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【2023年版】「金融教育」の役に立つ本はこの10冊!今年読んだ5つ星を紹介します

昨年(2022年)の記事が思いのほか好評(1,591ビュー(2022年12月10日〜2023年12月16日間のnoteアクセス数))だったので、今年もこの1年で読んだ「金融教育」に役立つ書籍を紹介します。今年は、キャリア関連の書籍も3冊ノミネートしています。充実したキャリアがあってこそ、お金の知識を最大限活かせるというのがわたしの思いだからです。

この記事では金融教育に携わる方で「もう少し授業や教材を工夫したい」「小難しい仕組みをわかりやすく伝えたい」「教えたいけど、経済のしくみや投資の知識に不安がある」など、お悩み解決のヒントが凝縮された作品を紹介します。

わたしの年間の読書量は、100〜150冊程度(金融教育以外も含む)です。その中から、特にオススメしたい5つ星10冊をまとめました。※5つ星とは:Instagram「おっぴ@読書の備忘録」内評価

『教養としての「金融&ファイナンス」大全』

著者:野崎浩成
出版:日本実業出版社
レベル:★★☆(中級)

【こんな人にオススメ】
金融業界で自信をもって仕事がしたいあなた
ありきたりな金融教育では物足りないあなた
なんとなくつみたてNISAやiDeCoを買い付けているあなた

正直、5つ星を超える評価をつけたい一冊です。広く金融全般をわかりやすくまとめてあり、補足説明やコラムを読めばさらに理解がグッと深まります。身近な疑問が解決できたり、わかりやすく伝える方法が発見できたり、と得られるものが盛りだくさんでした。

ちなみに、この書籍の「金融全般」とは、金融のしくみ(金融システム・金融機関・金融政策など)、投資や運用の視点、コーポレートファイナンスまでに至ります。これ一冊あれば、あれこれ本を探す必要がなくなるかもしれません。金融業界や金融教育に携わる方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

『[新版]この1冊ですべてわかる 金融の基本』

著者:田渕直也
出版:日本実業出版社
レベル:★★☆(中級)

【こんな人にオススメ】
FP2級に合格して1年以内のあなた
もう一度金融の基本を学び直したいあなた
債券や外国為替、コーポレートファイナンスが苦手なあなた

金融に関する基本的な解説にとどまらず、一歩踏み込んで「あー、そういうことも知りたかったんだよ!」と、知りたかったことに気づかされることが多かった一冊です。投資家や企業からの視点も盛り込まれ、理解がさらに深まり自信をもって金融教育の講師もつとめられるようになるでしょう。最後には新しい潮流として仮想通貨、フィンテック、AIにもふれていますので、次の一冊へとつながるかもしれませんね。

『図解即戦力 金融のしくみがしっかりわかる教科書』

著者:伊藤亮太
出版:技術論評社
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
学校の教科書だけでは少し不安を感じるあなた
金融の分野で何を教材にしようか悩んでいるあなた
わかりやすい資料を作りたいけどイメージがわかないあなた

学校の教科書、もしくはサブテキスト的な仕上がりでとても馴染みやすく感じました。金融業界に全く縁がない教職員の方や、これから金融の一歩を踏み出す方が安心して学習を進められる一冊です。ある程度金融の知識がある方でも、各チャプターの解説資料から教材をつくるときのヒントがたくさん見つかると思いますよ。

『ETFハンドブック』

著者:デビッドJ.アブナー
出版:金融財政事情研究会
レベル:★★★(上級)

【こんな人にオススメ】
何となくETFに投資しているあなた
投資信託についてもっと詳しく知りたいあなた
ETFが気になっているけどまだ買ったことがないあなた

今回紹介する10冊のなかで唯一、上級レベルと判断した書籍です。とはいえ、ETFをある程度理解して投資をされている方なら、とても読み応えがあること間違いなしです。また2024年からの新NISAでは、成長投資枠でのETF積立投資も加わります。ETF(上場投資信託)は流動性が高く、信託報酬も比較的安く設定されています。ちょっと背伸びしてこの作品にチャレンジしてみたら、新しい世界が広がるかもしれませんよ。

