見出し画像

脱毛器ブランドJOVSがラウンドA、ラウンドA+の資金調達を連続達成、脱毛器で体と「情緒対話」

このほど、高級パーソナルケア用品ブランド「JOVS」がこのほど、Aラウンド、A+ラウンドの2回の融資を連続して完了し、金額は計2億元(=30億円)に達したことを明らかにした。このうち、Aラウンドは蘭馨アジア(ORCHID ASIA)が独占出資し、A+ラウンドは金鼎資本(JINDING ASIA)がリード、蘭馨亜洲が追加出資を行った。穆綿資本(MM CAPITAL)が独占的な財務アドバイザーを務めている。資金調達は主にブランド構築、製品研究開発、海外チャネルの拡大などに充てる。

JOVS初の脱毛器は2019年10月に発売され、発売から3カ月でフィリップスやブラウンなどの国際的有名ブランドを上回り、現在の市場占有率は12%に達する。同時に、JOVSブランドはすでに初歩的な海外進出を成功させ、日本、韓国、アメリカ、イギリスなどで販売を開始、そしてイギリスにて同類の製品の売り上げTOP1を達成し、イギリスのINDEPENDENT誌にて年間最優秀脱毛器に選ばれるなど成功を収めた。2020年にはRed Dotデザインアワードも受賞している。

画像2

JOVSのブランドヒストリー

「高級パーソナルケア用品」という位置づけだが、JOVSはどのように市場を獲得し、何によって資本の目を惹きつけているのだろうか。初めての資金調達の後、JOVSはどのように競争力を強化していくのか。我々はこのほど、JOVSのブランド創業者である林俊宏氏、ブランド共同創業者である羅小歓氏に独占インタビューし、これらの質問に一つ一つ答えてもらった。

01

駆け足で入場し、先発優位に立つ

JOVSが設立された2019年は、小型家電市場が勃発した初期だったが、パーソナルケア用品はその中で最も成長率の高い分野だった。中怡康時代という調査会社のデータによると、2019年第1四半期、パーソナルケア小型家電の販売増加率は40.1%に達した。しかし当時、「脱毛器」について言えば、消費者の心を占める国産ブランドは出回っていなかった。

市場規模、国内サプライチェーンのレベル、「消費高度化元年」のトレンド及びブランドコンセプトを総合的に考慮した上で、JOVSは「プレミアム脱毛器」を選定して市場に投入した。公式価格では、主力商品であるJOVS Venusの単価は1台当たり2599元に達している。

画像2

JOVSの製品・Venus PRO


プレミアム脱毛器は「先発優位」にこだわった品ぞろえだ。

第一に、技術的なハードルが高く、概念図から完成品までの間に長い距離があるため、後から市場に参入しようとする企業には一定のハードルがある。次に、製品が生産されていても、発売から普及まで長いサイクルを経る必要がある。ブランド立上げ当初、この市場に空白があることが分かったため、競争優位性を構築するため、JOVSはいち早く入場することを決めた。

脱毛器の人気は今も続いており、高価格帯製品もやはり市場の「寵児」となっている。智研のコンサルティングデータによると、2021年に中国の家庭用美容器の市場規模は100億元近くに達し、中でも脱毛器は成長が最も速い品目の一つである。今年の「618大セール」の際には、脱毛器は「天猫」と「京東」の二大プラットフォームにおいて小売・美容機器部門の売上高トップとなった。売り上げ上位は、いずれも平均価格が4桁のハイエンド機器だった。

JOVSも正確な市場解釈と入場カードにより、蘇寧、網易考拉の美容機器カテゴリにおいて「TOP1」を一挙に獲得し、天猫、京東の美容機器「TOP10」に入った。

02

「情緒的価値」で製品を定義する

機能性を強調する従来の小型家電製品とは異なり、JOVSが製品を定義するキーワードは「情緒」だ。共同創業者の羅小歓氏によると、ユーザーは脱毛を終えた後、最も直接的に感じるのは「心身の喜び」という感覚だという。

