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34人目

【34人目】Sさん 20代、同い年(pairs)

Sさんとのやりとりはちょうど年越しのタイミングだったということもあり、ある意味思い出に残っている。

会ったこともないのに
「あけましておめでとう。これからもよろしく」
なんて言い合った。

・・・

年が明けてから飲みに行く約束をした。

会ってみると、思ったより低姿勢で気遣いを感じる柔らかい雰囲気の人だった。

連れて行ってくれたのは街の奥にある、賑やかだけど少し大人な雰囲気のあるお店。料理お酒も私の好きなものばかり揃っている。

彼の元同僚と鉢合わせるハプニング(!)もあったけれど、元同僚と話す姿から普段の彼を少しだけ見ることができたような気がしたのだった。

・・・

2軒目で行きたいお店があるというので移動すると、そこはだいぶ照明の落とされたダイニングバー。
ムーディにも程がある…。好きな雰囲気のお店に連れて行かれると、不覚にもドキドキしてしまう。

ところが彼はすでにお酒が進んでいた。素面のときは気づかなかったけれど、お酒が入ると「やさぐれたおじさんモード」になった。

次第に眠そうな表情を浮かべ、話題も尽き沈黙が増えていく。

駅で解散するころには、彼は完全に酔っぱらいと化してしまっていた。
「気を付けて」と声をかけてから解散したが、フラフラな足取りでその場を離れていく彼を見て少し心配になった。

それからはお互いに連絡を取り合うことも、また会おうということにもならなかった。

・・・

マッチングアプリで会う時は、私はできるだけ飲みに行くことにしている。
それは、酔った時にどんな姿になるのかをチェックしたいから。

私もお酒が好きなので、同じペースで気持ちよく楽しめる人であるということは結構重要な軸。

これもまた過去の話だが、酒癖の良くない人と付き合ったときは幾度となくトラブルになった。

最初は許せても後々辛くなるということをわかっているから、同じことを繰り返したくないのである。

Sさんの場合、どこまでお酒が彼を変えるのか全て見極め切れたわけではないけれど、通常時と変化するタイプだったので、思わず身構えてしまったことには間違いない。

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