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【5/25まで開催中!】営業自粛中ギャラリーによる無観客・オンライン個展の記録と記憶

こんにちは東京・蔵前でTOKYO PiXEL. shop & galleryという名前のギャラリーをやっている店主の大図まことです。久しぶりのnote更新となりました。

まずはじめに今回このような状況になり展示を予定されていた作家の皆様、来場を楽しみにされていたお客様に対して大変申し訳なく思っております。全ての展示スケジュールは中止ではなく延期となっておりますので詳細が発表されるまでもうしばらくお待ちください。

現在私が運営するギャラリーではイラストレーターわかる個展「フレンズ」無観客・オンライン個展として開催中です。すぐにお知らせを兼ねてこのnoteにも書きたいと思っていたのですが会期終盤の今日の更新となってしまいました。5/25(月)まで続きますので是非このnoteとあわせてオンライン個展をお楽しみいただければと思います。

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わかる個展「フレンズ」
日程:2020年5月7日(木)〜 5月25日(月)
※オンライン上での展示となります。実店舗ギャラリー内にて展示を行っておりますが会場にお越しいただいても御入店頂けませんので予めご了承ください。最終日25日(月)お昼12:30~のライブ配信を持って終了となります。

▼こちらでギャラリー内の展示風景などをご覧いただけます。


オンライン個展開催に至った経緯

どういった経緯でオンライン個展をやることになり、どのように行っているのか今日は宣伝を兼ねて書こうと思います。コロナで営業自粛をしている個人店の方やクリエイターの方の参考になればと思います。

TOKYO PiXEL. shop & galleryとは
2018年9月に東京の下町蔵前にオープンしたギャラリーです。展示は週替わりで入れ替えを行い若手クリエイターを中心とした創作活動の発表の場としてジャンルを固定することなく運営しています。これまで個展、企画展を含めると80名以上のクリエイターの方々にご利用いただいております。
作家さんの個展に掛かる初期費用を軽減するため箱代無し、最低保証料無し、販売手数料のみでの運営をしています。
店主は刺しゅう作家としてギャラリースタッフはイラストレーターとしての顔も持ちます。
https://tokyopixel.shopinfo.jp

当ギャラリーはコロナの影響で3/3から休業を開始し様子を見て3/25にいったん再開したのも束の間、3/28から今日にいたるまで店内にお客様を入れることなく営業自粛を続けています。

個展は作家さんの晴れ舞台なのでこちらとしては最大限意向に沿えるようスケジュールの延期対応をさせていただいております。不安だという思いや、材料が手に入りにくいなど創作活動に支障が出たこともあると思うのですが2月の終わりから個展の延期に関するお問い合わせを作家さんから多数いただきました。

3/3よりギャラリーを休業し自宅でのリモートワークになってからは金策に走ったりネットで情報を集めたり時間がいつもより多く取れたので色々な考え事をしました。当初はそれでもこんなに長期化するとは思っていなかったので収束後すぐに動き出せるようにとギャラリーとして新たに導入出来そうなサービスを考えたり、物販用にと新規の工場とメールで打ち合わせをしたりしていました。

途中状況を判断し3/25に一度はギャラリーを再開したのですがテーマパークの休業報道などを見てその後すぐ3/28に営業自粛を決めました。その時は精神的なダメージが大きくギャラリーオーナーとして経営者として出口が見えないまま事業を続けていくことが正しいのか何日も何日も悩みました。結論として続けることを決めたのですがそちらに関しては前回書いたnoteを是非ご覧ください。

オンライン個展のアイデアについてはミュージシャンやお笑い芸人が無観客でライブ配信をしているのを見てうちでも同じような事が出来ないかと考えました。

音楽ライブもお笑いライブもギャラリー個展も同じ空間の中で直接生で見ること、体験することが一番良いということは言わずもがなです。ただ今回は出口がいつになるかわからない、収束後も当分は入場制限が必要などこれまでと同じように楽しむことが出来ないという事は想像できます。であるのであればギャラリーとしてオンラインで展示をすること、オンライン展示を楽しんで頂くことに挑戦しなくてならないと考えた次第です。

