対炎上戦術教義 炎上とは何か?そして、炎上はどう防止するか?

 と、こんな堅いタイトルの文章が、大好きな私である。残念ながらこのノートの中身はゆるゆるだ。ネット炎上はどう防げるか?という雑想の落書きである。日ごろよく見るTwitterでもyoutubeでも、誰それが炎上した!みたいなニュースを時々目にする。なので、仕事上で炎上などのクレームに対応することはままあるし、そこでの実務経験でもメモしておけば、誰か燃えるのを防げるんじゃねと思ったのだ。あー仕事やめたい。

 あくまで、ここで述べているのは方法論なので、具体的な勉強となるとその筋の専門書に譲る。この落書きが、炎上に恐れるすべてのネットユーザーにとって、ちょっとしたヒントになれば幸いである。

〼そもそも。炎上とはなんなの?フワフワしとるけど

まずは、具体的に何をもって炎上と呼ぶかを定義しなければ、それに対する対炎上戦術も構築できない。敵を知り己を知れば、百戦危うからず。

この文脈においては、炎上する側(企業、タレント、資本家など)を燃料側、炎上させる側(消費者、ファン、労働者など)を点火側と呼ぶことにする。

 燃料側が原因となるトラブルが、司法で解決できない軽微あるいは証拠不十分な案件である場合、点火側はネットでの悪評拡散という手段を用いて、燃料側へ何らかの打撃(金銭補償、精神的苦痛、経済的被害、謝罪や説明)を与え、被害補償を企図する。このようなトラブルを炎上と呼ぶ。

 ま、ゆるく書くと、燃料側がひどいことをやって、点火側がそれに悪口を言いふらす。そゆこと。これが炎上の流れだ。

 しかしだ。たとえば、私のようなサラリーマンが歌舞伎町で立ちションしても、私は怖いお兄さんに半殺しにされるかもしれないが、世間の耳目をにぎやかすことはない。悪いことのはずだが。それはなぜか。

 燃料側と点火側。この両者は相対関係にあるのだ。燃料側は、点火側からお金を得ている会社や個人事業主。対して、点火側は燃料側へお金を払っている顧客である。

つまり、炎上とは乱暴に言うと、金銭トラブルの一形態である。

 だからだ。ラーメン屋のバイトくんが、ふざけて冷蔵庫に立ちションした動画をツイッターに上げたら? 若手作家がとあるプロ野球球団に対して、偉そうに苦言を呈していたら? たくさんの支援金を得ているスポーツ選手が、子供を放置して不倫していたら? 『許せない!悪口を広めて攻撃してやる!』という負の感情を、ある一定数の人々は惹起させるのだ。その多くは彼らへお金を払ってきた人々だ。

 彼らへ私たちはお金をたくさん払っているのに、あいつは悪いことをした!許せない!『私たちは被害者だ!』という動機が点火側に生まれる。我々は被害者だから、正義の復讐をはたすのだ!と。(被害者だから何してもいいわけないのだが)

 ただ、点火側も点火の動機が色々違う。点火側にはトラブルの当事者だけでなく、炎上させるのが生き甲斐で、点火のプロみてーなバーサーカーも存在する。その生き方について私はノーコメントだが、そういうお客様は絶対に居る。そういったお客様と相対するのはとてもハードだ。これ私の愚痴じゃねえか。

〼点火と燃料どっちも悪い、責任10:0はまずない

 さて、金銭上のトラブルが炎上の引き金となることは述べた。点火側の不公平感と暴走した正義が、ネットでの悪口拡散――つまり炎上という結果を招来する。で。このトラブルの場合、燃料と点火、どっちが悪いだろうか?結論から言うと、どっちも問題があるからこういうことになる。

 ただ、どちらか一方が問題だらけで、責任10割というケースはまずない。燃料側が詐欺行為でボロ儲けしてました!とか、点火側が全くのデタラメで風説を流布した!とかだ(先例はあるので有り得ないわけではないが)。よくある炎上トラブルでの責任割合は、経験則上燃料7対点火3だ。燃料側が燃える原因を作り出して、それに運悪く点火するイメージをしていただくとよい。

