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スカート

今日、電車に乗っていると、
次の駅で降りようとしているっぽい優先座席から立ち上がった子連れの女の人に声をかけられた。

知り合いの人かな?どこかのライブハウスで会った人かな?もしかしたらわたしのことをどこか(路上ライブとかYouTubeとか)で観てくれた人かもしれない…?(なんでこんな思い上がった予測をしたのかと言うと、以前梅田の道端で知らない外国人の方に「前に路上で君を見たよ」という旨を、その方が撮影した私の路上ライブ動画とともに伝えられたことがあったからである)
などと思いイヤホンを片耳外すと

「そのスカートってそういうスカートなんですか?」

と聞かれた。

よく意味がわからず、
聞き返すと

「そういうスカートなんですか……?そういうスカートだったらすみません。」

えっ…このスカートが可愛いってこと……?たしかに可愛いけど…そういう意味であってほしいけど……(この不穏なニュアンスはそういうかんじではないな…となると…)



「後ろが巻き込まれて上がってしまってるっぽいので…」


わぁ〜〜やっぱりかああ〜〜〜


確認すると、スカートの後ろ側がストッキングに巻き込まれてやや上がっていた。

けれども幸い、長めのスカートだったことと、「こういうスカートな可能性もある」と考えられていたことから、パンツが丸見えとかではなかったっぽい。

その瞬間はテンパってたのでなんて言ったか忘れたけど「すみません!ありがとうございます💦」的なことを言いながら笑けた。

女性は「そういうスカートだったらどうしようかと思った!w」的なことを言いつつ降りて行った。

丸顔で目がぱっちりしていてなんとなく仕事ができそうな雰囲気の女性だった。どんくさくなさそうなかんじだった。



やさしいな

って思った。

やさしくてほっこりして涙が出そうになった。


普段だったら、絶対涙なんて出ないと思うけど。
この日は落ち込んでいた。

この日というか、

自分の至らなさにより、人をがっかりさせてしまったことが最近あって、
それがずっと心にひっかかっていていた。

彼女のやさしさと、笑ったことで胸がすいたような気持ちになった。


べつにわたしに声をかけてくれたところで、
彼女にはなんの得もないのに、
なんなら降りなきゃいけない駅で降りるタイミングを逃す可能性すらあるし、子供だっているし、、
本当にそういうデザインのスカートだったとしたら、気まずくなる可能性もあるのに
声をかけてくれた。

きっと一時が万事そういう人なんだろうなと思った。


わたしもどちらかというと彼女側の人間で、
だけどよかれと思っておせっかいみたいな行動に出ても、
相手にはべつに求められてなかったみたいな経験もちょいちょいある。

好きなアーティストのライブを観に味園ユニバースに行ったとき、
ライブ中に前の方の女性が倒れたことがあった。

熱中症かと思って、
ライブ中だったけど、ドリンクカウンターに行って水をもらって、彼女に渡そうとしたら、
付き添いの人に
「そういうんじゃないので、大丈夫です」
と言われた。

遠慮してるのかと思ってもう一度差し出そうとしたが、本当に不要なようだった。

でも別にわたしはそれで感謝されたかったとかじゃなくて、
その場でベストだと思う行動を自分が取りたかっただけなので
とくに恥ずかしいとか残念という気持ちにはならなかったのだけれども、

ドリンクカウンターの人には、
そういう事情ならと無料でお水をいただいたので、
ただただ自分のために無料で水を掠めたヤツになってしまったことだけが、収まりが悪いかんじになった。

でもそういうかんじでさ、
良かれと思ってやっても誤解されて受け取られたり、見当違いだったり、思った反応が返ってこないことってあると思うけど、
それでも「自分が真心由来で行動した」って事実には変わりないから、
それによってどんな反応が返ってくるかはもう相手次第だから、そこは自分のコントロール下にはないから、
相手の反応によって自分が投げかけた「真心」を恥じたり濁らせたり捻じ曲げたりする必要はないよなと思う。
もちろん明らかにありがた迷惑みたいなことはしないように心がけたいけどね、、ありがた迷惑は思いやりではない気がする。


とにかく今日の電車の女性は中島らものいうところの「その日の天使」だった。
わたしにとっての今日の天使。
ありがとぴあ。

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