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#36-2 大岡山の外のまちでは…? (神山町編) 〜神山の人と人をつなぐ人・場所〜

こんにちは!おおお知るまちプロジェクトです!
前回の記事で告知したとおり、今回は神山を訪問して出会った、まちで活動する人や、人と人をつなげる人・場所をご紹介しようと思います💁‍♂️


WEEK神山

まずは「神山」という街と触れ合える場所に行ってみよう、ということでWEEK神山に宿泊しました🛏️

WEEK神山は全国、世界から神山に集まる人たちが交流し、暮らすように滞在できる場所です。
神山で起きている様々なプロジェクトの軌跡について、キーマンに話を聞き一緒にご飯を囲う「STUDY WEEK」、宿の取り組みや神山のみなさんとの関わりを話す「WEEKラジオ」、そのほかにも神山で活動するたくさんの方とコラボしたイベントや企画が行われています。

 古民家をリノベーションした母屋
神山の檜と杉をふんだんに使った宿泊棟
地域の石を循環させ、石垣の石積みを修復しています
鮎喰川を見渡せる大きな窓付きの客室
朝ごはんは神山の野菜やパンを使ったプレート🍴

神先さんへお話を伺いました

WEEK神山に宿泊する中で、オーナーの神先岳史さんにご案内していただき、たくさんの方とお話させていただくことができました。
まずはWEEK神山の代表であり、料理人でもいらっしゃる神先さんにお話を伺った様子をお届けします📮

WEEK神山の母屋にて(左奥が神先さん)

まずはWEEK神山について。このような泊まるだけでない、出会いや気づきが広がる宿泊施設はどのように生まれたのでしょうか?

当時(2015年ごろ)は神山への視察は多いのに、神山温泉しか泊まれるところがありませんでした。神山のいいところは「人」。泊まりながら地域の人と交流できるような場所が欲しいという思いからWEEK神山ができました。

WEEK神山は神山の外と中の「人」を繋ぐ場所でもあるんですね😌
実際にWEEK神山では神山内外からさまざまな人を招き、イベントや企画が行われています。
イベントはどのようなきっかけで始まるのでしょうか?

自治体や企業から依頼される場合と、自発的にその場の流れで決まる場合があります。後者は日常会話の中からイベントが生まれることが多いですね。お互いが持つ面白いことをしたい、楽しみたい、新しい可能性を探したいという思いがベースになっているのかなと思います。

まさに神山に魅力的な「人」が集まるからこそできることですね❗️
神先さんから見て、神山にはどのような「人」がいると感じますか?

神山には2つのタイプの人がいるのかなと。①まちで起きていることの流れに任せるタイプ、そして②自分の思いややりたいことを起点に自ら動くタイプ
神山で活動する人は潜在的に「自分たちが楽しめることをやる」「自分らができることであれば、次の世代に還元する」という意識があるように感じます。その意識が代々つながってきていることで神山イズムが出来上がってきているのかな。

別の地域から移住してきた人、サテライトオフィスで働く人、自分のお店を構えた人、小さい頃から神山で暮らしてきた人、、、神山には色々な人がいて、活動も十人十色。
神先さんも神山塾詳しくは前回記事を参照)をきっかけに神山にいらっしゃったとのこと。
それぞれが新しいことや自分のやりたいことをやるだけでなく、根底にこのような共通する思いがあるからこそ、神山の創造性や多様性が育まれてきたんですね🧐

最後に、神先さんの思う神山の好きなところを伺いました🤲

距離感がちょうどよく、暮らしている人たちにネガティブがないところですね。「やったらいいじゃん!」の考えを持っている人が多くて、一人一人をリスペクトするマインドを持っているなと思います。

なるほど、だからこそ神山は常に進化し続けているんですね✨

東工大生と大岡山の架け橋になりたい!という思いでおおお知るまちプロジェクトの活動をしている私たちについて、人に人が集まるからまずはたくさんヒアリングしたりざっくばらんに話ができる機会を設けたりすることが大切になるとアドバイスを頂けました。
「やったらいいじゃん!」の考えや「自分たちが楽しめること」を大切に、大岡山を少しでも盛り上げていけたらいいなと改めて気合を入れ直すことができました💪

夕食時間後のお忙しい中、丁寧にインタビューにお答えいただき本当にありがとうございました!