 点火側にも一定の原因はある。たとえば……いや、書くのやめよ。とはいえ、点火側が十割悪いこともあり得ないし、どちらかというと彼らの方が有利だ。時々「アンチ(点火側)は性根が悪い!」と開き直る燃料側の方がいる。それはそうかもしれない。だが、先ほど述べた7:3法則を適用するなら、燃料側は何かしら燃える主要因を持っている。わきが甘くて、性根の悪い点火側に放火させられているおバカは、あなただ。残念ながら。

 普段、劣勢の燃料側ができるのは、炎上する原因を無くしてゆく事だ。相手に炎上させる動機を徹底的に作らせないことだ。

〼炎上の鎮火とは、点火側からご納得とお許しを得ること。

 でも。炎上するときゃ炎上する。具体的な対策方法は次の章(書くのか???)へ記したいが、対炎上戦術の基本方針はこの三つである。

①炎上発生を可能な限り抑える(防災) 

②炎上が発生した場合、被害を最小限に抑え込む(鎮火)

③フェアに防災し、フェアに鎮火すること

この三原則が、燃料側(会社、個人事業主)には求められる。

 ①はもちろん当たり前である。燃えないようなコンプラ整備や社内教育、契約履行などなど。前の項でも述べたが、炎上する原因を無くしてゆく努力が欠かせない。それは防災とか防犯でもいえることだろう。

 が、経済活動を行う以上、金銭トラブルは避けられない。どれだけ懸命に炎上発生を抑え込んでも、燃えるときゃ燃えちまうのだ。例えばVtuberの方々は、その炎上しそうな危なっかしさを売りに、エンターテイメントを構築している方も多い。そうした商業活動の場合、②の鎮火は重要だ。燃えても被害を最小限に食い止めるためのメソッドが重要だ。そうした具体例は先人の方々が書物に記しているので譲るが、苦情処理の際に、点火側からお許しとご納得の言葉を引き出さなくてはならない。それをもって鎮火と言えよう。このお許しとご納得が得られないままだと、炎上案件は延々と燃え続ける。ネットでもそういったケースはよく見られる。とにかく頭は下げた方が良い。

 頭を下げることと人をほめることはタダで出来るのだ。

 ③について。点火側がなぜ炎上させるかというと、『自分は被害を被った』と思っているからだ。アンフェアな処遇に不満を持ち、点火してくるのだ。ここではフェアプレーに徹し、そのアンフェアな処遇を正して、炎上させる理由を排除しなくてはならない。とにかくフェアに接しなくては、鎮火しないだろう。

 この三つの方針はすべて『燃料側の落ち度をなくす』ため行動だ。点火側から苦情が来ても、正当な行動をとっていた場合、我々は正当な行動を行っていますよ、と主張できる。そういう形にできれば、苦情は単なる言いがかりとして処理できる。私の今いる業界ではこれを正当処理の徹底化とか言ってたりする。

〼まとめ

 とまあ駄文を取りとめもなく書き散らしてしまった。

 炎上にかかわらず、クレームを収めるのは至難の業である。きっかけはこちらからすれば些細なものだ。お客様のお名前を間違えたとか、社用車のエンジン音がうるさかったからとか。とはいえ、それを言いがかりと直接言うこともできない。悪いことをして炎上の原因を作ったのは、燃料側だからだ。だからこそ、迅速丁寧に、そしてフェアに点火側を説得し、ご納得をいただかないとならない。

 燃えるのが怖い燃料側は、自分の炎上要因を無くす防災に専念すべきだ。そして燃えてしまったら、点火側からご納得とお許しを得ることをもって、鎮火する。防災と鎮火はとにかくフェアにやるべし。

 この三原則を心の片隅に置いておけば、大炎上は防げる……はずだ。

 この落書きが二章以降続くかはわかりません。とりあえず私は、星川家の配信を心待ちにしております。

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