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ライスペーパーの乾く音

以前ベトナムのホーチミンに旅行に行った。メコンデルタツアーに行く途中、ゴムの木があるプランテーションの林の中を抜けると、ライスペーパー(生春巻きの皮)を作っている小さな民家の工場があった。

疲れたから休憩しようとガイドのフィーさんに言われ、ライスペーパーの工場を見学させてもらって休憩した。工場の中に入ると、台所のような場所で材料をぐつぐつ煮詰めていた。

工場の奥には庭のような広い作業場があって、斜めにした竹のすだれの台の上に、ライスペーパーを一枚一枚薄く丁寧に広げて干していく。天日干しをして乾いていくと、パリパリ、ポンと、音が竹のすだれに伝わって何とも言えない良い音が聞こえてくる。

ライスペーパーに付いているあの波々した模様は、この竹の模様だったんだと気付いた。

その隣で子供がきゃっきゃと走り回って遊んでいる。ガイドのフィーさんは家族に電話していて何だか楽しそうだ。

私はベトナムの暑さにちょっとバテ気味だったけれど、のんびりした時間の流れと木陰に吹いてくる風が気持ち良くて、しばらくボーっとライスペーパーを眺めていた。




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