ばー
昨日の夕方に恋人と解散した後、少し呑みたい気分になり、一年ぶりにバーに呑みに行った。久しぶりに会うマスターは、「元気そうで良かった」と、温かく出迎えてくれた。半額シールがプリントされた、自分を安売りしてるようなTシャツを着ていた。水商売にぴったりだと思った。
コロナ禍で、特定の人としか会っていなかった為、色々な人と話すのはとても楽しかった。僕の右隣に座っていたおじさんは、語彙のボキャブラリーが多く、辞書をそばに置いておきたい気持ちにさせた。話に起承転結をきっちりつけたがる人で、僕の質問が1だとすると5くらいのボリュームの回答をしてきたため、自然と話は長くなった。年をとると会話のキャッチボールが下手になる人が多い気がする。
二杯目のビールもなくなり、時間もいい頃合いになった為帰ろうとすると、マスターに引き止められ「一杯奢る」と言ってくれた。すると、となりのおじさんが「それ俺につけといて」と言ってくれた為、お言葉に甘えることにした。会話のキャッチボールが下手だと思ってしまった事を心の中で謝った。
帰るときに、マスターに「こんな弟が欲しかった」と言われた。となりのおじさんもそれに共感してくれていた。二人とも兄弟というよりも親子くらい年が離れているじゃないですか、と心の中でツッコミをしてみた。久しぶりのバーは僕を温かい気持ちにさせてくれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?