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中小企業の途上国への進出における2つのスキーム

はじめに

今回の記事では、中小企業の途上国への進出や事業創出のために必要な考え方、具体的な2つのスキームについて説明します。

「将来、自社の商品やサービスを途上国に展開したい!」
「途上国が抱える課題を自分たちの技術力で解決したい!」

という自社の事業の海外進出に熱い想いのある方に読んでいただけたら幸いです。

途上国へ進出の本質

はじめに、”中小企業が途上国に進出する” 意義について考えてみます。

中小企業が途上国に進出をする意義のひとつとして、進出を計画する対象国が直面している課題の解決手段(ニーズ)と中小企業の製品やサービス(シーズ)を結びつけるということです。換言すれば、中小企業のシーズを導入することで、対象国のニーズを満たすということです。

具体例として、実際に弊社がモンゴル国で行なった、「エコトイレ導入による衛生環境改善事業にかかる基礎調査」を挙げます。

本案件でのニーズは、「モンゴル国の劣悪なトイレの衛生環境と付随する土壌汚染」の解決であり、シーズは、「株式会社エクセルシアの凝固剤を用いた排泄物処理技術」です。

中小企業が途上国へ進出ということは、対象国で満たされない課題の解決・市場ニーズへの訴求やSDGsへの貢献が伴って、中小企業のビジネス創出が実現されるということです。

2つのスキーム

以下では、実際の中小企業の対象国への事業創出のスキームを見ていきます。

大別すると、①中小企業の自己資金で事業展開する「民間スキーム」と、②JICAなどの公的機関による資金援助を受けながら、事業展開する「官民スキーム」があります。

民間スキーム

民間スキームは以下の通りです。

①ヒアリング
▶︎ 提案技術・商品の確認
▶︎ 事業の目的・活動内容の確認
▶︎ カウンターパート機関の検討

②事前調査
▶︎ 調査項目の絞り込み
▶︎ 国内調査(文献、インターネット、関係機関へのヒアリング)
▶︎ 現地調査(現地人材への委託、フィージビリティスタディ)

③事業計画の策定
▶︎ 要員計画の作成
▶︎ 作業行程の作成
▶︎ 企画書の執筆
▶︎ 費用の積算

④事業の実施
▶︎ 生産・販売の開始
▶︎ 現地調査準備
▶︎ 現地協議
▶︎ 現地情報の収集

官民スキーム

官民スキームは以下の通りです。

①ヒアリング
▶︎ 提案技術・商品の確認
▶︎ 事業の目的・活動内容の確認
▶︎ カウンターパート機関の検討

②事前調査
▶︎ 調査項目の絞り込み
▶︎ 国内調査(文献、インターネット、関係機関へのヒアリング)
▶︎ 現地調査(現地人材への委託、フィージビリティスタディ)

③公的機関向け企画書作成〜応札
▶︎ 要員計画の作成
▶︎ 作業計画の作成
▶︎ 企画書の執筆
▶︎ 費用の積算

④採択〜契約締結
▶︎ 見積根拠資料等の準備
▶︎ 詳細作業工程計画の作成

④事業の実施中

▶︎ 生産・販売の開始
▶︎ 現地調査準備
▶︎ 現地協議
▶︎ 現地情報の収集

⑤事業完了後
▶︎ 公的機関向け業務完了報告書、生産報告書の作成

両者の違いは、官民スキームには、資金援助を受けるため、事業前に企画書の作成→応札→採択→契約締結、事業後に業務完了報告書、生産報告書の作成という手順を踏む必要があるという点です。

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Open Sesameでお手伝いできること

途上国には、現地に赴いて初めて認識する 文化、政治経済、国民性などがあります。机上での調査では分からない不確定要素がたくさんあります。現在はインターネットで色々な情報を得ることが出来ますが、政治経済など変化が激しい国(同じ国でも都市部と地方では異なる)では、実際に赴いて肌で感じることが重要だと考えます。

弊社では、そういった予想出来ないリスクを軽減するための事前調査を中心にクライアントの海外進出をお手伝いします。

官民スキームの一例として、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業のサポートを行なっております。

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出典:JICAホームページ

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