イラスト_悩む男性

日経新聞社で起きた労使トラブルについて

大分前に書いた記事ですが、上げておきます。

「「もうやってられない」日経新聞ソウル特派員を失踪させた国際部長のパワハラ疑惑」
(文春オンライン:https://bunshun.jp/articles/-/13776

詳しくは上記の記事を見ていただくとして、トラブルの概略を述べると、
上司から仕事のやり直しを命じられた結果、失踪した従業員がいた。見つかった後に確認すると、退職を希望しているという。原因は、おそらくその上司から受けたパワハラではないか?…という事例。

これは、典型的なパワハラですね(記事タイトルは「疑惑」となっていますけれど)。
パワハラのパターンにもいくつかありますが、過去に目覚ましい実績がある人ほどパワハラを起こしがちです。経営者も、その人の過去の実績がありますので、パワハラが生じていても重要視しなかったり、
パワハラを受けている従業員の方に問題があるように認識しパワハラを受けている従業員を叱責したりすることがあります。結果、状況が悪化し、精神的な疾患を生じさせたり、場合によってはパワハラを受けた従業員から裁判を起こされたりすることもあります。

その人がどのような能力があるのかも、能力を発揮するためにするべきことも、人によって違います。目覚ましい実績を上げた人がやってきたことを、そのままなぞったからといって、同じ結果を出せるかというと、必ずしもそうではありません。その目覚ましい実績を上げた人が特別である可能性もあります。
もし、従業員を活用したいのであれば、一律に同じことを求めるのではなく、その人その人に合ったやり方で一番パフォーマンスを上げることができる方法を考える必要があります。

「こうすれば上手くいった」という自分なりの方法に拘る方は意外と沢山いらっしゃいます。それはそれで正しいことではあるでしょうが、全ての人に通用するかどうかを考える必要があります。自分がやって上手く行ったからといって、それを他人に無理やり押し付けることは部下の育成方法として、必ずしも正しくはありません。場合によっては、押し付けられた部下が壊れてしまうことも十分にあり得ます。
「昔はこれぐらいは当たり前だった」「昔はもっと頑張った」という話をされたい気持ちはわかりますが、それを他人に押しつけることがあってはならないのです。

経営者として、過去に目覚ましい実績を上げた従業員は、会社を支えてくれた人という認識になるのは当然のことと思いますが、そのことと部下の育成とは別に考える必要があります。
どんなに能力の高い人でも、パワハラに至っていないかは要注意です。そのパワハラを放置していた場合、会社に損害賠償責任が求められることもあり、その金額は思った以上に大きくなることもあります。

                          (2019.09.12記述)

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