このような位置づけに基づき、ブランド立ち上げの初期に、JOVSは約1年をかけて製品開発に取り組んだ。その中で最も重要なのは、ユーザーのニーズを把握することだった。50以上の質問を含むアンケートを設計し、2584人の脱毛器ユーザーに配布したところ、36%の人が多機能製品を、32%の人がカスタマイズされた脱毛を必要としているという結論に達した。

そのため、「多機能」と「カスタマイズ化」がJOVSの2大革新ポイントとなった。主力製品JOVS Venusを例に取ると、製品は6つの脱毛モードを持っていて、各部位の毛の特徴に応じて異なる、専用のエネルギー出力の選択が可能だ。脱毛以外にもSRモードという肌回復モードを装備しており、脱・美・護を一体にした設計となっている。

画像3

JOVSの部位に応じた6つのモード


「情緒的価値」を拡大するという考え方は、その後のマーケティングにも徹底されている。

例えば、JOVSの天猫や抖音のライブ配信サイトでは、商品の持ち込みだけでなく、美容教室も開設されており、話題は脱毛、スキンケア、美白などをカバーしている。消費者に使用シーンをより広く展開し、具体的なシーン内で製品の「セレモニー感」や「高級感」を強化し、ユーザーにJOVSを使用した後の「小確幸」をより直感的に感じてもらえるようにしている。

消費者の情緒、気持ちから出発して、また消費者の気持ちに戻ってくる。これにより、ユーザーとブランドの関係は、買い手と売り手だけの関係ではなく、美しくなる話題を共有する親友のようなものになっていると言える。

画像5

JOVS脱毛器をPRするインフルエンサー

03

「中国からのグローバルプレミアムケアブランド」を構築する

今回の資金調達後、JOVSは製品、チャネル、ブランドの3つの方向から競争力を強化し続ける。

製品側では、「高品質化、強力な効能」が今後の主な方向性だ。JOVSは従来の技術の優位性に力を入れ続け、脱毛器の製品自体をアップグレードする。また、ジャンルの境界を越え、ヒット製品づくりの考え方をより多くの製品開発に再利用する計画だ。

チャネルでは、ECチャネルの脱毛器の先頭に立ったことに続き、JOVSは海外市場の発展に重点を置いており、中心戦略は「現地化オーダーメイド」だ。JOVSは過去の海外進出経験から、海外市場と国内市場に大きな差があることを認識した。例えば、欧米諸国とアジアの人々の皮膚と毛髪の特性には大きな違いがある。また消費者の性別の違いでは、中国国内の女性ユーザーの割合は90%であるのに対し、日本市場では65%であり、このような違いに対して、ブランドは地域に応じて異なるチャネル戦略を採用している。

JOVSでは、製品の継続的なアップグレードとチャネルの包括的な管理が、ブランドを形成する核心となっている。

一方、JOVSでは継続的に製品の医療と安全認証を追加取得していく、企業と業界の標準をリードし、脱毛器業界の標準を先導することを望んでいる。プロのブランドイメージを形成する一方、JOVSは海外市場を利用してグローバルな高級ブランドイメージも形成している。つまり、伝統的な意味での「製品の海外進出」だけでなく、ブランド価値を高める「ブランドの海外進出」にも重点を置いている。同社は今年、イタリアの有名なブランド「ランボルギーニ」とパーソナルケア分野で戦略的提携を結び、ブランドの科学技術精神と芸術品質への追求を強調した。また、これはJOVSブランドにとって、「世界に中国ブランドを認めさせる」第一歩を踏み出したことを意味している。

画像4

JOVSランボルギーニの連名コラボ製品


創業者の林俊宏氏は刀法研究所に、「美を変えることは人類の持続的な追求であり、長期的なビジネスでもある。ブランド構築には同様に沈殿の過程が必要で、最終的にはJOVSが『中国からのグローバルハイエンドブランド』になることを望んでいる」と語った。

<訳者メモ> 中国製造ブランドでありながら、「情緒」というキーワードでブランド展開を行う企業が育っている、ということに驚きました。デザインやブランディングは欧米日韓で製造は中国、という時代から、中国発のハイエンド・グローバルブランドが産まれる時代になるのか。          JOVSの「テクノロジー × 感性」 を武器にした挑戦から目が離せません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?