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市民オペラに参加するということ 29

4月の第一土曜日、この日の指導者は会の代表者だった。発声練習を終えると、さっそく「愛の妙薬」の練習に入る。最初に、前週やったところの続きの中盤部分をまず練習して、前回とその前の回に集中的にやった後半の女声合唱の部分は飛ばして、冒頭に戻って練習する、というメニューから始まった。

この日やったところには、私が初見の箇所が何箇所もあった。でも隣に上手い上に音取りもほぼ完璧な人がいたので、その人の声を頼りにしながら私もなんとかついて行く。すると、確かに全く初めてのところが複数箇所あったことは事実だが、あとは、見たことがないように思える箇所も、一度くらいは歌ったことがあることがわかり、愕然とする。一度でもやったことのある箇所は、なんとなくであっても聞き覚えがあるので、やればなんとか思い出す。だからこの会で以前「愛の妙薬」をやった時にも参加した人たちは、きっと大きなアドバンテージがあるのだろうな、と思った。でも初めてやる私なんかのほうが、困難もあるが楽しいのもまた事実だろう、そう思って自分を励ます。

冒頭まで戻ってやり直すと聞いた時は、そこはもうスプリングコンサートに向けてさんざんやったのに、と私は思う。その割に、何週間かやらなかっただけで歌詞を忘れかけている。おまけに、スプリングコンサートではカットしたところを、本番ではやるようで戸惑った箇所もある。もっとも、音も歌詞も似ているので、そんなに苦労なく覚えられそうではあるが。

冒頭から通した際にも、初見の箇所が何箇所かあった。おまけに、突然一言だけ歌う、みたいな面倒なところも少なくないことがわかる。それにしてもこの演目は、合唱の登場する箇所が多い作品だと思う。それは出番が多いと言う、喜ばしいことでもあるのだが、覚えるまではちょっと大変だ。

この日を以って、私は晴れてこの演目の全ての合唱登場箇所を、一度は譜読みしたことになった。結構長い道のりだった。例年だと4月は、立ち稽古が始まる時期なので、もう暗譜も視野に入れないといけない、と代表者は言う。まだ今日全体を通したばかりなのに、もう暗譜か。まあなんとかなるさと思うことにする。

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