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デジタル人材なんて育てている暇はないんじゃないか日本

チラ見したニュース記事。

岸田文雄首相は23日、日経フォーラム第29回「アジアの未来」の晩さん会で演説した。東南アジア諸国連合(ASEAN)と共同で「今後5年間で10万人の高度デジタル人材育成を目指す」と表明した。26〜27日にソウルを訪れて臨む日中韓首脳会談については3カ国の協力を他の国や地域に広げる考えを示した。

私はね、大学院に行こうとしたけどお金が無くて、就職に切り替えた過去がある。その時に、どうせ仕事にするなら好きなことをやりたいなと思い、コンピューターの仕事を選んだ、全く直感的に。マクドナルドに行ってメニューを見て、てりやきバーガーを選ぶくらい直感的に。戦略も何も無かったのは、当時就職氷河期の入口にあったからとにかく正社員になれさえすればいいという雰囲気も手伝っていた。本当なら、業界研究とか会社比較とかすべきなんだろうけど、私は、就職情報誌でたまたま見た募集に電話してみたらトントン拍子に決まってしまった。ま、いわゆるSESで成り立つ企業で、当時から未経験をどんどん募集していたからね。何にも知らない私なのに、とりあえず就職する方法は長けていたと思う。

で、長い間IT業界なんて全く人気がなくてね。花形の銀行業界やら商社マンやら自動車業界やらの影でまあ地味だったね。待遇も含めて。パソコンなんて、事務机や備品と同じくらいの存在だったから、大昔は。

でもね、私は知っていた。IT業界は、居場所さえ見つければとても快適だ。だって、ずっと涼しい/暖かいオフィスの中で働けるし、肉体労働もない(インフラは昔はサーバーラッキングとかあったから多少はあったけど)。で、好きなパソコン触って、頭使ってれば楽しいうちに日は過ぎる。世の中のほとんどの仕事が大変だと言うのは感じていて、それに対して、私は直感的に選んだにしてはラッキーだったな、なんて思ったよ。

その感想は「人による」けどね。いやいや、IT業界なんてブラック企業の代表格でしょ、というのも一面でもある。メンタル病みやすいってのも歴史上の事実だし、とても見方が分かれるのがこの業界の特徴でもある。

なぜ、過去そんなに人気が無かったかというと、コンピューターの性能や機能が圧倒的に今より低かったというのが理由で、ロジックはあっても出力が遅かった。また、異常終了もすごく起こり、思った通りにならないという事象が日々発生したせいで、過重労働になるということもよくあった。

それも昔の話。ハードウェアもソフトウェアも進化を繰り返し、おかげで皆がデジタルをもっと使おう、DXだって言うぐらいに成長し、そして今やデジタル人材を生み出せ、まで言い始めた、って言う流れだ。

おいおい、ついに見つかっちゃったよ。隠れ家的存在だったIT業界は、急に人気の仕事となった。そりゃね、今の高性能なコンピューターを誰でも気軽に使える状況だと、新しい人もすぐに戦力に慣れちゃうよね、勉強すれば、それはわかる。

・・・でもさ、IT業界、過大評価されてないか?・・・

私はね、客観的に言って、もっとバスの運転手を増やした方がいいし、建設業界にも振り分けた方がいいし、流通業者も増やした方がいい。医療や介護もこれからますます高齢者が増えるだろう。教師も足りなくなっていると言うし、少子化対策には保育士も必要。デジタル人材とか増やしてる場合じゃないんじゃないかな、日本、って真剣に思うんだよね。

別にさ、アプリなんてなくたって今までやっていけたじゃない。あんなにポイントを各店舗で実装する必要があるか?。何でもかんでもデジタル化すると良くなると言うのは幻想じゃないのか?。

それよりさ、社会に必要な人材がもっと行きわたるようにしたらどうなのかな。今、なんとなくデジタル人材を生み出す流れになってるけど、ITなんて黙ってても人が来るよ・・、楽だってバレちゃってんだもん。

私なんかは不人気の時代に選んで、実は良かったというラッキーでIT業界にいるんだけど、もう新しい人は、もっと社会のお役に立てる業種に就いて欲しいなと思うし、そっちの方の給料を上げて欲しいものだと思う限り。じゃないと、早晩にまわらなくなるぜ。それをデジタルで何とかしようとしてるんだろうけど、デジタルで物は持てないからねぇ。心配しかない。

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