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外資系コンサルタントにカスタマーサクセスのコンサルティングを依頼してみた

いつもはカスタマーサクセスについてノウハウを語る立場なのですが、第三者が考えるプロセスも見てみたくなりました。
そこで、弊社製品openpageのカスタマーサクセスを、外資系コンサルタント経験のあるKさんに依頼をしてみました。
その様子を実際の対談形式でお届けします。Kさんよろしくお願いします。

K:よろしくお願いします。カスタマーサクセスにお詳しい藤島さんに対してカスタマーサクセスを教えるって、なんか緊張しますね。笑

藤島:いえいえ、全然そんなことはないです!僕も普段は他の方の取り組みを勉強させて頂いていているので、本日とても楽しみにしていました。

 K:そう言っていただけるとありがたいです。そもそもなんですが、openpageとはどういうプロダクトなんでしょうか?

藤島:一言で言えば「カスタマーサクセス専用のサイト構築システム」です。参考にしてるのはSalesforceのトレイルヘッドで、実は僕がビズリーチ時代にこんなサイト作りたいな~って思ったのがきっかけですね。

K:なるほど。僕も最近そういったサイト制作に関わることが増えてきましたね。製品の対象や提供価値はどのようなものなのでしょうか?

藤島:対象となる企業様は、テックタッチでカスタマーサクセスを取り組みたいと考えるお客様ですね。ハイタッチのカスタマーサクセスは形に出来てきて、じゃあ次はテックタッチだ、となる際の選択肢の一つにして頂きたいと思ってます。

K:たしかにテックタッチの取り組みは、まだまだこれからという企業が多いですよね。

藤島:職種的にはここ2~3年に急に生まれた職業なので、ツールベンダーが追いついていないんだと思います。提供価値としてですが、カスタマーサクセスの現場でよく言われる言葉で「自走」という言葉があります。

K:自走?

藤島:はい。カスタマーサクセスにおいては、はじめは伴走して一緒に製品活用を進めていくことからスタートするのですが、そこから徐々に顧客が自ら独り立ちして製品を使いこなせるように支援していくんですね。

K:なるほど。ではその「自走」において必要なことはなんですか?

藤島:まず、ユーザー様が自己解決ができる環境整備からが必要です。openpageの製品がまさにそうなのですが、WEB上にいつでも製品の利用や成功ノウハウがわかるようなコンテンツをちゃんと準備してあげること。出来ればそのコンテンツを読めばモチベーションが高まる、となるとベストですね。


カスタマーサクセス・コンサルティング①サクセス状態の定義を考える

K:わかりました。今の藤島さんの話を整理してみました。

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K:カスタマーサクセスにおいて重要なことは、誰に何を提供するのかをしっかり定義することです。「サクセス状態の定義」と私は呼んでいます。
カスタマーサクセスを仕組み化していくうえでは、ゴール設定が重要で、どこに向かっていくための支援なのかの軸となるものです。

藤島:なるほど。たしかに重要ですね。カスタマーサクセスは抽象度が高いワードなので、このように成功の定義が言語化してあると社内の目線合わせにもなりますね。

K:そうなんです。成功の定義ができたその後にやるべきは、そこに至るステップを整理することです。

藤島:ゴールに向かう道標を設計するんですね。

K:はい。まず一番最初に固めたいのは、オンボーディングです。スタートダッシュでどう走り切るか。藤島さんのopenpageの利用にあたって最低限やらなければならないことはなんですか?

藤島:そうですね…テックタッチのツールなので、そのためのコンテンツを揃える必要があります。製品の利用方法についてや、具体的な機能説明などですね。

K:なるほどです。他に行うべきことはありますか?

藤島:あとはサイトを作る、という話なので、ロゴや色の設定も必要になります。またSaaS製品とのSSO(シングル・サイン・オン)を前提としているので、その実装も必要ですね。

カスタマーサクセス・コンサルティング②サクセスフェーズを設計する

K:わかりました。仮ですが、このようにフェーズごとのアクションを整理しました。

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藤島:すごいてすね。これはわかりやすい。

K:カスタマーサクセスのフェーズについては、Gainsightが提唱しているような一般的なものでいいと思ってるんです。大事なのはそのステップごとに何をするのか、どうしたら成功なのかを作り込んでいくことですね。

藤島:なるほどです。

K:各ステップでは完了基準も設けるべきだと思います。どこまでやったらこのステップが完了なのか、計測しないとわからないですからね。この計測の仕組みは作っていますか?

藤島:直近では、機能利用についてはGoogleAnalyticsも活用しながらBigQueryにデータ連携する業務を、データアナリストに依頼しています。ユーザー数やログイン状態、各種機能の利用度合いはレポートにしていくところです。

K:いいですね。これをモニタリングのデータをして活用し、各アクションの磨き込みを行っていくといいと思います。ちなみに、openpageもカスタマーサクセスアクションをするうえで自社活用していきますよね?

