ウクライナ戦争 2023年の私的振り返えりと今後の見通し

2023年のウクライナ戦争を振り返ってみようと思うわ。
飽く迄も私的振り返りって事で、いちいちソースには当たらないことにした。うろ覚えで適当に書くやで。

バフムトの戦い

 バフムトでは、ロシア軍は側面を正規軍で固め、予備的な砲撃で徹底的に地ならしをしてから、ワグナーの囚人を突撃させてた。砲撃で敵を消耗させてから歩兵を送るっていうのはロシアの常套手段な。人命優先の低リスクな戦い方や。まぁ、NATOも同じや。イラクでも空爆で都市を壊滅させた後に歩兵を送ってたやろ。ロシアは大砲が得意なんで、大砲でやっとるだけやな。
 ウクライナ軍は兵隊を逐次投入して抗戦したな。だが、ワグナーは止まらない。日々ワグネルの前進が伝えられた。ウクライナは、仕舞にはろくに訓練を受けてない新兵まで突っ込んだ。戦いの終盤では囚人兵は引っ込みワグネルのエリート兵が活躍した。
 市街地戦は攻撃側に有利な場合がある。さらにワグナーは砲火において優位。さらにワグナーは囚人兵、つまり死んでも良い兵隊を突っ込ませて削り合わせた。当たり前やけど、ウクライナ軍で戦ってるのは、ウクライナのふつーの市民や。其のへんのおっちゃんや兄ちゃんなわけで、そんな善良な一般市民が犯罪者と殺し合いしてるってのは、これはウクライナにとってはキツイよな。

 この戦い、ロシア軍の損耗は極めて少ない。大事な正規兵とワグナーのエリート兵を温存できた。一方でウクライナはここでベテラン兵士が多くやられた。プリゴジンによると、ワグナーは5万人のウクライナ兵を葬ったらしい。

 アメリカはバフムトから退くように進言していた。バフムトは損切りして、クラマトルスクまで防衛ラインを下げたほうが良いとは、よく言われてたよな。でもゼレは言うことを聞かない。
 そんで、貴重な兵力をワグネルの囚人と潰し合わせて損耗した挙げ句、5月、街を失ったというわけや。プリはバフムトをミートグラインダーと呼び、戦いの主眼がウクライナの兵力を消耗させることに置かれていることを強調してた。ロシア側は目的を達した訳や。一方、ゼレンスキーは最悪の判断ミスをおかした。ここでのミスが反攻作戦にも支障をきたすことになる。

反攻作戦

 ウクライナは、かくして損耗した状態で無謀にも反転攻勢に突っ込んだ。もともと、反攻作戦は延期に延期を重ねてた。でも、ウクライナの勝利条件は、クリミア含む全領域からロシア軍を撤退させることやから、どの道反攻作戦はやらないとあかん。

アゾフ海まで

 反転攻勢作戦っというのは、南ではオレホボからトクマクに抜け、メリトポリを奪還し、クリミア目前まで迫る。メリトポリは交通の要衝や。ヴェリカノボシルカからベルジャンスク、あわよくばマリウポリまで進撃し、ロシア軍を分断、クリミアをロシアから切り離すという大規模な作戦や。ロシアの戦争目的の一つはロシアとクリミアを陸路でつなぐことやから、これをされるとロシアはキツい。
東ではバフムトで押し返す。一発でかい戦果を挙げて有利な条件で講話に持ち込もうという狙いやったんやろ。
 ウクライナ応援団の情報空間には、ロシア軍は素人ばっかで質の低い、精強なウクライナ兵を見ればすぐに逃げ出す、レオパルトがあれば大丈夫だ、9月にはアゾフ海が拝めると極めて楽観的な見通しが蔓延してた。
 ウクライナと西側は、何度もウォーゲームをやって、行けると踏んでゴーサインを出した。みんな、2022年のヘルソン、ハリコフでの大勝利みたいなのを期待してたんや。

読まれていた作戦

 でも、反転攻勢はロシアに完全に読まれていた。練り上げられた陣地に誘導されるように突っ込んだウクライナ軍は、異常な密度の地雷原に阻まれ、NATO式訓練もレオパルト2もBradleyも虚しく一週間も経たずに無惨なまでに粉砕された。
 ロシアの三重の防衛線とか、BBCが分析して報じてたよな。あれの第一防衛線にも達せず、警戒陣地で粉砕された。この時点で所期の目標を達成する見込みは潰えたわけや。ハリコフの再演はならずだった。尤も、BBCは決定的な敗北ではないと強弁したが、間違っている。
 機甲での突破は無理となったので、ウクライナ軍は歩兵でちまちま攻めることにした。ちまちま進んで、トクマク手前のロボチネまで進んだが、そこで止まったな。ま、一応東ではクリシチウカを奪還するという戦果をだしてるけど。

