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家計管理の目的と手順|かけたいところにお金を使おう

私は家計管理が好きです。支出を自分でコントロールできるから好きです。子育て、人間関係、更年期など思い通りにならないことが多い中で、自分の裁量で管理できる喜びがあります(笑)


もちろん、お金を湯水のごとく好き放題に使えるわけではありません。思い通りにいかない出費も多いです。だからこそ工夫・やりがいが生まれます。より良いお金の使い方をするには何のためにお金を使うのか自覚することが大切です。


1.家計管理の目的を考える

私が考える家計管理とは、収入の範囲で生活し、大事にしている価値観にお金を使うことです。


大事にしている価値観とは、食べることが好き、子どもの教育が最優先、趣味、蓄財、…etc などです。人によって違います。何となくお金を使うよりも、かけたいところにお金を使いたいものです。


「いきなり大事な価値観と言われても…」という方も大丈夫です。収入の範囲で暮らすことが先決です。家計を把握していくうちにだんだんと大事にしたい価値観が見えてきます。


ベースとなる考え方は『正しい家計管理』(林聰 WAVE出版)です。

家計管理の目的は、ひとつです。自分と家族が、現在も未来も幸せに暮らすこと 『正しい家計管理』12p
・家計の経営は一生の仕事です。絶対に倒産は許されません。 同21p
・毎月1円でもいいから純資産を増やすこと 同21p


シビレますね。


次は家計管理の手順です。『正しい家計管理』と方向性は同じです。(ただし管理のやり方は本の通りではありません)


▼正しい家計管理方法を知りたい方は読む価値アリ▼


まずは毎月の収支を把握します。


2.収入を把握する(収入予算を考える)


最初に収入を把握します。家計管理をするときに最初に支出管理から始めるとうまくいきません。使えるお金が分からないのに支出管理をするのはムリというものです。


いま財布にあるお金、いま口座にある残高が使えるお金ではありません。自分がひと月、1年で使えるお金をつかむことです。


会社員の方は給与、ボーナス、児童手当といった年間の収入を把握します。前年の収入を12で割ると、ひと月の収入予算になります。


最初は手取りで考えて構いません。家計管理を続けていくうちに額面と税金・社会保険などを知りたくなります(笑) 


フリーランスの方は前年の収入を12で割ります。いちばん収入の少ない月を基準に考えてもいいと思います。


共働きの場合は夫婦の収入を合わせます。家計を家族の経営と考えると収入を合わせた方がうまくいきます。『正しい家計管理』でも合わせることを重視しています。


(夫婦の収入をどうしても合わせられない場合は、家族構成やライフスタイルの変化に対応できているかチェックしてください。結婚当初のルールのままで現状にまったく合っていないお金の使い方になっていると大変です)


2.貯金額を決める(貯金予算を考える)

収入を把握したら毎月の貯金額を決めます。『正しい家計管理』によると、貯金は義務です。1年間で貯めたい額を決め12で割るか、毎月の貯金額を決めます。


学資保険をかけている方は貯金予算に含めます。投資も貯金同様に扱い、毎月どのくらいの金額を投資に充てるか決めます。


住宅、子どもの学費、老後、アーリーリタイアなど貯金の目的を決めると貯金や投資に対し前向きになります。


先取り貯蓄を推奨します。残し貯めができる方は残し貯めでも構いませんが、お金があると使ってしまうタイプは先どり貯金です。


借金のある方は返済優先です。借金の総額を把握し、利息を払う期間を少しでも短縮します。(住宅ローンや無利子の奨学金などは貯金と返済を併用して大丈夫です)。


貯めたい額(理想)と実際に貯金できる額(現実)の差が大きいときは、できる金額を続けます。毎月1円でも純資産を増やせれば合格なので、誰でも貯金はできます。少額でも貯金の習慣をつけることが大事です。


どうしてもカツカツで貯金ができない場合は、臨時収入は貯金というように何とか貯金することを考えてください。


貯金の習慣がついて生活スキルが上がると、同じ収入でも貯金額を増やすことができるようになります。


(子どもが大学生など、貯金引き出しの時期はこの限りではありません)


3.固定費を把握する(固定費予算)

次は、支出の中の固定費を把握します。家賃や光熱費、通信費など毎月の固定費を通帳やカード明細、検針票などから拾って書き出します。おおよそでも固定費の合計を出すと、金額の多さにビックリするかもしれません。


固定費には価値観が反映されています。都心(あるいは田舎)に住みたい、子どもの教育費をかけたい、便利なサービスを使いたいなどです。固定費の原因となった価値観を探ります。


価値観が絡むので意外と固定費はカットしにくいものです。固定費は自分の生活で当たり前のことになっていることもあり、見直しの必要性にも気付きにくいです。


家計の見直しは固定費からと言われるのは、固定費は一度見直すとその費用をずっと削減できるからです。


固定費を見直すときは、住居にお金をかけたいのか、通信費にお金をかけたいのか、車を持ちたいのかなど価値観と照らし合わせます。


明らかに利用していないサービスは解約し、お金を払う価値を感じられないものからカットして固定費を下げます。お金を払う価値があるものは基本的に削除しません。(削除できなくても価格を下げられないか定期的に調べましょう)


