おばあちゃんの匂い

新調した柔軟剤の匂いは、おばあちゃんの匂いがした。

あるサイトでランキング上位だった為買ったのだが、騙された気分だ。同じ被害者がいるだろうと思い、「おばあちゃん」という単語がないかレビューをあさってみたが、一つも見当たらなかった。このレビューはサクラだらけだ。

そのことを付き合っている人に話すと、おばあちゃんの匂いがどんな匂いなのか分かってくれなかった。ちなみに、ここで言うおばあちゃんは、僕のおばあちゃんではなく一般的なおばあちゃんの事だ。

例えば、電車内で目を瞑って車両の端から端まで歩いたときに、匂いだけでどの車両におばあちゃんがいたかわかる自信が僕にはある。でも、その匂いを言葉で表現することが出来なかった。

少し悔しかった為、柔軟剤を横に置き、その匂いをつまみに酒を飲んだ。上手く言葉に出来ないか考える。何度も嗅ぐうちに気持ち悪くなってきた。でも、頑張ったかいがあり、ある事に気付く。ソーダの匂いがする。

ん、ソーダの匂いってなんだ？

今度はソーダの匂いを言葉で表現しないといけないようだ。