展示が延期になった作家さんにオンライン個展を打診した際は展示方法について手探り状態だったので不躾な内容で大変申し訳なかったと思っています。そんな状況の中、手を挙げてくれた1人が今回オンライン個展をしてくれているイラストレーターのわかるさんでした。元々3/18より個展を開催する予定が延期を何度も繰り返している状況でした。更なる延期という選択肢もある中協力してくれたわかるさんには本当に感謝しています。


世界中のオンラインでの展示施策を参考に

コロナ禍の中、他のギャラリーや美術館がどんなことをしているのか調べると世界中で多くの事例を見つけることが出来ました。

その結果オンライン上の展示方法については大きく分けると2つあることがわかりました。

1, 作品の画像を綺麗に物撮りしてオンライン上に並べる。
2, オンライン上に展示空間をバーチャルで再現しユーザーが自由に動き作品を見に行くことが出来るストリートビューのようなもの。

1については展示とは言いづらい気がするし、2については技術面でも金銭面でも現実的では無いと感じました。
そこで今自分1人で出来る最善の方法はと考えついたのは結局通常時と変わらずギャラリー内にしっかり作品を飾りそれをライブ配信する方法でした。もちろん綺麗に物撮りをしてオンライン上にも並べるので1と2の両方を良いとこ取りした展示方法です。

ギャラリー内に実際展示するのは面白いけど動画を1つ置いておけばライブ配信する必要ないのでは?と考える人も多くいると思うのですが実ははじめからその選択肢は無く通常時と同じように毎日掃除して決まった時間にお店を開けるなど営業自粛中でも普段と変わらず同じことをやってみようと思っていました。晴れた日は陽の光が雨の日は雨音が聞こえたらそれだけでも見る人の気持ちが少し変わるのではないかと思ったからです。

使用している機材は手持ちのアイフォンと手振れ防止用のジンバル(アマゾンで1万円くらい)です。


オンライン個展の決め事

実際オンライン個展をはじめるにあたってはこれまで通り作家さんと作品を見に来るお客さんを一番に考えて運営していくことをベースに以下の事を決めました。やりながらその都度決めて行ったことも多いのですが箇条書きにします。

ギャラリーがオンライン個展を開くことの意義として実店舗ギャラリー内に作品を展示しそれをライブ配信することはマスト。

ライブ配信は一日中は難しいので通常の開店時間に合わせて毎日お昼12時半と夜7時に30分間ずつ行う。とにかく毎日!

配信中は恥ずかしがらない、視聴者数に凹まない。(コロナ前も平日一人も来ない時間帯があると思えば心は折れない)

配信中はあまり喋らない。静かに絵を楽しみたい人もいると考える。(最近は慣れてきて喋ってしまうので気になる方はミュートしてください。)

ライブ配信は盛り上がっても30分できっちり終える。逆に盛り上がらなくても誰も見てなくても30分きっちり続ける。毎日続けるために。

はじめてのことが多く負担が増えるがとりあえずやってみて続けられないことはやめていく。やりながら臨機応変に変えていく。

チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。
©本田宗一郎

自分も楽しむ!

今回ライブ配信のツールは作家さんの意向でインスタライブにしています。慣れてきたら他のツイッターライブやユーチューブライブなども試してみたいと思っています。

▼こちらで期間中毎日やってますよ!たまに夜11時頃ゲリラ配信もしています。ストーリーにもその日の配信をアップしているので是非!


