日本と米国では管理職の質が違う

日本人の兵士(自衛隊員ではない)が米国陸軍に所属して「兵隊がバカばっかりで驚いた」と感想を述べていた。「でも米国が最強なのも分かった」と述べてもいた。第二次大戦の頃から何も変わってはいない。米国兵がヘタレなのは世界中が知っていた。でも、米国は指揮官が優秀だ。というか優秀な奴が指揮官になるのだ。指揮官はヘタレな兵隊でも最大の仕事ができるように指揮をする。だから米国の軍隊は強い。同じことが米国の企業でも言える。

米国の労働者は(全員ではないが)、仕事熱心ではなく、勉強もしない。米兵と同じでヘタレだ。しかし、それを優秀な管理職が管理するから、国全体で平均すると(日本よりは)高い労働生産性を発揮できている。米国の管理職はマネージメントの専業だ。マネージメントの専門家だから現場の知識がなくてもいける。管理職の段階によっては現場の知識が全くなくても良いという訳ではないが、上へ行けば行くほど現場の知識は不要になる。食品業のCEOがテック企業のCEOになったり、その逆も普通にあるのはそういうことだ。

日本の管理職はあまり管理が上手くない。その理由はふたつある。

  1. そもそも米国型の管理職が求められていない

  2. 管理職に絶対必要な人事権が与えられていない

どちらも致命的だ。これでは管理職がうまく仕事ができないのも仕方がない。日本の会社の管理職の仕事ぶりを見ると、社員の仕事をよりうまくこなす上級社員でしかない。その人の労働生産性は確かに高いのだが、たくさんいる他の社員の力をまとめてもっと大きな成果をあげた方が効率的なのにそれができていない。それができるのが米国で、できないのが日本だ。どちらが良いかは自明だろう。米国はスチャラカな社員がいっぱいいてもそれなりに会社が儲かる。日本は社員みんなが自分では一生懸命働いているつもりなのに会社が儲からない。

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