路線価を使うともっとリアルな土地値を知れる!
前回は”公示価格”を使った土地の価値を確かめる方法をお伝えしました。
公示価格は近隣の代表的な土地の相場感を手早く知るには便利なツールです。
しかし公示価格の登録地点は全国で約26,000点と限られた地点の価格しか参考にできません。
(都道府県地価調査も約21,000地点の価格しか参照できません)
2.6万点も登録されているので多く感じるかもしれませんが
全国47都道府県、言い換えると約1740市区町村で2.6万点ですので、1市区町村あたり平均15地点しか参照できません。
更に登録地点は市街地に多く集中しているため
場所によっては近くに登録地点が見当たらないことが多々あります。
また、
・自分の土地はちょっと形状が変わっているし参考にしづらい
・土地の種類が違うから公示価格からどれだけ変わるか分からない
といった悩みも出てくるかと思います。
そんな場合は”路線価”を調べることで、あなたの土地の実情により近い価値を査定できるかもしれません。
路線価とは?
路線価とは、道路に面した土地の1㎡あたりの価額を出したものです。
一般的には国税庁が公表する相続税路線価のことを指します。
相続税・贈与税の計算に使われる価格で、公示価格の80%を目処に計算されています。
相場より少し安めになりやすい、と覚えておきましょう。
約40万地点もの道路に路線価が登録されているので、公示価格より細かく参照できます。
路線価の確認方法
◽️ネット検索する際には“路線価”で検索すると次の2つのサイトがヒットします。
・国税庁が運営する”財産評価基準書”
・一般財団法人が運営する”全国地価マップ”
オリジナルは国税庁のサイトですが、その情報を収集しマップへ反映したのが全国地価マップです。
個人的に使いやすいのは”全国地価マップ”の方ですので、ここではこちらのスマホサイトをベースに説明します。
トップページから”相続税路線価”を選択します。
全国地価マップのご利用に関する注意点を確認の上”同意する”ボタンを押すとマップ選択画面へ移ります。
マップ選択画面では最新年度を選び、あなたの所有不動産の住所を検索していきましょう。
路線価では各道路に記号と数字が記載されています。
この数字が路線価で、千円単位で記載されています。
あなたの土地の路線価が「100E」と記載されていたとすると
末尾の英語表記は借地でなければ無視して良いですので
ざっくり100千円=100,000円/㎥の土地だと分かります。
仮にあなたの土地面積が100㎥だとすると
100㎥ × 10万円/㎥ = 1,000万円 が目安の土地値となります。
路線価の補正率について
実際には道路との面し方、土地の種類、奥行き、形状などにより補正率が決まっていて細かく計算すると非常に複雑になってしまいます。
もし補正率を参考にしたい場合は”財産評価基準書”のHPより
右上のサイトマップをタップして、”評価証明書・調整率表の説明”ページへ進み、最新の調整率表を選択してください。
この表を元に補正をかけていくのですが…ややこしいですよね。
まずはざっくりと補正前の数値からあなたの不動産価格を算出し参考にしてみてください。
路線価の倍率表について
もし路線価の登録が無い場所だった場合は、倍率表を参照しておおよその価格を確認できます。
倍率表は先ほどの”全国地価マップ”のあなたが知りたいポイントをタップすると、地名がポップアップされます。
それをタップすると所定の倍率表を参照できるリンクが表示されます。
倍率表から計算するには、併せて固定資産税評価額が分かるものが必要です。
計算としては、表の該当地域・土地の種類から倍率を確認し固定資産税評価額を掛けます。
所定の倍率 × 固定資産税評価額 = 相続税評価額
こちらも、固定資産税評価額の資料を引っ張り出さないといけないので面倒です。
誤差は大きくてもいいので楽に知りたい!という場合は”全国地価マップ”の”固定資産税路線価”を参考にしましょう。
こちらは各市町村が公表する固定資産税を計算するための価格で公示価格の70%を目処に計算されています。
相続税路線価よりちょっと安めと覚えておきましょう。
固定資産税路線価は相続税路線価よりも細かく設定されているため、価格が分かる場合があります。
それでも路線価がないエリアでは、周辺のどこかに公示価格と同じような登録地点があります。
その地点に登録されている価格を参考に計算しましょう。
例えば、近隣の登録地点が50,000円だった場合
あなたの土地面積100㎡に対して
100㎥ × 5万円/㎥ = 500万円 が参考価格となります。
このような形で調べていくと、あなたの土地がいくらの価値がありそうか調べることができます。
是非参考にしてみてください!
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