オンライン個展展示風景

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こちらが現在の展示風景です。通常時と同じように実店舗ギャラリー内に作品を飾っています。作品の展示については事前に作家さんから指示書を頂いて設営を行っています。お祝いのお花も用意しましたよ。

左に切れて写っている機械はネームシール機です。作家さんのイラストが入ったフレームに好きな文字を入れてシールに出来ます。3月頭の休業期間中にギャラリーとして新たに導入出来そうなサービスとして動いていたのがこれです。初日に注文が350枚くらい入りいきなりオーダーストップしましたがすぐにもう一台準備し現在2台体制で注文を承っています。noteの更新が遅れたのはこのおかげです。(笑)

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ネームシールやその他のグッズはオンラインショップで好評販売中です!休業期間中ネームシール機と同時期に打ち合わせをメールでしていた物販企画として缶入りチョコも商品化しましたよ。このスピード感だけは自分をほめたいです。

▼トーキョーピクセルオンラインショップ
https://tokyopixel.jp

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ライブ配信はこういう風に撮影しています。結構重くて手がプルプルします。ちょうどこの日はネームシールの注文が爆発してリモートワークをしていたギャラリースタッフが手伝いに来てくれました。
私はギャラリーのそばに住んでいるので毎日オンライン個展を会場からお届け出来ているということを補足します。

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1回目のライブ配信が終わったあと作家さんの方からライブ動画のスクショとその画像のSNSへの投稿をOKにしましょうという提案を受けすぐパネルを作りました。毎回放送の途中に差し込んでいます。オンライン個展来場記念にすっごくいいアイデアだなぁと思っています。

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通常の個展と同じようにオープニングパーティーもオンラインでしましたよ。上段は私です。作家さんはアトリエから声で参加してくれました。ファンの方が沢山集まってくれてとても盛り上がりましたよ!
通常時だと関東圏に住んでいる人しか来れないのでこんなにも沢山のファンの方がオンライン上ですが来てくれたことは今回開催してみて良かったことの1つだと思います。

オンラインクロージングパーティーのおしらせ
5/24(日)19時~30分間わかるさんのアトリエと繋いでクロージングパーティーをインスタライブで行います。どなたでもご自由に参加出来ますので是非みなさんも遊びに来てくださいね。


最後に

手探りの中はじめたオンライン個展でしたが作品はほとんど売約済みとなりました。ありがとうございます。ただこれは作家さんの力によるところが大きく、これからもギャラリーとして何が出来るのかを考え続けなくてはいけないと思っています。

お客さんの感想も良い物しか目に尽きませんがきっといまいちだなと思っている方も少なからずいるのではと思っています。配信に関しては機材や通信環境や撮影技術が整えばもっといいものになると思っています。

コロナが収束しお客さんの入店が再開出来た後も当ギャラリーではライブ配信を継続することに決めました。※配信時間をいつにするかは未定です。

またオンラインショップに関してはこれまで会期後に残っている作品や物販を掲載していましたが会期中から掲載をはじめたいと考えています。実店舗がオープンしているときはオンラインの商品を下げ、閉店後にオンラインショップに商品を上げるなど。手間が増えますが実店舗への来客数が減った分をどうカバーしていくか検討中です。

少し厳しいことを書くと作家さんもこれまで以上に作品を見てもらう努力が必要になると思っています。ちょっと気になるくらいではこれまでのように気軽にギャラリーに人は来てもらえなくなるし、買い物の仕方も変わってくると思っています。すぐに効果をあげるのは難しいかもしれませんがこれまで以上にオンラインでの販促活動が重要になるのは確実です。

TOKYO PiXEL. shop & galleryは環境が変わっても一人でも多くの方へ作品を届けたい、クリエイターの創作活動の発表の場であり続けたいという気持ちは変わりません。

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イラストレーターわかるオンライン初個展「フレンズ」は25日まで続きます。写真も沢山撮ったので是非見て下さい。わかるさんの作品すっごくかわいいです!
https://tokyopixel.shopinfo.jp/posts/8202255

これからの活動を応援したいなと思って頂いた方は是非オンラインショップで作家さんの作品を買って下さい。

▼トーキョーピクセルオンラインショップ
https://tokyopixel.jp

落ち着いたら是非お店にも遊びに来てください。それまではオンラインでお会いしましょう!

SNSもやっていますよ! X @makotooozu https://twitter.com/makotooozu Instagram @makotooozu https://www.instagram.com/makotooozu/