政治への関心の低さは国力の低下につながる。

政治への関心の低さ

前回の参議院選挙では投票率が5割を下回り、過去最低の投票率に次ぐ記録であった。投票率の低下は、国の政策に偏りが生じる可能性を含むため、かなり危険なものである。また高齢者の投票率の高さから、シルバーデモクラシーと呼ばれる現象まで発生しており、高齢者優遇の政策がとられても若者はどうしようもできない。それは投票によって決まるのが選挙であり、選挙に行かないことが原因とされているのは自明のことである。
投票権を持つことのできる年齢が20歳から18歳に引き上げられて約3年が経過した。今回の参議院選挙の結果では約31%しかなく全体の投票率約48%よりも17%低い結果とった。前回よりも約15%低いとうい現状に唖然とする。もはや3人に1人くらいしか投票に行ってないという現状が日本には存在する。
「自分たちの未来は自分たちが決める」というまっとうな社会が実現できなくなっているのが現状ではないだろうか。今回の選挙は争点がない選挙といわれていたが、争点が存在したところで若者は投票に行くだろうか。なぜここまで選挙に行かない世代が増え、全体の投票率も減少しているのだろうか。


衆議院選挙の投票率を確認してみる。実際に政権交代の起こった選挙である1993年と2009年は前年よりも増加しているが大幅な増加ではない。近年の投票率の低下は顕著である。理由としては2つあると考える。1つは政治家自身の質の低下、二つ目は国民全体の政治への関心の低下である。まず1つ目の政治家自身の質の低下である。政治家はかつて国民の声を代弁するのが仕事で代議士としてバリバリ働いていたが、近年では自分に関係のある人にのみ優遇し、あるいは自分自身のためにしか働かない政治家が増加している。また失言や政治資金に関する問題など数多くが、政治家個人の責任であり国民を無視した行為が行われているのが現状である。しっかりとわきを締めて政治家の使命を果たす人が少なくなっているのも、投票率低下の原因であろう。


2つ目の政治への関心の低下であるが、国民各々が生活について「なんとなく上手く生活ができている」感が投票率低下につながるのではないかと考える。自分自身の生活に満足、もしくは物足りる生活ができていると「このままでいいのでは」と現状にさえ何の不安や、不満を感じなくなり政治そのものへの関心が低下するように考える。「自分さえよければ」という利己主義に基づいた弊害が蔓延っているのが現状である。
どうせ選挙に行ったところで何も変わるわけわないと思うことは簡単である。しかし実際に1票の重みというものは現実にはわからないかもしれない。しかしその1票の積み重ねで選挙結果が決まるからこそ、現状に不満がある方なら解決に向かう政策を訴えている候補者に投票して、その候補者が勝つ可能性を少しでも多くすることができる。はたまた現状を維持しつつ新たな課題解決に向けた戦略をする候補者がいればその候補者に投票し代議士として活躍してもらうということにもつながる。とにもかくにも1票の積み重ねこそ選挙の醍醐味でもあり、民意なのである。関心を持つことは難しいかもしれないが、実際にこのような現実があることを理解することで、少しでも政治に関して興味がわくのではないだろうかと筆者は考えている。

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