新書紹介『どろどろの聖書』

『どろどろの聖書』清涼院流水、朝日新聞出版、2021年。(定価790+税)

個人的オススメ度⭐︎⭐︎⭐︎

星の目安
1.買って損した。
2.勉強にはなったが面白くはなかった。
3.面白かった。読む価値はある。
4.きっと面白いので読むべし。
5.人生変わる。読まないと損。

①どんな本?
この本は『旧約聖書』と『新約聖書』を愛憎劇という視点で書いたものです。著者の清涼院流水氏はキリスト教徒で、それも大人になってから洗礼を受けたパターンです。そのため非キリスト教徒への理解があり、聖書入門としてはピッタリでしょう。

②内容
旧約聖書と言えば、神が光あれと言った〜という「創世記」が有名ですが、この本は完全スルーで、まず民族の父アブラハムが、自分の命惜しさに妻を二度売るというエピソードから始まっています。
この本は、基本こんな調子で進んでいきます。イスラエル12氏族やダビデ王とソロモン王など、有名なエピソードもしっかり収録されていますが、語り口は浮気したとか権力争いで陰謀に嵌めたとか、そういう感じです。
難しい神学的な話はほぼ出てこないので、初心者でも安心して読めます。

③良い点
ダビデ王が英語ではデイヴィッドなど、わざわざ英語読みを併記してくれています。著者はこれに気づいて聖書に親近感が湧いたようで、私も知っているスポーツ選手などの名前が出てくると、俄然面白く感じました。(ただ、途中から若干鬱陶しく感じましたが)

④難点
長い長い聖書のダイジェスト版なので、ひたすら登場人物が多い!家系図なども出てくるので、それを度々参照しながらなんとか読みました。
一回で全て理解するのは無理ゲーです。

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