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2022年のカスタマーサクセスは不況とともに始まるー結論:カスタマーサクセスも売上を出そう

カスタマーサクセスに携わる人は、薄々気づいているかもしれません。
いまSaaSは、大不況時代に突入しています。。。

SaaS不況の時代に突入した

これまでは、SaaSのベンチャー企業は派手に、「20億円資金調達しました!!」などのアピールが目立っていたと思います。
しかし、この資金調達というものは、アンパンマンで言うところの「僕の顔を食べなよ」です。

資金調達はアンパンマンで言うところの「僕の顔を食べなよ」

つまり、自社の会社の価値が100億円としたときに、その20%を投資家に株として受け渡すことで、20億円の資金を得ていたのです。
ですので、ベンチャー企業は「自社の会社の価値」がどれだけ高いかが重要です。SaaSのベンチャー企業は、主にPSR(売上のX倍)で会社の価値が評価されてきました。

SaaSの不況時代というのは、このPSRの倍率が半減以下に落ち込んでしまう時代、つまり会社の価値が半減、資金調達も半減、使えるお金も半減、会社のリソースも半減、カスタマーサクセス投資も半減、、、といった時代なのです。

SaaS評価の変化 ALL STAR SAAS FUNDより

こちらの資料は、SaaSのベンチャー投資に詳しいALL STAR SAAS FUNDのものです。SaaSの会社の価値、評価がどのように変わったのかが昨対比でわかります。

これを見ると、昨年はPSRが11.4倍~23.8倍だったのが、今年に入って4.2倍~8.9倍に落ち込んでいるのがわかります。昨対比で1/2以下の評価額です。

そのため、昨年と同じ売上高では、去年の1/2の価値でしか会社が評価されない。アンパンマンの「僕の顔を食べなよ」と自分の体を渡しても、その価値が半分に下がっている状態になっているのです。

この状態が続くとどうなるか。まず経営者がピリつきます。

企業価値が下がると、経営者がピリつく

なぜなら、去年より半分のお金しか調達できないのであれば、会社の資金がなくなり倒産する危険が2倍に高まるからです。

そうなると、カスタマーサクセス的にはどうなるのか。
私は、SaaS各社のカスタマーサクセスの部長以上、役員以上に聞いてみました。

「売上責任が重くなりました・・・」
「コンサルサービス(プロフェッショナルサービス)を売らないといけなくなりました・・・」
「セールス業務も兼務になりました・・・」
「少ない人員で回さないといけなくなりました・・・」
「ツール入れてサポートしないともう無理です・・・」

カスタマーサクセス責任者たちの声

そう、カスタマーサクセス部門で売上上げてくれプレッシャーが、会社から強くなるのです!!!
なぜなら、PSRが低いから・・・!!

openpageではSaaSベンダーへのカスタマーサクセスコンサルティングも多く行っているのですが、このSaaS不況時代に、カスタマーサクセス部門が考えなければいけないことを改めて整理しました。

カスタマーサクセス部門で売上アップの圧力が強まる

これまで、カスタマーサクセスはチャーンを防げばOK、の空気が流れていました。しかし、チャーンを防ぐというのは、実は売上の向上につながっていません。売上が下がるのを防いでいるだけです。

今後カスタマーサクセス部門は、チャーンを防ぐだけでなくて、売上を上げる方法を考えてくれ。じゃないと人は割かないぞ。というSaaSの会社は増えてくるでしょう。

売上を上げろよ!!!と苛立つ経営者

ここで意識したいカスタマーサクセスの指標は、チャーンレートではなく「売上継続率(NDR/NRR)」です。
指標の詳細は、弊社openpageが更新するYou Tubeチャンネル「カスタマーサクセスTV」にて動画を公開しています。

売上継続率とは、契約した既存顧客から、どれだけ売上を高めてるの?という指標です。
そのためには、「新機能のオプションで単価を上げる」「他事業部や他部門に展開して契約金額を上げる」「有償のコンサルティングメニューを販売する」「大手企業との規模の大きい契約を結ぶ」といった動き方が必要になります。

つまり、カスタマーサクセス部の機能として、法人営業、顧客開拓、新規事業開発のような売上を付けてくる動きが強烈に必要になってきます。

会社の利益率が重要になる

ALL STAR SAAS FUNDの図を見ると、売上がすごく成長している企業より、「売上が成長していて、なおかつ利益もでている」企業のほうが評価が高くなっています。
つまり、コストを下げて売上を高める、ということです。カスタマーサクセスとしてもこの動きに貢献しなければなりません。

