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残雨

「今までありがとう」
酷く呆気なかった
彼は さよならを言える人間だった
今となれば
もっともっと私に溺れていて欲しかった
嫉妬に狂えばいいと思っていた

どうしてなのだろう
自分から要らないと言っておいて
居なくなると無性に会いたくなる

求められていたい認められていたいという
承認欲求

気持ちが薄れたきっかけなど些細なことでしかなく
関係性が違えば打ち明けられていたのかと
今更すぎることばかり
夜な夜な思考の闇に消えていく

今、彼はなにをしてるのだろうか
誰と居るんだろうか
私を思い出すことはあるんだろうか

時が戻ったところで
私は同じ決断をしていただろうしあの時と同じ感情になっていたと思う
結果的に離れてるのなら
あのタイミングで正解だったとおもう

なのにどうして会いたいと思うんだろう
こんなに自分か愚かだったなんて知らなかった

どこかで見た言葉がふと頭をよぎる

 「二人の関係が
      二人にしか分からない理由で
       ずっと ずっと続けばよかったのに」と

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