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一人で生きるより永遠に傷つきたい

一人で生きるより永遠に傷つきたい

宇多田ヒカル「誰にも言わない」


この歌詞に出会った時、あまり共感できないな、と感じたのが正直な感想だった。

私はあまり孤独を苦痛と感じない方で、むしろ大人数に囲まれることを苦手だなと思ってしまうタイプだった。
だから、「人に傷つけられるより一人で生きていきたい」って本気で思っていたし、そうやって自分を守ってきた。

大学に入学したことを機に、積極的に世界を広げようと思い切って飛び込んだ。
その結果、たくさんの人、本当にたくさんの色々な経験をしてきた人たちと出会って、自分がこれまでいかに閉塞的な社会で生きてきたかを思い知らされた。
たくさんの人と関わって、傷ついたことも傷つけてしまったこともたくさんあった分、幸せを感じることも沢山あった。「あの時の旅行楽しかったなあ」とか、「あの時は傷ついたなあ」とか、人とのかかわりをぼんやり思い出して頬を緩めることができること。それが何よりの宝物だった。

人が沢山いるところに、飛び込んで良かった。傷ついて良かった。そう思えた時、本当の意味であの歌詞を理解出来たような気がして嬉しかった。


今日、妹がお風呂の中で、「つらいこと、やるせないことから逃げ続けてる自分に嫌気がさす」という話をしてくれて、まさに宇多田ヒカルの歌詞に共感できなかったかつての自分と重なった。

1人で生きることほど、刺激がなくて楽で傷つかないことはないと思う。それでも私は、「一人で生きるより永遠に傷つきたい」と歌っていたいなと思うし、たくさんの人を傷つけ、たくさんの人に傷つけられながら歩いていきたい。

これからも自分に、新しい人との出会いに臆病になるな!と喝を入れながら、思い出の宝物を増やしていきたいです。

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