50歳マネージャーのお気持ち

40歳の時と、50歳の時と、あんまり仕事上の立場は変わっていないけれど、心の中は大きく変わっている。

40歳の時は、自分の仕事は高度なのはわかっていて、これを自分の中に留めておけば絶対に食いっぱぐれないという計算をしていた。私を排除したら事業が成り立たなくなるから、技術を人質にすればいいと思っていた。そのまま意図を他人に話すと自己中心的と取られるので、教育も文書化も真面目に行ってはいたが、着いて来れる人もいないと思っていた。私が管轄する事業規模もそれなりに当時は小さかったので、会社の目も光らず目論見通りに事は動いた。

さて、もうすぐ50歳がやってくる。最近は、10年後の60歳までまずは働ければいいかなと思っている。それからは余興である。その時の気持ちが乗っていれば、そして会社の希望も聴いた上でその時に判断したい。別の道があればそれでもいいと思っている。大きな違いは「10年乗り切ればいい」という文脈が出てきたこと。そして50代は年を重ねるごとに60歳が近づいていく仕組みである。

あと10年乗り切るということは、10年のうちに自分を後継できる仕組みを作り安定して動くことを見届けることを意味する。つまり、私が一人でドライブしているようではまずいということだ。したがって、私の仕事の仕方は、40代の頃と比べると、大きく変わることになる。