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物流スタートアップのCSが現場で苦労したオンボーディング

自己紹介

はじめまして、株式会社Optimindのオペレーティングチーム(旧カスタマーサクセスチーム)に所属しているジョン(https://twitter.com/LastOneMile_CS)と申します。
勿論ジョンは仮名で、中身はバリバリの日本男児です。
年齢が社内では数少ない40代である為、他の社員からは尊敬の意味も込めて(本当に?)長老と呼ばれたりしています。
そんな長老ポジションで約2年半程度弊社サービス”Loogia”のオンボーディングに明け暮れている自分が現場で苦労した事を3つ程書いてみたいと思います。
この記事を通じて、物流スタートアップがやっている泥臭さや実際の物流現場はどんなものなのか、少しでも興味を持っていただけると嬉しいです!

先ずは前職時代はどのような仕事をしていたのかから記述します。

前職時代

前職は、医療機関が保険者に対して保険請求(通称レセプト)を行うシステムを開発・販売している会社で、医療機関に対してシステムの導入・保守サポートからリテンション・クロスセルまでを一気通貫で担当していました。
担当している顧客数は凡そ200件、北は富山県から南は宮崎県まで。
システム自体は既に完成しているもので、医療機関は美容医療等の健康保険外専門院を除いて必ずレセプト業務を月末に行います。なので、新規開業=レセプト業務を行う為のシステム(通称レセコン)を必ず導入します。
病院へ行って保険証や診察券を提出したら、受付さんがパソコンで作業されますよね。あれがレセコンです。
レセコンが開発される以前は、月末になると3日間徹夜して手書きでレセプトを仕上げてたなんて話を聞くくらい大変な業務だったそうですが、今はレセコンのおかげで僅か数十分で終わるくらい簡単なものとなりましたし、「レセプト業務に費やす時間の削減」と必ず効果を感じる商品だったので、「私、オンボーディングに失敗しないので!」と某大門未○子ばりのセリフを吐ける状態でもありました。(Optimindに入社して早々にその鼻をへし折られるわけですが・・・)
当時はそんな事思わなかったですが、必ず価値提供できるサービスって本当に凄いですよね。

では本題へと移ります!

物流の現場で苦労した事

1.データがデジタル化されていない

弊社が提供しているのはアナログで行っている配車業務をデジタル化するサービスです。配送データがアナログだと入力がとても困難で、仮に配送先が20件あれば、アナログだと名称から住所等計算に必要な情報を都度手入力しなければならず、その入力作業だけに1時間以上かかります。加えて車両台数が多ければ倍々ゲーム状態です。
そんなLoogiaをご利用いただく上でとても重要な要因であるのにも関わらず、配送データが紙(アナログ)でしか存在しないケースがあります。
特に、荷主様の荷物を運ぶ運送会社さんに多いイメージです。
届け先へ運ぶ荷物とそれぞれの紐づく伝票だけが送られてきて、その伝票を基に日々配送ルートを組まれるわけですね。
その様な事実が、過去は契約後の現場で初めて発覚し、「こ、これどうやってLoogiaに入力するねん・・・」と大量の脇汗をかいた事がありました。(今となっては良い思い出です)
解決方法として、「スキャナーとOCRソフトウェアを組み合わせて顧客情報を読み取る」を提案し、実際検証したものの、読み取りにかかる時間と読み取り精度の低さが改善できず、結局オンボーディングさせる事が出来ませんでした。
現状はインサイドセールスチームのヒアリングの段階でクオリファイされるようになりましたが、まだまだアナログが根強く残る業界だからこそ起きた事象かなと思います。

2.ワシの作ったルートが最適解

通常配車業務というのは「配車係り」と呼ばれる方々が作成されています。簡単に言うと、各車両がどの様な順番で配送するのか考えて実際の配送ルートを作成する業務です。
言葉で言うと簡単なのですが、やられている事はかなり難易度の高い事をされています。作成するのに加味しないといけない制約がとても多く、寿司職人の如く経験値を求められるわけです。
制約の例を挙げると、「訪問時間、荷量、荷姿、積み順、訪問件数、帰着時間」等多様な制約が存在します。
車両に対して積載可能な量で荷物や配送先を振り分けないといけないし、加えて訪問時間の指定があった場合はそれを考慮する必要がある。積載量的には問題なくても荷姿で問題があれば実質乗らないし、どの商品がどの様な形をしているのか常に把握し、加えてドライバー間で不公平がないように出来るだけ勤務時間が均等化しないといけないし、加えて非効率なルートであってはいけない。これらの制約を加味して車両数台分のその日のルートを人の頭で作るって本当に難易度が高いんです。

