見出し画像

カスタマーサクセスにおけるコミュニティ構築の考え方

カスタマーサクセスにおけるコミュニティをどう立ち上げるべきか?の相談を受けることが増えてきました。しかし、コミュニティ施策は数あるカスタマーサクセスの取り組みの中で挫折しやすいものの一つです。
この記事では、コミュニティを立ち上げるうえでの注意ポイントや考え方、コミュニティの意義などを解説します。

※カスタマーサクセスのためのサイト構築をご検討の企業様はお気軽にご相談ください!

カスタマーサクセスにおけるコミュニティは「難易度が高い」施策

カスタマーサクセスにおけるコミュニティは非常に難しいです。
先日も、ベルフェイスにてコミュニティをクローズした報告がnote内でされていました。

このように顕在化されていなくとも、コミュニティを挫折した、クローズした企業は多いはずです。

カスタマーサクセスでコミュニティを成り立たせる前提条件

まず、カスタマーサクセスにおいてコミュニティの成り立たせるには、「エクスパンションフェーズの顧客数が相当いること」「体系的なカスタマーサクセスプログラムが仕上がっていること」「NPS、LTVといった指標が高いロイヤル顧客がいること」といった前提条件があります。
つまり、そもそもカスタマーサクセスの体制が整っておらず、ファン顧客が十分にいない状況でコミュニティを行っていても、施策として始めるには早すぎるのです。

まず、言わずもがなコミュニティの以前にカスタマーサクセスの体制構築が重要です。顧客に自社の製品を、利用初めから習熟するまでの十二分な製品トレーニングの体験が作れているかが、コミュニティを始める前提条件です。
なぜなら、トレーニングの取り組みがない状態は製品についてよく理解している顧客が作れていないと同じことです。製品理解に乏しい顧客しかいない状況では、コミュニティでの発信を顧客がやりようがないのです。

カスタマーサクセスにおいてコミュニティを始める意義は「ユーザー生成コンテンツ」

また、コミュニティを行う理由とは何だと思いますか?
私はずばり、「UGC(ユーザー生成コンテンツ)を作ること」だと考えます。
これはSalesforceの代表であるマーク・ベニオフがコミュニティを初めた理由として書籍で挙げたものです。

カスタマーサクセス含む企業側が発信する内容よりも、ユーザー発信のほうが信頼度は高い。それに気づいたマーク・ベニオフ氏は、顧客向けセミナーで自ら話す頻度を減らし、実際に利用している顧客に話してもらうよう促進したことが書かれています。

先日、私が登壇したMarkeZineのイベントにおいても、顧客は企業側の発信よりも顧客が発信した内容のほうを信用する、というお話をさせて頂きました。

画像1

コミュニティを考えるうえでは、顧客の発信をいかに活用するかに焦点を当てるべきです。

カスタマーサクセス担当はコミュニティにおいて「ロイヤル顧客の拡声器」になるべき

コミュニティ施策に対してカスタマーサクセスは拡声器であるべきです。
というのも、コミュニティに登壇して話していただけるような顧客は、全顧客の1%程度か、それよりも低い。そもそも人数が少ないです。
ですので、その少ないロイヤル顧客の声を拡張させ、なるべく多くのユーザーに届くようにするべきなのです。

画像2

コミュニティの声を多くのユーザーに届ける「カスタマーサクセス編集者」

そして、コミュニティ施策においては「編集」がセットで必要です。

・その製品をどのように使っているのか
・なぜこの製品のファンなのか
・成功にあたってどのような努力をしたか
・どこで挫折しようになったか
・他の製品との違いをどう考えているか
・どの機能が好きか

このような顧客のコミュニティでの発言を、編集し、ブログ・動画・ホワイトペーパーなどにするべきです。コミュニティにおけるロイヤル顧客の声はストック化をしましょう
単に数十名が集まるイベントを1回やったり、ただコミュニティの箱やサイトだけをWEB上で用意しても、全くROIが合わないのです。

ロイヤル顧客の声を届ける仕組み作り

ROIを合わせていくためには、ロイヤル顧客の声を届ける仕組み作りも必要です。
例えば、弊社製品のopenpageは、自社製品の利用顧客にインタビューコンテンツや登壇スライドを共有するような仕組みを機能実装しています。
カスタマーサクセスが話して伝えているものと全く同じ内容でも、カスタマーサクセスの人よりも顧客が伝えたほうがいいこともあります。意外と顧客はカスタマーサクセス担当者の声に耳を傾けていないもの、くらいの気持ちを持って取り組みましょう。

コミュニティは顧客の力を信じることが重要

コミュニティの目標は「UGC数(ユーザー生成コンテンツ数)」に置くべきです。そのうえでは、「顧客は自分よりこの分野に詳しい」という姿勢で取り組む必要があります。
カスタマーサクセス組織は、自分らが顧客に教えて導いてあげる、という立場から「上から目線」になってしまいがちです。
「顧客への尊重の心」を持って、「自分らよりも顧客のほうが問題に向き合い、自社製品をうまく使いこなしているんだ」という気持ちがなければコミュニティは継続しません。

画像3

カスタマーサクセスにおけるコミュニティは、挫折しやすい施策と注意する

コミュニティの挫折ポイントはたくさんあります。
そもそも顧客育成の仕組みがない、ロイヤル顧客がいない、顧客が発信に協力しない、発信したコンテンツが無駄になっている、ロイヤル顧客の声が他ユーザーに届いていない・・・数えるとキリがありません。
コミュニティ施策は難易度の高い取り組みである、という視点を持ち、失敗しないコミュニティを作っていきましょう。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
もしよろしければ、記事のシェア・Twitterのフォローをお願いします。

※数社限定で、弊社テックタッチ製品のカスタマーサクセスクラウド「openpage」のトライアルを提供しております。ご興味がある方は製品フォームないしTwitterよりお問い合わせください。


藤島 誓也:Twitterアカウント
https://twitter.com/seiya_fujishima