カスタマーサクセスのコストの多くは、カスタマーサクセスメンバーの人件費です。ですので、このメンバーの負担をいかに下げるかをカスタマーサクセス部門は考え抜かなればなりません。

利益率を意識したカスタマーサクセス

取るべき施策は上記です。
まず、人自体を使わなくてもカスタマーサクセスが回る仕組みを作ること。
そして、カスタマーサクセスの業務をなるべく体系化、必要時間を短くすること。
これらの施策は弊社openpageではテックタッチのシステム導入の支援や、カスタマーサクセスの業務体系化の支援を行っています。ご必要あればお気軽にお問い合わせください。

新セグメント、新領域でのカスタマーサクセスを発展させる

売上の圧力が強まると、営業部門のプレッシャーも上がります。生々しい話でいえば、「このお客様は本当はうちの製品は合わなさそうだけどな・・・ま、カスタマーサクセスがなんとかするか!」と、強引に案件を取ってきたりします。

こうなると、本当に、カスタマーサクセスのサービス提供でなんとかするしか無くなります。「こんな案件取ってくるなよ・・・」と愚痴をいっても、営業は必死だし、経営者もわかっていながら目をつぶっているのです。

前のお話では、カスタマーサクセスをテクノロジー導入や仕組み化によって、カスタマーサクセスのメンバーの手間を下げる、ということを述べました。

そこで空いたカスタマーサクセスメンバーの工数は何に使うべきかというと、前の前に述べた売上げアップの動き、そしてもう一つ、新しい領域や合わない顧客に対しても、ストレッチして人的にカスタマーサクセスをやりきることなのです。

やったことのない案件、合わなそうな顧客でも、頑張ってカスタマーサクセスしてみる

こうして「提案可能な顧客のポテンシャル」を広げることで、営業としてアプローチできる先が増えて、結果的にカスタマーサクセスの活動が売上げアップに繋がるのです。

非常にシビアな時代になりましたが、下記のSmartHRの宮田さんのブログ記事にあるように、個人のキャリアという観点では、創意工夫が求められる前向きな機会だとも捉えられます。めげずに前を向いて頑張りましょう。

追記:Gainsightのニック・メータさんも同じことを言ってる

同じようなことを国内で記事化してるカスタマーサクセスの方はまだ少ないので、この話は本当か???と驚くかもしれません。
残念ながら、本当です。こちらは、Gainsightのニック・メータ代表が米国のSaaSベンチャーのCEO達に聞いた、施策の優先度です。

米国SaaSベンチャーCEOの施策優先度

1位がクロスセルによる契約拡大、2位がパートナーセールスの拡大(つまり営業コストの削減)、3位がカスタマーサクセスの自動化です。
ニック・メータさんが記事の中で語られるキーワードは「効率性」。
効率よく売上を上げること、効率を良くしてコストを下げること。
企業経営の基本かもしれませんが、あらゆるカスタマーサクセスの現場においても、カスタマーサクセス業務の効率を高めていくことこそ重要。
ご不安になった方は、openpageのコンサルティングサービスやカスタマーサクセスツールのご利用をぜひご検討してみてください。一緒にこの問題を解決していきましょう。

追記: 国内(日本)のSaaS経営者の声

ラクスル代表の松本さんのブログからも、同じ意図の発信がされています。わかりやすく言えば、下記のように私は解釈しました。

・ARR/チャーンレートでLTVを算出〜はウソ!SaaSは競争激しいし、すごいライバルがでてくれば解約される。(チャーンレートだけを目標にしてはいけない)
・もっといえばSIerやITコンサル企業も、法人にシステム提供してるのでライバルになる。そことも比較されるようになってくる。(大型・複数の製品・コンサルティングの取引も増やさなければいけない)
・顧客に深く入り込んでリプレイスされないようにするしかない。(カスタマーサクセスを頑張って、既存の取引を拡大しよう)
・でもコスト意識はちゃんと持つように。売上だけガンガン上げればいい時代は終わる。(カスタマーサクセス含め業務の効率化に取り組もう)

藤島の勝手な解釈です・・・

おわりに

こちらの記事が良いなと思った方は、是非いいねとSNSシェアをいただけると幸いです。またopenpageでは様々なカスタマーサクセス情報を発信しております。下記関連リンクよりご覧ください。

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