『「いい会社」はどこにある? 自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』

著者:渡邉正裕
出版:ダイヤモンド社
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
これから就職・転職活動を始めるあなた
わが子の会社選びに役立つ情報を知りたいあなた
進路指導やキャリアカウンセラーの仕事をしているあなた

金融教育とキャリア教育は関連性が高く、双方のジャンルの作品をときどき読むようにしています。業界、会社選びの観点からいえば、唯一無二の一冊です。著者が18年もかけて、現場で働くビジネスパーソンへインタビューして集めた生の情報が凝縮されていますよ。同じ業界でも会社が違うだけで、こんなにも働き方や文化が違うのか……と、唸らされます。

『給料の上げ方 日本人みんなで豊かになる』

著者:デービッド・アトキンソン
出版:東洋経済新報社
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
転職を検討中のあなた
勤務先の給料が上がらないあなた
自分の能力に見合った給料がほしいあなた

キャリア形成の作品、二冊目を紹介します。こちらは外国人から見た日本の人材市場について書かれた本です。オックスフォード大学で日本学を専攻、日本在住33年の著者がしっかりと解説してくれます。ますますグローバル化が進む昨今、諸外国からみた日本の現状を知っておくことに損はないでしょう。金融教育だけでなく、キャリア教育に携わる方にも読んでいただくことをおすすめします。

『キャリアづくりの教科書』

著者:徳谷智史
出版:NewsPicksパブリッシング
レベル:★★☆(中級)

【こんな人にオススメ】
将来転職か起業をしたいあなた
今とても仕事が充実しているあなた
就職して将来のキャリアビジョンが見えないあなた

まさにキャリアづくりの教科書です。「真面目に働いているのに報われない」ということはありませんか?目の前の仕事は、今いる組織にしか通用しない仕事かもしれません。就職、転職を考えている方はもちろん、充実した日々を送っているビジネスパーソンこそ、読んでいただきたいです。あなたのこれまでのキャリアを最大限活かせるチャンスに出会えるかもしれませんよ。

『デジタル時代に騙されないための18歳からの「契約」超入門』

著者:遠藤研一郎
出版:講談社
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
金融教育に携わるあなた
高校生や大学生の子どもがいるあなた
中学校家庭科で消費者教育を教えるあなた

「人に合わなくても物が買える」「興味関心のある情報がダイレクトに伝わる」こんな時代だからこそ、読んでほしい一冊です。消費者教育にフォーカスしたマンガと図解で39のケース事例をあげ、具体的にわかりやすく解説されています。中学生、高校生、大学生の子どもがいる保護者の方にも知っていただきたい内容です。

消費者トラブルから、稼いだお金、貯めたお金を守りたいなら知っておくとよいでしょう。例えば授業で一つ事例を取り上げ、みんなで意見交換してみるのも面白いと思います。ちなみに、18歳、19歳の国民生活センターへの相談件数NO1は「脱毛エステ」だそうですよ。

『高校生と考える新時代の争点21』

著者:桐光学園中学校・高等学校
出版:左右社
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
初めて高校生に授業をするあなた
自らの授業のマンネリ化を打破したいあなた
さまざまな角度から脳にビビッと刺激がほしいあなた

超豪華講師陣21名が、キレのいい授業を披露してくれます。一流の講師陣が熱く伝える内容や実体験は、これからを生きる高校生にグサッと刺さるフレーズやストーリーが凝縮されています。彼らに金融教育をする立場であれば、現代の高校生が求めるこの感性に共感できることは不可欠でしょう。わたしたちがかつて求めていたもの、新時代を迎える世代に必要なもの、に気付かされるかもしれません。

『新しい社会 公民』

出版:東京書籍
レベル:★☆☆(初級)

【こんな人にオススメ】
初めて金融教育に携わるあなた
授業の教材のヒントを探しているあなた
出前授業で中学3年生を対象に講師を務めるあなた

金融教育を伝える相手がどんなことを勉強しているか、を知っておくことは必須と考えます。公民の教科書なので金融教育に関連するカリキュラムは、金融のしくみをさらっと解説している程度にとどまります。内容をみていくと、「わたしならこう表現してもいいかな」「こういう観点で意見を聞いてみよう」など、いろいろアイデアが浮かんでくると思いますよ。

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