神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス

神先さんには日中にも周辺をご案内いただきました。向かった先の一つは、道路を挟んでWEEK神山のすぐ向かいにある施設「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」です!

元々は縫製工場でした
元タンスがソファの背板に用いられています!

こちらの施設はNPOグリーンバレーが運営するコワーキングスペースで、神山のワーク・イン・レジデンスを支える場所の一つとなっています。
空き家改修で出た資材を使うなど、自分たちのDIYで成長させていく、進化するオフィスとのことです🏢

このオフィスは、移住して来た人がまちに溶け込むきっかけになっていたりするのでしょうか?

きっかけの一つになっていると思います。
利用者同士の交流の機会として、お昼を一緒に食べる日を作ったり、町の人も呼んでクリスマスイベントを開催したりしています。
利用者は主に神山に移住してきた方です。中には、10年以上前に神山に移住してきた方もいます。新しく移住して来た人が、そんな移住の先輩と出会ったり、次の出会いのきっかけになるイベントの情報を教えてもらったり。そんなふうに町に溶け込む機会を提供できていると思っています。

では、オフィスを利用する人が、業務としてまちのことに関わることはあるのでしょうか?

関わることがあります。
例えば、最近だとレーザーカッターを使える利用者さんが、神山町役場から珍しい木材の活用方法について相談を受けていました。その方は、普段はエンジニアとして役場で使う業務アプリを作成したりもしています。 ほかにも、地域の学校の食農教育に関わるNPOや、町で新しい医療プロジェクトを立ち上げようとしている企業などもここを利用してくれています。

後藤さんにお話を伺いました

真ん中が後藤さん

コンプレックスでコミュニティ・マネージャーをされている、神山町NPO法人グリーンバレー後藤涼介さんにもお話を伺うことができました。

後藤さんも神先さんと同じく、神山町出身というわけではありません。学生だった頃に連れられて訪問し、試しに住んでみたところ、都会と比べて人工物の主張がうるさくなく心地よい場所だと感じ、移住を決めたとのことです✨

神山町に来た頃は、このまちに対してどのようなことを感じていたのでしょうか?

自分は神山町に来た当初半年くらい何もせずに暮らしていたのですが、それでも特に何も言われなかった。やりたいようにやっている人をネガティブに言わない雰囲気があった。まちが焦らせてこないから、何かやろうという気持ちが出てくるまで待つことができました。

やりたいようにできる土壌や雰囲気だからこそ、各方面のすごい人やチャレンジしようとしている人が集まるのでしょうね❗️

では、そんな神山に集まるのはどのような人なのでしょうか?

神山に来るまでにいろんな経験をしてきていたり、いま神山で複数のプロジェクトに関わっていたり。そんな活動的な人が多い印象です。
同年代が多くて、神山にきてから友達がたくさんできました。彼らがチャレンジしている姿に刺激を受けるし、お互いに応援して応援されて、そんな関係が心地いいです。

お互いに手放しに応援しつつ刺激を受けられるのは、チャレンジする人にとって素晴らしい環境ですね!

最後に、後藤さんが思う神山の魅力について伺ってみました。

来た当初は何もない場所だと感じていました。
今は、自然が多いってことだけじゃなく、いろんな人がいて、いろんな話ができて、神先さんのような方とも近い距離感で話ができることも魅力だと感じています。

後藤さん、そして引き続き案内をしてくださった神先さん、ありがとうございました!

