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IPO自動申し込みツールの作り方
はじめに
手軽に始められるかつリスクが少ないものとして、IPO(新規公開株)への投資があります。上場前の株を購入する権利を得た後に購入し、上場日に売るという手法です。購入価格より上場日の初値の方が高くなりやすいため、リスクが低いといわれています。
簡単に利益を上げやすいことからIPO銘柄は人気が高く、上場前の株を購入する権利の抽選倍率は非常に高いです。そのため根気よく応募することが重要となります。
応募は証券会社のWebページから数回クリックするだけで可能ですが、ブックビルディング期間を確認し、その都度応募するのには手間がかかります。そこで以前の記事(①、②)では、プログラムを用いて自動でSBI証券のIPOに申し込む手法を紹介しています。
これまでに紹介した手法の問題として、人力で定期的にプログラムを実行する必要がある、という点が挙げられます。IPO申込可能な銘柄は日によって変化するため、その日に応募可能な銘柄が何かを都度確認する必要があるためです。そこで今回はIPO自動申込プログラムをAWS(Amazon Web Services)と呼ばれるクラウド上に配置し、一定期間ごとにプログラムを自動実行させるシステムを構築します。このシステムを構築することで、PCを常時電源ONする必要や、定期的にプログラムを人力実行することなく、IPO申込が可能となります。
本記事では今回構築したシステムの概要を解説し、有料記事部分として数クリックでシステムを構築可能なプログラムを配布します。ご興味ある方はご購入いただけると幸いです。
IPOは外れる場合が大多数ですが、SBI証券の場合は外れてもIPOチャレンジポイントを貯めることができます。本記事で紹介するシステムを構築しておくことで、手間暇をあまりかけることなくIPOチャレンジポイントを貯めることができます。下記画像は私のSBI証券の画面ですが、全て自動で貯めたポイントとなります。
追記:順調に運用できており、気づけば125P貯めることができています。抽選結果は補欠当選数回のみですが…
事前準備
本記事ではSBI証券でのIPO申込を対象とします。また実行環境はAWSのクラウドを利用します。そのため下記アカウントの作成が必要となりますので、事前にご準備をお願いします。
・SBI証券のアカウント
・AWSのアカウント
構成
今回構築するシステムの構成は下記のようなものとなっています。
それぞれのコンポーネントの役割は下記です。
①:IPO申込プログラムを実行する部分です。
②:IPO申込プログラムが依存するプログラムです。
③:IPO申込プログラムを定期実行するコンポーネントです。
④:IPO申込プログラムの実行結果を出力するためのものです。
これらを1から設定するのは大変です。そこで今回は誰でも簡単にこのシステムを稼働させられるよう、構築プログラムを用意しました。下記ではその内容について説明しています。AWSのCloudFormationと呼ばれるサービスを用いることで、上記で紹介したシステムを1クリックで構築します。
構築プログラムの実行方法
有料記事部分で配布している構築プログラムの実行手順は下記の通りです。
構築プログラムを実行すると、スタックのクイック作成の画面が開き、下記パラメータの入力画面が出てきます。
それぞれのパラメータには下記内容を入力してください。
・Password:SBI証券のパスワード
・TorihikiPassword:SBI証券の取引パスワード
・UserName:SBI証券のユーザーネーム
※これらの入力情報はご自身のAWSクラウド上に保存されるため、第三者に知られることはありません。
パラメータ入力後、注意事項を読んだうえで"AWS CloudFormation によって IAM リソースが作成される場合があることを承認します。"にチェックを入れ、スタックの作成を選択します。
その後1分程でシステムが構築されます。特にエラーなく”CREATE_COMPLETE"が表示されていれば構築に成功しています。
動作確認
デフォルト設定では、2日に1回IPO申込プログラムが実行されます。一度実行し、動作確認しておくことを推奨します。
まず画面右上、ユーザ名右のリージョンが"東京"であるか確認し、違う地名が表示されている場合は"アジアパシフィック (東京)ap-northeast-1"に変更します。
そしてAWSメニューのサービスからLambdaを選択します。すると下記画面のように"lambda_function"が表示されるのでこれを選択します。
遷移後の画面の右上から”テスト”を選択し、適当なイベント名を入力して作成します。
その後もう一度テストを選択することで、処理が実行されます。実行には1分程度かかるため、しばらくお待ちください。
実行後、実行結果:成功となっている場合、正常にシステムが構築されています。また実行時にIPO申込可能銘柄がある場合は、申し込んだ銘柄がログに表示されています。SBI証券のページでも申込が完了していることが確認できると思います。申込可能銘柄がない場合は、申込可能銘柄なしと表示されます。
ここまで確認できれば、動作確認は完了です。
構築完了後のシステムの動作
本システムは、2日に1回自動実行するよう設定されています。実行したタイミングでIPO申込可能銘柄がある場合は申込し、ない場合は特に何もしません。プログラムの実行ログは、lambdaのページのモニタリングタブから、CloudWatchのログを表示、を選択することで確認できます。
購入にあたっての注意
下記内容についてご了承いただける方のみ、ご購入を検討いただくようお願いします。
・2020/12/19時点で動作するプログラムとなります。そのためSBI証券の仕様が変わった場合は、正常に動作しなくなります。
・重要なお知らせ等がある場合等、いつもとは異なる画面遷移を行う必要がある場合、正常に動作しない可能性があります。
・本プログラムは申込のみを自動化したものです。当選後の処理についてはご自身での対応をお願いします。
・本記事の特性上、返金不可としています。
・本記事の内容により生じた損益については一切の責任を負いません。
構築プログラム
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