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物思いに耽ける時の松任谷由実

十年以上聴いてるユーミンのプレイリストをSpotifyにアップしました。
ユーミンの良さというのは、荒井由実時代から彼女にしか書けない喜びや哀しみ、失恋や内省的な歌詞の深み・起承転結に尽きると思う。彼女は失う事にも美しさを見出し、歌詞という形で永遠にしている。
そういう美しい曲をまとめているうちにいつしかプレイリストとなった。

よってこのリストは、彼女のコンサートで盛り上がるそれとは世界線が全く違うし、このリストに放り込めないお気に入りはたくさんある。
メランコリックな懐古と心情的救いを反芻する心地よさが主軸。

消灯飛行という失恋サイド

ユーミンは息の長いアーティストなので、寂しく内省的な曲だけでもグラデーションとリストが成立する。明暗のレンジが広いのだ。
輝く滑走路としての中央フリーウェイ、そして対極となる消灯飛行のように。

ユーミンの夕闇

プロデューサーをむかえ別人となるポップスターに比べ、ユーミンにはSSWというアイデンティティのコアがある。たしかお嬢様で、関東の恋や理想を体現して来たようなユーミンが、「私は絵で挫折してるから」と述べて驚いた記憶が。人生には夢破れ、挫折した者だけに見える風景があって、よく中島みゆきと松任谷由実は対極だと云われるが、実際のところ陽キャラであるはずのユーミンが歌う悲恋の陰は濃いよね。
みゆきファンタジー的なダークサイド、そのお芝居のような不幸の連鎖とは方向性こそ違えど、それぞれに得意な深みがある。

出口のない不幸に立ち続ける運命を歌うみゆきのデスパレートな傾向に比べ、ユーミンはどこか余裕があり、それぞれの救い方というか、問題や感情の回収方法がある。
これはいずれ書こうと思っているが、俺は創作物に人生の答えや救いを探していた時期があった。人生の中で一度でも、本人にとって何か真理めいたものを掴んだ作家の作品は、その後も色褪せない気がする。

関係ないが、みゆきのオールナイトニッポンにユーミンが招かれた際、ライバル心から気張っておしゃれをした由実を、みゆきが吉野家の法被姿で大歓迎!
由実が「敵わない…」と思ったエピソードも色褪せない。
みゆき面白すぎる。

あ、ユーミンの話だった。

おわり 雑感

彼女が他のアーティストに書いた曲は入れてない気が。輝かしいんだけどテンションが違う。塞ぎ込みたい時に聴くこのリスト向きではなくて。
また、リスト以外にも内省的な良い曲はあるんだけど、ここに入れるとなぜか浮く。そして、歌詞の整合性だけを追えば息が詰まる。「何でこれがここに?」が意外と大事。
シンデレラエクスプレスには全く共感しないけど、流れでは収まっているなど、選曲の魔力を感じつつ、今日はおわり

追記 2024 04 13
「静かなまぼろし」は、松任谷由実が沢田研二との共演のために書き下ろした曲だったのですね、失礼しました。彼女の作品の中でも五本指に入るほど好きだったので驚き。
たった一度の美しい男との共演に、超名曲を書き上げあっさり捧げる24歳のユーミンの執念ちょっとこわい🤟🥹🤟と思いつつ観たらすごいクールだった。改めて彼女の溢れ出る才能と当時の勢いを感じて。

沢田研二版は歌詞が違うという。リリースされたヴァージョンも違う。
🟡松任谷由実
「もしも微笑み この席で向き合えば」
🟣沢田研二
「もしも微笑み この席につくのなら

🟡松任谷由実
「時は戻ってしまうの 遠い日に」
🟣沢田研二
「時は戻ってしまう 遠い日に」

🟡松任谷由実
「すべてを分かち合い歩いた二人が」
🟣沢田研二
「すべてを分かち合い歩いた二人

🟡松任谷由実
「会わない日々を云いつくす言葉など
もういらないの 気づかずいて欲しい」
🟣沢田研二
「会わない日々を云いつくす言葉など
もういらない 気づかずいて欲しい」

🟡松任谷由実
「昔の恋をなつかしく思うのは
今の自分が幸せだからこそ」
🟣沢田研二
「昔の恋をなつかしく思うのは
今日の自分が幸せだからこそ」


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