大喜多

philo-philosopher

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「嫌い」という感情、実は自己中!?

「嫌い!」 という言葉を面と向かって言われることはあまりないかもしれません。 でも 「嫌い」 という感情を人から向けられて「嫌われた…」と思ったり、 ある人に対して「あの人嫌い…」と思うことはきっとあったはず。 人を嫌うという感情はどのようなものでしょうか。 考察してみたいと思います。 1.嫌い≠どうでもいい嫌いという感情は、中立的ではあり得ません。 つまり、どうでもいいことに対してある程度「好き」という感情は持ちうるかもしれませんが(どうでも「良い」のですから)、

    • 石井光太『赤ちゃんをわが子として育てる方を求む』書評(ネタバレ含む)

      赤ちゃんをわが子として育てる方を求む この言葉は、とある新聞広告に載せられた一文である。 なぜ新聞に広告を打たねばならなかったのか。 なぜ菊田医師は赤ちゃんを斡旋したのか。 本書は赤ちゃん斡旋事件、特別養子縁組の成立をめぐって、菊田昇氏の足跡を描いている。 マザー・テレサに次ぎ第二回目の世界生命賞を受賞した菊田医師。 彼の偉業を私たちはあまりに知らなさすぎると思う。 と同時に、あまりに興味がなさすぎると思う。 本書を読後、他の類似書籍も読んでみようと探したが見つからなか

      • アゴタ・クリストフ『悪童日記』大まかな分析

        原題Le Grand Cahierは直訳すれば「大きな帳面」という意味 友人に勧められて読んだ『悪童日記』。 めちゃくちゃ面白くて三部作すべてあっという間に読み終えてしまいました。 ここでは『悪童日記』の魅力について分析したいと思います。 ○シンプルで写実的な文体: クリストフは後天的に取得したフランス語を用いて書くため、やや文章にある種のぎこちなさがあるといわれているが、それがむしろ物事を簡潔・端的・直接的に表現し、独特のインパクトを持った文体となっていた。 短い文章

        • 桜庭一樹『私の男』の気持ち悪さについて

          ※ネタバレを含みます 「 私の男はぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。」 謎めいた一文から始まる『私の男』。 なぜ養父が私の男なのか、この二人の過去は何なのか。 ミステリアスな展開、物語に引き込まれてグイグイと読み進めました。 が、最後まで読んだ感想としては、 「気持ち悪い...」 でした。 直木賞受賞もされた『私の男』。 近親相姦ネタでも私はフツーに読めるのですが、気持ち悪さが拭いきれませんでした。 今回は気持ち悪いという感情=悪い感情

        「嫌い」という感情、実は自己中!?