ディズニーデート

写真を撮るのが苦手な僕らが、パーク内のあまりひとけのない所でひっそりと撮った写真は逆行で顔が見えずらかった。でも、恥ずかしかったため取り直しはそんなにしなかった。この盛れてない写真が、僕ららしくて意外と気に入っている。


13年ぶりのディズニーシーはあつかった。


誕生日シールを胸に貼りパーク内を歩いていると、キャストさんが満面の笑みでおめでとうと声をかけてくれる。常時、僕は照れていた。


亀のキャラクターが指名したお客さんの質問に答える、というアトラクションに乗った。小さな女の子が指名された。

「なんで人は子供で産まれてくるの」

それまでの質問は120点の回答で会場が笑いに包まれていたが、その質問だけは煮えきらない回答になった。子供の着眼点に亀のキャラクターも含め皆が驚かされていた。


トイ・ストーリー・マニアという点数を競い合うシューティング系の乗り物に乗った時、最後のラウンドの前の時点では、恋人さんに追いつけそうにない点差だった。しかし、終わってみるとほぼ同点になっていた。「最後の方は疲れちゃった」と言っていたが、この人のことだから僕を気遣って点数を調節してくれたんだと思う。


ディズニーに行くと別れる、といったジンクスが恋人さんは気がかりだったようで、帰りの車の中で不安そうに「並んでるときとかちゃんと二人で話せてたよね?気まずくなかったよね?」と言ってきた。正直、僕は話が上手ではないため逆の気持ちが少しだけあった。でも、その言葉を聞いた途端に、あれで良かったんだと安心した。



車内がいい雰囲気になったから、少し意地悪がしたくなった。


ディズニーの次のプランを考えてるときは、邪魔しないように話しかけないようにしてた事


考えてくれたプランを崩さないように、あれに乗りたいとかこれを食べたいといった自己主張はなるべく控えていた事


パーク内では疲れたと絶対に言わないように意識してた事


など、ディズニーデートで気をつけていたことを伝えてみた。それを聞いて、「もっとわがまま言ってよ」と恋人さんは拗ねていた。残念ながら、僕はこの距離感が気に入っているため変えるつもりはない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?