クリエイティブの学び方


TCA Unlimitedで学んだことを消化。
電通zeroのクリエーティブディレクター、嶋野裕介さん

動画は「学び方を知る」から

「借脳」によるアイデアとインサイトの圧倒的修得方法

この嶋野さんは、最初は電通のマーケティングから営業、そしてメディアプランニングにいたが、メディアプランニングをやっているうちに、「最も効率が良い広告は、面白い広告だ」ということに気づき、クリエーティブ職を目指したという。

そのクリエイティブ職になるにあたっての勉強法やクリエイティブディレクターになってからの勉強法についてが主な内容だ。

今日の知見

良いクリエイティブを生むには良いインプットを。

いい意味で、結局、またこれだ。
やはり良いクリエイティブを作る人は、インプットを大量にしている。

嶋野さんもその1人である。

クリエイティブ職になってからは、TCC/ACCのコピーライティングを40年分写経したというし、クリエイティブ職の前は社内の研修は全て受けたというし、インプット量がえげつない。

嶋野さんが違ったのは、広告のクリエイティブを勉強するにあたってのそのやり方を教えてくれたこと。

具体的には、、

①なんで良いと思ったのかを考える
②それがどのようなインサイトをおさえているか?を考える

ここを考え、アウトプットすることが大事だという。

じゃあ、やってみよう。

・広告クリエイティブではないが、この嶋野さんの講義は何が良かったのか?

広告のクリエイティブの勉強法をそもそも知らない僕らに勉強法を教えてくれる講義だったこと。

・どのようなインサイトがあるか?

クリエイティブの勉強の仕方を体系的に分かりやすく解説してほしい。
誰でも努力次第でクリエイティブになれると思いたい。

じゃあ、何故、インサイトというものが大事か?だ。これも超実践コースの講義の中では、宮永さんが言っていたことではあるが、自分の中でそのインサイトの重要性が強化された形となる。

良いアイデアを決めるのはインサイト

アイデアはそもそも誰もが思いつくこと全てがアイデアであるが、

問題は"良いアイデア"とは何か?

だ。嶋野さん曰く、それは、

コミュニケーションする人の心を動かすポイントを掴めているか?(=インサイトへの刺さり方が良いアイデアの評価を決める)

人の心を動かさないものはアイデアではなく、思いつきなのだ。

「ブランドのいい所」と「ターゲットのインサイト」を繋ぐのがアイデアであるという考え方。そして、そのインサイトを発見するには、
インプットが大事となる。そして、上記に記載した

①なんでいいのかを考えること
②それがどんなインサイトをおさえているのか?を考えること

が必要になる。

また、もう一つ、やらなければならないことは、インサイトを抑えたり発見したりしたはいいが、その出口(=アイデア)をどう生むかというところ。これもインプットだ。

さまざまな広告やソリューションを観て、どんなアイデアで解決しているのかを見る事。そして、それを脳に貯めておく事。貯めておいたら、それを借りること。

過去のアイデアやインサイトを産んだ脳を借りる。これが、「借脳」の考え方なのだろう。

インサイトの考え方

インサイトを考えるにあたって、4つの方向から考える方法があるというので、記載しておく。

1.TARGET
ターゲットを観察して、ターゲットの本音を探索、検索してそのターゲットに対する解像度を高めること。

例えば、

南米のスーパーマーケット「MAKRO」にて展開された”LIFE EXTENDING STICKERS”は、傷んだ野菜やフルーツが売ることはできないか?という課題を持っており、各フェーズの果物や野菜に、その野菜の熟し方がどの料理に最適な時期なのか?をステッカーで貼ったというものだ。
予算をそれほどかけることなく、インサイトを捉えるだけで、解決したのだから本当に見事な企画だと思う。

通常なら「安くする」などの手法で解決することになるが、それでは、価格競争になってしまうため、顧客のインサイトを捉えた。

そのインサイトというのが、
「スーパーで買い物をする人全員」ではなく、「買って料理をする人」という捉え方だ。

このように顧客の解像度を上げて、スーパーにいる人の中でもどんな人がいるのか?ということを考えてみることである。


2.PRODUCT&CATEGORY
「商品あるあるを突き詰める」

例えば、

有名な「Got Milk?」は、牛乳が欲しくなる時のあるあるを表現するCMをしている。

食べたくなる瞬間のあるあるだけではなく、商品にまつわるあるあるなどは、インサイトの種と言える。

「きのこたけのこ論争」もその類なのではないかと思う。

3.SOCIAL MEDIA

「誰かに言いたくなる理由」を作る

例えば、、「おつかれさマッチタイムリープ」

「MATCH」が、「RTキャンペーンをしたい」というところから生まれたアイデアだそうだが、通常のRTキャンペーンとは違い、

・RTをすると、「落選」「当選」で異なる動画が送られてくる
・毎日参加できるため、日向坂46のファンは、参加していることを誰かに知らせたくなる。(毎日参加している俺、面白いだろ?俺も参加しているんだと言いたい)
・当選した人はもちろん当たったことを共有したい。(他のはずれた人も見たい動画だから共有しやすい)

というインサイトを掴んでいると考えられ、切り抜き動画も上げられたり、通常のRTキャンペーンよりも話題性があり、伸びたように思う。


4.MOMENT

「いまだ!」という時期的なもの

例えば、、

カロリーメイト「Surges」
ここ最近で観たコンテンツの中で1番衝撃を受けたかもしれない。広告で泣かされるとはね…。

中高校生の各部活動の風景を、アニメーションで描いているのだが、描いているモーメントは、「コロナ以前以後」

コロナ以前では、通常通り部活になんの疑いもなかった目標に向かって突き進む姿が映し出されるが、コロナ禍になり、それが崩れる。最後の大会もできずに引退していく上級生。それを観ている下級生。下級生も未来は分からないけど、それでも信じてできる練習に打ち込む。そして、2022年夏、ついにコロナが明け、夏の大会が開催される。その喜び、その爆発を描いたモーメントに合わせたウェブCM。
キャッチコピーは「夏がはじまる。」

他にも、その日、その時、その場所でだからこそ話題になる、影響力を増すポイントをつく。

インサイトを分析する時に使えそうだし、自分がインサイトを発見した時にどこにあるインサイトなのかを把握しておくのにも使えそうだ。


最後に

「インサイトのないアイデアはただの思いつき」というのが刺さったなぁ…。
そして、そのインサイトが上位であればあるほど良いとか…。発見していきたいですね〜


今週は以上かな。

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