鮎喰川コモン

次の日に神山町を散策しながら、ふらっと立ち寄ったのは「鮎喰川コモン」。
子育て世帯が多く暮らす大埜地住宅(集合住宅)に隣接しており、その名の通り目の前を鮎喰川が流れています🏞️

平屋建ての施設
小上がりの先に周囲の山々を見通せます!
木の温もりが感じられます

誰もが気軽に立ち寄れる「まちのリビング」と言われているように、中に入ってみると土間と小上がりの空間が広がっていて、とてもくつろげそうです😴

となると、幅広い方が利用する施設となっているのでしょうか?
スタッフの方にお話を伺ってみました。

子育て支援のイベントをしたりとか、放課後や休日には小学生とか中学生が遊びに来て自由に過ごしていったり、Wi-Fiが飛んでいるのでリモートワークをされる方もいたり。あとは全国、海外から見学に来る方もいます。

先ほどまでおじいちゃんがいてね、ハザードマップを見ながらお話したり。
今度そのおじいちゃんが竹の皮を使った草履づくりの先生をしてくれます。

窓際のワークスペースにはかわいい案内板が

様々な世代の人が滞在できる場になっているのですね!
イベントのお話がありましたが、よく開催されているのですか?

たくさんではないけれど、ここを使ったイベントもやっています。
神山の人形浄瑠璃、徳島県の伝統文化があるんですけど、それをここでおじいちゃんたちが小学生に教えたりとか。
こういうイベントやりたいと持ち込んでくることもあります。

住民の方が自主的に企画することができるのですね!
室内は決して広いとは言えませんが、この規模感だと、みんなが一つというような感覚になれそうです☺️

イベントをしていても中の様子がわかり、ふらっと入れたりするのは「飛びまち」の目指す姿。ぜひ大岡山にも欲しい空間です🙃

靴を脱いで板間にあがると、本がずらり。

学校の図書室を思い出す本棚

町に図書館がないので、図書スペースがあります。県立図書館から出張で持ってきたものが200冊ぐらいで、1か月に2回ほど入れ替えています。
それ以外は蔵書で、スタッフのおすすめや住民のリクエストを聞いてセレクトしています。

まちの図書館の役割も果たしているのですね!
本はテーマに沿って並べられており、とても読みたくなりました📚

最後に、神山の魅力について伺ってみました。

都会よりのんびりしてるし、空気もいいし、時間の流れもいいですね。
店がないのは不便だなと最初思ったけど、今まで必要以上に行ってたなと気づいたりしました。今は本読む時間に変えたりとか、子供に読み聞かせをしたりね。
東京とかって、川って入るなとかいうイメージで育つけど、ここに来ると学校にプールがなくて川で水泳の授業があったりとか。
自然を正しく恐れるじゃないけど、身をもって危険を体験したり、自然と共に、の生活で、生活力はつきそうです笑。

あとは、地方だけど移住してくる方が結構いるから、実家が近いねみたいな人とも出会える。地元でお母さんをしてる人と友達になれたのもここがあったからかなって思ってます。

土間には飛び木が!靴を脱いだまま移動できます

鮎喰川コモンは利用者同士のみならず、スタッフも関係を築ける場所になっているのですね!

突然お邪魔したなか、お話を聞かせていただきありがとうございました!

おわりに

まちの中で活動されていたり、人と人をつなぐ役割をされている方にお話を伺い、感じたことがいくつかあります。それは、

まちで活動している方は人と人をつなげることに積極的
持っているノウハウを惜しみなく伝えてくださる
自分がどうありたいかを考えながら活動されている

といったことです。

振り返ってみると、私たちも「飛びまち」の企画をはじめ、メンバーのやりたいことや個性を反映させながら活動をしてきました。
これからも活動のアーカイブを積み重ねていきたいですし、大岡山のまちと東工大の架け橋となれる存在として、もっとまちと大学がつながる機会を創り出していきたいと意気込むことができました😤

次回は、【好きなこと・やりたいことで神山を盛り上げる人】にクローズアップします。
まちで店舗や独自の活動を行うことで、神山のまちを創る一員として活躍する方々にお話をお聞きした報告記事となります。お楽しみに➰

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