藤島:はい、今は開発にリソースを注力しているのですが、次の資金調達の段階までに自社自体でもうまく活用している成功例を作りたいと思っています。


カスタマーサクセス・コンサルティング③オンボードプログラムを作る

K:かしこまりました。一般的なコミュニケーションチャネルとopenpage(トレーニングサイト)を扱うという前提で、オンボードプログラムを整理してみました。

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藤島:これはいいですね。各プロセスにおいてどんなコミュニケーションツールを使うのかがひと目でわかる。

K:もちろん、これが100%正しい型ではないのですが、このようにまずは整理しておくことで、何が不足しているか、何をもっと磨いていかなければならないかの検討がつけられるようになります。

藤島:オペレーション・エクセレンスも重要ですからね。

K:はい、どのタイミングで、何のチャネルで、何を伝えて、どうなってもらいたいのか。これを体系的にまとめ、愚直に改善していくことが、まさしくオペレーション・エクセレンスに繋がります。

藤島:素晴らしい考えです。今後カスタマーサクセスにおけるオペレーション・エクセレンスの事例も増えてきそうですね。

カスタマーサクセス・コンサルティング④カスタマーサクセスに用いるツールを揃える

K:そうですね。次はカスタマーサクセスにて用いる各種ツールの整備について検討したいと思います。MECEではないのですが、海外だと下記領域がカスタマーサクセスのツール領域と言われています。

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藤島:見たことがあります。弘子ラザヴィさんもたまにスライドに挟んだりしますよね。

K:そうですね。でも僕はこれだと被りが多いので、下記のように整理してみました。

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藤島:たしかに、これくらいの粒度のほうがMECEですね。

K:そうなんです。openpageはhubspotに強いメンバーがいるということでhubspotを軸にしつつ、openpageを連携していくという座組がいいと思います。

藤島:hubspotは米国でもカスタマーサクセス用途での利用が増えてきているみたいですね。

K:そうですね。あとはzendeskもカスタマーサクセス用途での話を聞くようになりましたね。

藤島:たしかに。ちなみに僕は経営観点でzendeskはベンチマークしていて、近しい製品ながら機能が被らないようにopenpageの強み弱みとなる機能を整理していたりします。

K:カスタマーサクセスの領域はどこまでを製品化するべきかプロダクトマネジメントが難しいですからね。あとデータアナリストがBigQueryを使いこなしているということでしたので、ヘルススコアの基盤もBigQueryでいいと思います。BIはMetabaseが個人的にはおすすめです。

藤島:Metabase?

K:オープンソースのBIツールで、結構使えるんですよ。変にヘルススコアのツールを使わなくてもBIである程度はなんとか出来ます。

余談: ツールベンダーのカラー

藤島:そうなんですね。ヘルススコアのツールは国内でもHiCustomerに加えてpottosやCustomerCoreなど増えてきてますよね。うちは会社としてはCustomerCoreさんとはお付き合いがあって、役員の壷内さんがコールセンター業界出身なので話が合うんですよね。

K:ツールベンダーもカラーが出ますよね。

藤島:そうですね。HiCustomerは代表の鈴木さんがVC出身者なのでベンチャー系の発信強かったりとか。

K:ちなみにopenpageだとどんなカラーなんですか?

藤島:僕がエンジニアあがりのデジタルマーケターなので、どちらかといえばエンジニアとかマーケターが強いです。あとはKさんに依頼してるくらいなので、外資系の体系だった経営が好きですね。

K:たしかにopenpageはマーケターや外資出身者が多いですね。

藤島:あとは僕がメディア業界の仕事をしてたり、コンテンツマーケターでもあったので、コンテンツ発信は好きで。先日のMarkeZineとの記事広告とか、媒体社様との取り組みは積極的ですね。

K:たしか宣伝会議のインタビューも受けてましたね。

藤島:そうですね。出版社や新聞社といった世相を反映する企業からカスタマーサクセスを見たときに、その先にいる読者はどのような認知をしていて、我々はどう発信するべきかはよく考えていて。

カスタマーサクセス・コンサルティング⑤テックタッチのコンテンツの用意

K:メディアに関しては私は詳しくないので、色々教えてほしいです。話を御社のカスタマーサクセスに戻すと、ツールに合わせてテックタッチ用のコンテンツの整備も必要になりますよね。ざっとこのようなイメージです。

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藤島:ありがとうございます。テックタッチのコンテンツもステップごとに設計をするんですね。

K:はい。はじめに設定した「サクセス定義」から逆算したときに、どのようなシナリオがあるか考えたうえで、段階を踏んで説明するよう意識しています。

藤島:カスタマーサクセスに至るまでの長い道のりを、最短で歩むためのコンテンツといったところですかね。

K:まさにそうです。注意点は、冒頭では製品をはじめる意義や、活用戦略のようなものを伝えたくなりますし、伝えるべきなのですが、早く製品を利用して価値を実感してもらう「クイックサクセス」も重要です。

藤島:まず結論から、といいますが、まずはクイックサクセスからだと。

K:はい。またこのコンテンツを伝えて何のKPIを上げるのか?を意識することも大事です。コンテンツ読了 to KPI向上を意識しないと散漫な文章になってしまいますからね。

藤島:そうですね。とても勉強になりました。

おわりに

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藤島 誓也:Twitterアカウント
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