 反転攻勢が一応続いてた2023年10月頃に、ロシアはマリウポリとかあの辺に高速道路を建設し始めた。ウクライナは完全に舐められ虚仮にされた形だった。反攻に対するロシアの勝利宣言と言ってもええやろ。
 New York Timesは、ウクライナが反転攻勢で得た土地より、同じ期間でロシアが獲得した土地の方が多いとか報じ始めた。Washington Postは、ウクライナが得た領土は誤差レベルであると言い出す。
 
 総司令は作戦の失敗を認め、西側諸国はウクライナに失望。さらにパレスチナで戦争が始まったことで関心は更に遠のいたな。

失敗の原因

 反攻作戦失敗の要因の一つは、ウクライナがバフムトに固執しすぎたことや。
 ロシアにとってバフムトは、ウクライナの人員を削るミートグラインダーだって言ったよな。実は人員だけじゃなくて時間も削っていたんや。
 反攻作戦は延期に延期を重ねて、漸く6月に実行されたが、その頃にはロシアは防衛線を固めて終えていた。ウクライナがバフムトで時間を浪費してる頃、実はロシアは黙々とせっせと防衛陣地を構築してたんや。

 もう一つは西側とウクライナはロシアを過小評価しすぎてたことやな。当然西側はロシアの防衛線が仕上がってることは知っとったが、それでもゴーサインを出したのはロシアを舐めてたからに他ならん。
 それは多分、ヘルソンとハリコフでの成功体験に引きずられたってのもあると思う。前も勝てたんだから今回も行ける!ってな。あと、ゼレンスキーは自軍が勝ってると調子に乗り、アメリカとかの忠告を無視するようになるらしい。そういう性格のせいで彼はバフムトからの撤退時期を見誤った。
 してみれば、皮肉なことにハリコフのあの大勝利は、ウクの敗戦を決定づけた勝利だったわけや。しかし、ぶっちゃけ、ハリコフは宣伝されてる程の大勝利ではない。ロシアは敗走したのではなく、少ない損害で戦略的に撤退した。ヘルソンでも同じや。
 一方ロシアは緒戦でボコられて、ウクライナを甘く見るのにやめた。プリゴジンはブログで、ウクライナ軍を讃え、ロシアは全力を以て戦わねばならない、来たるべき反攻作戦に備えろと言ってたな。

プロパガンダの罠に嵌る

 ウクライナと西側は、ロシアは弱い!西側兵器最強!ハリコフ大勝利!ってプロパガンダの自家中毒に陥り、客観的な分析を怠り、杜撰な作戦を立案実行、そして取り返しのつかない損害を出した。もうウクライナは次の反攻を組織出来るだけの資源はない。でも西側は失敗に責任を取らない。反攻を急かし、作戦を監修したのは西側なのにな。
 こいつらは孫子を読まなかったんか?西側の夜郎自大と愚かさが極まった瞬間やった。

ロシア軍の攻勢

 ほんで、反攻が潰えたと同時に、待ってましたとばかりにロシア軍が各戦線で進んどる。ロシア軍はアウディーイウカで攻勢に出始めた。マリンカもついに陥落。バフムト方面でも前進し始めて、チャシブヤールに迫ってる。ロボチネでもロシアのカウンターが始まった。反転攻勢の成果がパーやw


 全てが空想的、願望先行的に進んだ結果や。ウクライナは現実を見ることが出来なかったんやな。

今後の見通し

 来年はどうなるか?それは誰にも分からんよな。来年、ロシアが決定的な攻勢に出てウクライナを打ち負かすのか、膠着が続くのか。停戦するのか。

消耗戦

 ロシアとしては今更停戦はしたくないと思ってるんやないかな。だって今勝ってて主導権を握ってるのはロシアやからね。ショイグがNATOの作戦を打ち破ったぞーってこないだ勝利宣言してた。
 ロシアは消耗戦を志向しとる。これはある意味ロシアの伝統芸やな。今回も同様や。
 ロシアはウクライナより全ての資源が上や。人的資源も兵器数も、弾薬も数倍の差がある。ロシアが月間数万発の砲弾を製造する中、ウクライナは慢性的な砲弾不足。さらに人員不足に悩み、あと最低50万人が必要だと言い出した。ロシアは動員に成功し、志願兵も30万集めたな。
 ウクライナは止まったらそこで死や。止まったらジリ貧で死ぬ。せやから、迅速にロシアに打撃を与え、講和するしか道はない。でも乾坤一擲の反攻作戦は、あまりにも呆気なく終わってしもた。おまけに兵力をごっそり減らしてな。
 こうなったからには、ロシアは火力の優位を活かして、じわじわとウクライナを削る。戦線が膠着した状況では、ますます火力が物を言うようになる。