毎月の固定費とは違いますが、一般的に特別費と言われている住民税や帰省など毎年確実に支払うものは固定費とみなし備えます。年間でかかる金額を想定し12で割り、固定費に計上します。


『正しい家計管理』によると、特別支出と毎月決まって出ていく支出の割合は半々という家庭が圧倒的に多いそうです。


特別支出を絶対になめてはいけません。『正しい家計管理』52p


特別支出で家計管理がうまくいかなくなることが多いのも納得です。特別支出と毎月の固定費が同じくらいと分かれば、お金を使うときまでに備えようと前向きに考えられます。


ちなみにとうか家(子どもは高校生と小学生高学年)は、毎月の固定費と特別費を年間で割ったもの書き出したところ、1か月の平均額が約20万円になりました。書き出してビックリです。


スマホは格安SIM、保険は掛け捨ての共済、年払いできるものは年払いにするなどできる範囲のコストダウンを実践していますが、それでもこのくらいかかることがわかりました。


家族の価値観をすべて反映できているわけではありませんが、いちばん大事にしたいことに焦点を当てると、それ以外のことは妥協しやすくなります。(メリハリというやつです)


4.流動費を把握する(流動費予算)

固定費の次は流動費をつかみます。

収入- 貯金 - 固定費=流動費(月々のやりくり費)


収入から貯金と固定費を引いたものが流動費です。月々のやりくり費です。とうか家は固定費>やりくり費となり、「これしか残らない!」という現実です。


やりくり費が全く手元に残らない場合は、貯金額の見直し(無理な貯金額を設定していないか)、固定費の見直しをします。


ボーナスのある方はボーナスから充てることを考えます。(ボーナスは今の時代どうなるか分からないので、ボーナスをアテにしない家計管理を当面の目標にします)


月々のやりくり費は自由に使えるお金ですが、日々のごはんなど必要なものに使うお金でもあるので、全額好き放題に使えるものではありません(;'∀')


やりくり費も自分やかぞくの価値観に合った使い方を見つけていきます。例えば、食費ならば自炊か外食か、外食の場合は頻度など価値観を反映した使い方をします。


金額はわずかでも知恵と工夫で満足度を上げることは可能です。


5.記録をして振り返る

収入と貯金、使えるお金を把握しました。この作業で予算(目安)が立ちます。


最後は毎月の収入と日々の支出を記録します。記録は手書きでもエクセルでもアプリでも何でも構いません。記録は大ざっぱでも細かくでも自分が続くやり方を見つけます。


最初は大まかに記録し、詳しく内容を知りたいものは細かく記録すると続けやすいです。全体像を把握し、どんなお金のかけ方をしているか分かればいいのです。


価値観にあった使い方ができているか確認するには費目分けをした方がいいのですが、費目分けで悩むくらいなら使った金額と合計を出すことから始めましょう。続けていくうちに自分にあったやり方が見えてきます。


使った金額だけ記録して終わりにせず、収入・貯金・支出の合計額を出します。想定した予算と照らし合わせて振り返りをします。毎月振り返りをすることが大事です。


▼振り返りのポイント▼

・収入の範囲で暮らせたか?
・貯金はできたか?できなかった理由は?
・想定外の支出はあったか?支出で見直せるところはあるか?
・価値観に合ったお金の使い方はできたか?


貯金ができなくても赤字でも落ち込まないことです。記録していれば原因が分かるはずです。原因が分かれば改善への道筋が見えます。


支出が想定以上の場合、年間を通して大きくお金の出る月かどうかも検証してください。たまたま最初に取り組んだ月がそういう月だとショックを受けヤル気が失せますが、めげずに続けてください。


1シーズン、半年、1年、数年と続けると自分の家の傾向や変化が分かります。(とうか家は3月~6月、12月の支出が膨らむ傾向です)


ひたすら毎月トライ&エラーをくり返します。最初は入出金を記録するだけかもしれませんが、振り返りを続けていくうちにかけたいところにお金を使えるようになります。予算管理もできるようになります。


収支がプラス、貯金もバッチリ、満足できる使い方ができたなら自分の管理能力や家族の協力を褒め称えましょう。本当に素晴らしいです。


かけたいところにお金を使おう

家計管理が1回やって終わりにならないのは、結婚、子どもの成長や進学、転職、退職、趣味の変化などライフスタイルが変わると、収入や支出・貯金は変化するからです。何にお金を使いたいかの価値観も変化します。


生活が変化するときだけちゃんとやればいいと思うかもしれません。一定期間だけ記録する方法もアリですが、記録を続けていると何をどう見直せばいいのか判断がしやすくなります。変化に備えやすく安心感が違います。


生活や意識の変化が見事に家計の数字に反映されるので面白いです。かけたいところにお金を使うという視点をもつと家計管理が楽しくなります。


私も道の途中です。かけたいところにお金をかけられるようトライ&エラーをくり返しています。


▼当記事のアイキャッチ画像(イラストACのくらうど職人さん)▼


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