ポストに就けないベテランはリストラされ、そして新卒社員の数も大いに減らされた。これが就職氷河期の姿だ。

終身雇用の時代は終了し、雇用の流動性が高まった。一社にずっと居続けるやり方は一つの選択肢にしか過ぎず、転職を志す人も増えた。今や、チャンスがあれば会社は移ることを躊躇しない人がほとんどだろう。

だから、社員の仲間意識、家族意識のようなものは形骸化していると思う。経営者はまだそれを信じたいし、会社のホームページに全体写真を載せて中の良さをアピールしているのもよく見かけるが、あんなもの、全員真面目に考えていない。付き合いでやっているだけである。SNSで「わが社をお願いします!」と言っていたアカウントが「本日が最終出社日です!」みたいな投稿をしてずっこけることは日々ある。

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