 消耗戦はウクライナに対してだけじゃないで、西側に対してもや。西側はSWIFT排除を含む最強の経済制裁で以てロシアを速やかに潰そうとした。ロシアは経済が雑魚だから、制裁を食らわせれば途端に崩壊する。インフレで国民の生活は破壊され、プーチン政権は倒れる、って本気で思ってたんや。が、制裁は功を奏さず、それどころかロシアは戦時体制が回りだして兵器をばんばん増産中や。ロシアには天然資源がある。物質的基盤に支えられた経済は想定より遥かに強固だった。
 さらに、ロシアは、ソ連時代から続く反植民地外交でグローバルサウスを味方につけた。国際世論はロシアの味方をしている。この点でもロシアは消耗戦を戦う体勢を整えたと言えよう。プーチンは、ぶっちゃけもう西側には興味がない。逆にBricsのお友達とかグローバルサウスの声はめちゃめちゃ気にする。プーもメドベジェも最初は西側主義者だったんやけど最近はエグい文明主義者や・・・。
 

 世論も消耗戦の対象の一つや。西側はな、軍需産業が回りだすとか以前に、世論が消耗戦に負けてるんや。つまり、皆ウクライナに飽きて興味を失ったってことや。主要新聞のウクライナ応援プロパガンダも止まったよな。
 しかもウクライナの世論もガタツキはじめとる。領土割譲も已む無しと云う意見も増えてきた。そんでこの頃はゼレンスキー大統領と総司令官の不和が噂されてる。
 一方ロシア世論は盤石や。西側メディアはプーチンは国民の支持を失ってるって喧伝してたけど、全然違う。都市の若者の一部に反プーチンの連中がいるってくらいや。中年や年寄、地方民はプーチンを強固に支持しとる。てか都市の若者はそもそも戦争に興味を失っとる。動員される心配がないからな。彼らは変わらぬ日常を送ってるんやで。ロシアの政治エリートもプーチン支持や。リベラル派もいるんやけど、西側から祖国ロシアを防衛する必要を感じてるので、プーチンを支持している。西側が期待してた市民の反乱も宮廷革命も可能性はかなーーり低いやろなw

ロシアの戦争目的


 特別軍事作戦の目的って色々あるけど一番大事なんはウクライナの非軍事化や。それはNATOを追い出すとか、ウクライナを中立化するとかいう生っちょろいもんじゃないと思う。ウクライナの徴用可能人口を徹底的に磨り潰し、国として二度と立ち直れない様にすることなんじゃないかと思う。となれば、プーチンとしては戦争が長引いた方が嬉しいやろな。 
 圧倒的な砲火で一方的にウクライナ兵を虐殺し続け、人口を減らす。戦争が長引けば長引くほど、難民は帰還しづらくなり、避難先に定着する。戦争が終わっても国民が戻らず、人口の再生産ができなくなる。

 さらに停戦しない理由はまだある。ロシアはもはやウクライナも西側も信用しない。去年、「ミンスク合意は時間稼ぎだった」ってメルケルが言ったよな。ミンスクはノルマンディーフォーマットとか言って、アメリカを排除した仏独ウク露で行った合意や。プーチンは同じ西側でもフランスとドイツは多少信用してたと思う。それが裏切られたわけやから、もう西側全体を信用しなくなった。ウクライナ応援団は、「停戦はロシアに体制を立て直す時間を与えるだけだ!」って云うて反対してるけど、それはロシアも同じなんや。てか寧ろそれはロシアの台詞や。ガタガタなのはロシア軍じゃなくてウクライナ軍やからね。せやから停戦はせず、二度と立ち上がれん様にきっちり仕留める。んじゃないかと思う。 

 つまり、ロシアはウクが無条件降伏するまで続けるだろう。そんで、これからも攻勢にでるやろう。もっと領土を分捕るのは間違いないと思う。ハリコフは取りに行くと思う。ハリコフは近いし、工業地帯や。工業は全部奪わんと非武装化したとは言えない。デモンタージュはロシアの伝統な。オデッサはわからん。オデッサに行くには、ヘルソンを取らないとあかん。オデッサを狙えるだけの戦力はない。が、プーチンがオデッサに執着を持ってるのは確かや。この間もオデッサはロシア語圏だとか言ってたよな。あと、プーチンはオデッサ労組会館放火事件にブチギレてて、「犯人を捕まえて裁判にかける」と言っている。これはプーチンの隠れた戦争目的の一つや。 

