小6~中1にかけて学ぶべきこととは 【読書習慣のすすめ】
小6から中1にかけて学ぶべきことは、「英語」や「数学」ではありません。
実は、「読書習慣」を身につけることが、最も大切なことなのです。
読書をすることで培われる「日本語の読解力」こそが、英語や数学の成績を向上させるための基礎力となるからです。
数学の方程式は、中学1年で必ず学習する内容ですが、文章題を解く時、何を「X」とするかということが、最も大事なポイントです。
最初に「○○をXとする」と言葉で書く必要があるのですが、実際に指導していると、これができない生徒が多いという現実に直面します。
中には、「何をXとするか」も分からないまま、勝手に計算を始めてしまう生徒もいます。
前提条件があり、その条件を元にして、少しずつ式を展開するという作法がなかなか身につかないのです。
中学受験で合格するくらい算数が得意な生徒でも、方程式特有のマナーとロジックを無視してしまう場合が少なくありません。
方程式を解くためには、方程式特有の「言語」を扱う能力と作法が要求されます。
これは日本語の読解力に比例します。
読解力が余りない生徒は、数学特有の言語が理解できないことから、勝手な計算を行い、的外れな答えを出します。
このようなことをしていては、数学の成績向上など望むことすらできないでしょう。
読解力は、脳の前頭葉が関与している「抑止力(行動の抑制)」に比例していると言われています。
本を読むためには、活字を読み続ける忍耐力が求められるからです。
この「忍耐力」こそが、全ての科目の成績向上につながる基礎力と言っても過言ではありません。
英語はどうでしょう。
中1の英文法で、ほとんどの生徒がつまずくところは、「三人称」「単数」「現在の一般動詞に『s』をつけること」です。
まず、「三人称」という概念がイメージできない生徒が多いです。
「三人称」を「三人目」と勘違いしてしまうことも、しばしばです。
英語は、会話を前提とする言語です。
話をしている主体=一人称
話をしている相手=二人称
それ以外のすべて=三人称
つまり、目の前にいる話し相手以外は、70億すべての人間が三人称だ!と教えると驚く生徒が多いのです。
この説明をすると、「何でそんな面倒なことをするの?」と言わんばかりの顔をしています。
自分と話し相手以外の第三者は、今の会話に参加していないから特別に扱うという言語構造は、世界中を見渡しても、たくさん存在しています。
むしろ日本語のように、第三者を特別扱いしない言語の方が稀なケースと言えるかもしれません。
このように、普段使っている日本語とは異なる言語構造が理解できず、英語嫌いになってしまう生徒を多く見かけます。
数学の時と同様に、脳が耐えられないのでしょう。
このような場合とは異なり、小学生のうちから英検を受けるために英語学習を強制されたことで、英語アレルギーとなる生徒もいました。
英語を見るのも嫌になってしまうくらいなら、英検など受けない方が良いかもしれません。
本来であれば、こんなことを言ってはいけないのですが、英語など出来なくても、日本では、大抵の場合困ることもないでしょう。
幼い時から急いで英語を学ぶことより、時間も忘れて好きな本に熱中し没頭していく中で、読書習慣を身につけるようにすることの方が、その後の人生で余程役立つでしょう。
まずは、読書をすることで、活字を読み続けるための忍耐力を養うべきなのです。
大人になると実感することですが、小中学生の時期は、自由な時間をたくさん持つことができます。
長い人生の中で、このような貴重な時間は、読書の習慣を身につけるための絶好の機会と言えるでしょう。
読書をすることで身につく「読解力」=忍耐力は、その後の学習や人生の基礎となるものです。
まだまだ時間に余裕がある時に、すぐには身につかない読解力を養うために時間を使うことは、人生の大きな糧となり礎となることは間違いありません。
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