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『#表現は止まらない!』オンライン座談会2020

毎年、展覧会を実行委員形式で行ってきた東京都基盤整備事業(表と現)。今年はオンライン座談会という方法になりまたファシリテーターを務めました。

地域に障がいのある人の表現、またはその本人そのものをつなぐことによって、多様な人たちの存在を知らせていく。

それは、このコロナ禍になり、よりその意義が鮮明になってきた感があります。

今年は、展覧会ができない分、今までも向き合ってきた、現場での表現活動の豊かさ、本質に加え、地域との協働をどう拡げていくのかを探り、足元をしっかり固める、根を生やす機会となればと願っています。

福祉の現場で支援をする人達の充実した表現活動につなぎつつ、関係者にしかわからない文化ではなく、地域に拓くためにこの余裕のない世の中においても、こうした取り組みが誰にとっても意義のあることだとどこまで伝えられるか、私たちの挑戦の第一歩となるのではないかと。

オンライン上という五感の伝わりにくい条件を加味して、いかに温度感や肌さわりの感じられる、香り豊かな場が作れるか、様々な工夫が必要ですが、最大限工夫をし、いい時間をデザインしたいと考えて行いました。


【第1回】
「障害者の表現の捉え方 —「表と現」「まなざしラジオ」の事例と共に—」
-支援現場で見出す表現と表現を見つけるまなざし、そして地域がかかわることの意義について語り合う
・日時:7月29日(水)19:00-21:00 


アサダワタルさん(文化活動家 / 社会福祉法人愛成会 品川区立障害児者総合支援施設ぐるっぽ コミュニティ・アートディレクター)と私で、昨年のこのプロジェクトの参加者である、お二人をゲストにお招きしました。


佐藤久美子さん(鹿島開発株式会社生活介護施設ひまわりばたけ支援員)

内山恵美子さん(株式会社たいよう 放課後等デイサービス アトリエたいよう 所長)

昨年実施した、この2つの取り組みの説明と共に、障害のある人の表現はいわゆる絵画にとどまらないということを知らせる目的で私とアサダさんそれぞれから説明をしました。

そして、佐藤さんからは昨年『まなざしラジオ』に参加したぎんがさんのその後の話を聞かせていただきました。

それから、内山さんからは同じく『表と現』に参加したちえちゃんのこと、アトリエたいようのことを説明してもらいました。

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この2つのイベントは、ちょうどコロナ禍に入る前のことでした。
それから半年がたち、その間に皆さんは現場でどんなことを工夫していたりどんな気持ちで過ごしていたのかを伺いました。

現場では、自粛だとか意識することのないメンバーたちがいて、何も心配することはなく、『表現は止まらない』ことを2人が教えてくれました。

いろいろなことを危惧すればするほど、何もしない方がいいというコトにはならないか心配していました。きっと聞いていた人たちの中には、活動を制限せざるを得ない状態にある人もいたと思います。

そして、この二人の話を聞いて、きっと励まされ、何かをやり続けようという勇気が湧いた方もいるかもしれません。そういった意見はこれから来週まで受け付けている掲示板に書き込みがされるはずです。

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去年のこの取り組みの中で、同じ思いを持った人がいるということに救われた人がたくさんいました。

この事業は、障害のある人たちの表現の場をどのように豊かに充実させていくのかの基盤を整備することにあります。

そのため、表と現のプロジェクトの実行員会では、ひたすら想いを言語化するための問いかけをしてきました。

言葉にしにくいことを、言葉にするのは難しいし、おこがましいことかもしれませんが、社会に発信していく際に、言葉を持つことが福祉職員が地域で活躍するプレイヤーになることだと私は確信をもっています。

そして、実際にゲストの二人は、想いを語り、他者と共鳴しあい、自信につながったはずです。

この取り組みをあえて、何のための取り組みかと聞けば、ほとんどの人が、障害のある人たちの理解を広げるためといいます。

社会につなぐことをしないと、社会保障の壁の中にいる人たちになってしまいます。

その障壁は高く、簡単なことではありません。このような表現活動だけではなく、日常の中の様々なことによって、時間をかけてそのミッションはかなえられていく、ムーブメントだと考えています。

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絶えず、困難が起こり、一筋縄ではいかず、きっと簡単な道のりではないはずです。そこで、違う地域であったとしても同じ志を持った仲間がいると思うだけでも、力が湧いてくるはずです。

そうしたネットワーク作りも、この基盤整備の一つだと感じています。

実際に、表と現のプロジェクトが終わっても、その時につながった仲間は強い見えない絆で結ばれています。

このコロナ禍では、できることでつながっていたとして、この先、また何か協働できる日が来ると信じています。

それまでは、今できること、今必要なことをしっかりじっくりやる、根っこを生やす時期と考えています。

だからこそ、きのうのオンライン座談会は貴重な機会でした。

コロナ禍でも『表現は止まらない』。

また次回、9月にも止まらない表現に出会いに来てください。









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