それ故に配車係の方は職人肌で、自身が作成される配送ルートに自信とプライドをお持ちです。
そこにそれらの制約を加味して時間的に効率の良いルートを作成するLoogiaを説明しても、
「AIがなんぼのもんじゃい!」
「ワシの勘ピュータが導き出したルートが最適解じゃけん!」
となるわけです。
そういった配車係の方々にLoogiaの良さを知ってもらうのは、そりゃもう大変なわけです。「Loogiaの方が効率良いんで使ってください」なんて言ってしまうと、ダイナマイトの導火線に火をつけた状況と変わりはないわけで。ですので、職人肌の配車係の人に対してどの様にLoogiaの良さを知って、実感してもらうのか、これまた職人のような対応を求められるわけです。

余談ですが、実際配車係の方が作成されたルートとLoogiaが導き出したルートの時間効率が差ほど変わらない事も稀にあります。なので「ワシの勘ピュータ」は侮れません!

3.ワシの選ぶルートが最適解

最後に登場されるのはドライバーさんです。
安全に気を付けながら顧客の方々へ確実に荷物を届けるというとても責任感の大きいお仕事を日々されています。
ドライバーさんは、配車係の方が作成された配送ルートを受け取り、その計画通りに配送業務を遂行されるわけですが、通常どの道を通るかまで指示される事はありません。ドライバーの方がこれまでに得られた経験から最適なルートを選択し、その道を通って荷物を運ばれます。渋滞せず、且つ事故が発生し辛くて安全走行できる道を選択されるわけで、これまた寿司職人の如く経験値が求められる部分でもあります。
その様な方にLoogiaの出した道と順番で配送を行ってくださいとお願いして、それを受け入れてもらうのがなかなか大変です。

「こんな順番で配送しても効率悪いじゃろう」
「こんな道より俺がいっつも通る道の方が速いにきまっとる」

上記のように、ベテランが多いドライバーさんはどうしてもLoogiaが出した計画に対して懐疑的になられがちです。そのような場合、「Loogiaが出したルートと順番が最適なのでその通りに走行してください」とだけ伝えても反発が生まれるのは必然ですよね。
なので、先ずはLoogiaを30%信頼してもらうところから始めます。いきなり0→100を狙うのは困難なので一旦その手前を目標とし、「Loogiaって思ってたより悪くない」と少しでもポジになってもらい、「Loogia使ってみても良いかも」と思っていただけるように対応します。
「ルートはご自身の経験則上から選択されたもので構わないので、先ず配送順だけでもLoogia通りに走っていただけませんか?」
こうお願いすると大抵の方は例えしぶしぶでもご協力いただけるし、実際走行すると「Loogiaって悪くないな」とポジに受け取っていただく事が非常に多いです。
それでも難しそうなら「横乗りさせてください!」と懇願し、1日助手席に乗せてもらってドライバーさんと仲良くなり、自分を信頼してもらう事もやったりします。
それで仲良くなればこちらのお願い事を聞いてもらいやすくなりますし、30→100まで持っていく事も可能になります。

最後に

「スタートアップ」、「SaaS」、「DX」みたいなワードだけ見るとめちゃくちゃデータドリブンで華やかな仕事ばかりしているようにも見られがちですが、Optimindはレガシーな産業をターゲットとしてサービスを展開している為、現場対応は華やかなものばかりではないです。
ただ、現場の方々は職人気質で且つ兄貴分的な方も多くいらっしゃるので、一度仲良くなれば良くしてくださる方が多く、人と接する事が好きな自分は今やっている仕事がとても楽しいです。(勿論苦労も多いですが・・・)
まだまだどの様な物流現場でも受け入れられるプロダクトではないですが、「Loogia」を利用する事で物流現場で働く方々が幸せになれるような状態になる事を目指して、これからも精進していきます!

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