ウクライナに選択権はない

 ウクライナは領土を譲る気はない。少なくともゼレンスキー政権はな。ドンバス地方どころかクリミアまで奪還すると息巻いとる。
 でも世論はわからん。ウクライナ国民はぶっちゃけ疲れてる。日本のメディアがゆーてるみたいに、最後の一人まで戦うぞって雰囲気じゃもうない。
 領土を守るのは大事だけど、それで何人死んでるんやってことや。要するに戦争を続けるのはコスパが悪いかもなってウクライナ人は思い始めてる。特に男はな。逆に外国在住のウク国民や女性はまだ他人事でいられるわけで、クリミアまで取り戻せーっと勇ましい。
 ゼレンスキーに対する不信感も徐々に募りだした。汚職はもちろん、ゼレ以下政府の偉いさん達の息子、親戚は徴兵されないし、海外にも出放題や。これにウクライナの一般市民は不公平感を懐き出した。さらにここに来て軽い身体障害者や女性をばんばん徴兵するとなってきたな。こうなると女性も他人事ではいられなくなる。
 ウクライナ世論は消耗戦に負けつつある。しかし、ゼレは戒厳令を敷いて選挙を潰した。野党も解散させた。ゼレンスキーが自発的に権力を手放す可能性はかなり低いと言わざるを得ない。

 ウクライナはそろそろ停戦してもいいと思い始めてる。やけどな、戦力を消耗しきったウクライナに停戦を主導する権力はないんやで。反転攻勢してみたけど失敗したのでもう止めましょう、なんて虫が良すぎるよな?
 停戦ってのは両陣営の勢力がイーブンな時に成り立つもんや。ロシアにとっては一方的にタコ殴りにできる状況が現出したわけで、停戦なんかするわけ無いやん。
 初期のイスタンブール・コミュニケとかあったよな。あそこで停戦しとけば良かったんや。あのときはウクライナが勝ってたからな。

 いずれにしてもや、もうウクライナに選択の余地はない。停戦したいと言ってもロシアは拒否するやろう。ウクは、最後まで抗戦して死ぬか、無条件降伏するかしか無い。

西側の動向

 西側は止めるに止められない。ロシアに譲歩したら国際秩序がガタつくからや。西側にはもはや世界を思いのままにする軍事力はない。だったらなおさら秩序を維持せなあかん。 
 でもウクライナ支援を続けるのはもうきつくなってきた。どうにかメンツを保ちつつ手を引くしか無い。
 西側は、ゼレンスキーを独裁者と断罪して切り、強引に手を引くかもしれん。ゼレは戦争が始まる前から野党系テレビ局を弾圧しとった。戦争が始まるとは野党を非合法化しウクライナ正教会を弾圧してる。あと、奪還した地域で市民をロシアへの協力者とか言ってつるし上げたりしてるよな。つまり、ゼレの梯子を外す口実はいくらでも有るわけや。 

 西側が支援し続ければロシアに勝てる!と信じてるウク信も多いと思うが、それはむずいかもしれん。さっきも言うたけど、消耗戦でロシアには勝てん。世論が飽きたらそこで終わりや。そして、西側はロシアに生産力で勝てん。砲弾さえまともに作れんのや。西側は韓国に縋ってるんやで?ウク信は開戦初期、「ロシアは韓国並のGDPのザコ」って云うてたよな・・・。西側先進国(笑)さんたちはそのザコのロシアに生産で負けて、ザコの韓国に頼ってるんやでw

まとめ

 2023年、ウクライナは選択を誤った。軍事的合理性より政治を優先し、バフムトに固執。敵を過小評価し、雑な作戦で戦力を損耗した。この1年はウクライナの負けや。
 来年も戦争は続くやろう。2024年中に終わるとは思えんのやけど、なにか、一区切りがつくかもしれん。
 こっからは、ウクライナはジリ貧や。どう勝つかではなく、どう負けるかを考える段階だとはよく言われるな。でも、ワイはそういう時期は過ぎたと思うな。ウクライナと西側が止めたいと言っても今更遅いって可能性がある。こうなったら無条件降伏しかない。
 
 まぁ、どうなるかとかいつまで続くのか、そう言った事は全く誰にも分からない。戦況がウクライナにとって厳しくなることは唯一確実に言えることなんじゃないかと思う。あとウクは戦争が終わってからがキツイやろな。借金返していかんと。
 とにかくさっさと終わらせて欲しいわ。人が死んでんねん。

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