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東京オリンピック ボランティアドライバー体験記37

8月7日土曜日、大会もあと2日、私のボランティアも残すところあと2日だ。この日のもともとのシフトは、2時から11時なのだが、前日メールには3時15分集合と書いてあったので、乗車のアサインがあるのだろう。前回、集合時刻の30分前に遅れたら、仕事が他の人に回ったということがあった。それを教訓に、今回はちゃんと早めに行こうと思った私は、予定時刻の1時間前に選手村に到着した。

ところがチェックインの段階になると、ちょうど私の隣でチェックインしていた人に割り当てられている仕事が、もともと私にアサインされていた仕事だということがわかった。インド人ステークホルダーの幕張メッセ及び国立競技場への送迎。インド人が出発時刻を早めたとかで、事務局側は私ではなく、待機していたドライバーに仕事を割り振ろうとしていたようだ。しかしそこは、私が元々の担当なのだから、権利を主張し、仕事を取り戻す。相手には悪かったが、その人も代わりの仕事を、優先して割り当ててもらっていたようだ。

この車両にはいつもはチェックイン時に渡される、ドライバー用のポーチがないのだという。私は後半の交代ドライバーで、ポーチは前半のドライバーが持っているらしいのだ。ドライバー生活9日目にして初めて、私は交通カードを渡された。交通カードとは、前のドライバーと落ち合う場所まで公共交通機関で移動する時に使う、Suicaのようなものだ。どこで落ち合うかは、前のドライバーに電話して聞いて欲しいとのことで、相手の携帯電話の番号と、私が使う予備の携帯電話が渡される。

しかしその番号に何度かけても相手は出ない。それならいったいどうすればよいと言うのだ。とりあえず、A駐車場に行くようにということだったので、シャトルに乗ってA駐車場に移動してから、再度電話をかけることにする。

A駐車場に到着してから電話をかけても、やっぱり相手は出ない。A駐車場の受付で、交代ドライバーが電話に出ないことを私が訴えると、「交代ドライバーならそこに居ますよ。ポーチ持ってきてくれましたか?」と聞かれる。なんだ、ここに居たのか、と安心したのも束の間、私が前半ドライバーだと勘違いされたのだ。

つまり、A駐車場には私の仕事をアサインされたドライバーがもう一人いたのだ。インド人ステークホルダーを運ぶ車両のために、ドライバーが3人! C駐車場で私が着くまでにアサインされそうになっていた女性と、A駐車場でステークホルダーを待っている男性と、私だ。トリプルブッキング! 私は呆れ果てた。

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