見出し画像

18BAのフラッグシップがさらなる進化! 64 AUDIO「U18s」をだいせんせいがレビュー

みなさんこんにちは、ライターのだいせんせいこと工藤寛顕です。
今回は64 AUDIOのユニバーサルIEM『U18s』をご紹介いたします。
64 AUDIOは、もともと『1964 EARS』という名前でIEM製品を展開していたメーカーで、その歴史の中で『apexテクノロジー』や『tiaドライバー』といった革新的な独自技術を多数開発・採用してきたことでも知られています。そんな64 AUDIOの新作IEMとなる『U18s』は、名前の通り既存製品の『U18t』をベースとして生まれた新たなフラッグシップモデル。一体どんな仕上がりになっているのか? さっそくチェックしていきましょう。

製品概要

画像1

U18sは上述の通り、U18tという既存のフラッグシップモデルがベースとなっています。『U』はUniversal、つまり誰でも使用できるユニバーサルタイプのイヤホンであることを指しています。『18』は搭載されているBAドライバーの数。いわゆる多ドラ機の中でもかなり多くのユニットを搭載しています。
U18tとの技術上の大きな違いとしては、『LID(リニアインピーダンス・デザイン)』という新たな独自技術を搭載している点。デジタル音楽プレイヤー(DAP)やスマホ、ポータブルアンプといった様々な出力インピーダンスの機器に対して、音のバランスが崩れないように設計されているとのことです。IEMを音楽視聴だけでなく、色んな機器でカジュアルに使いたい! という方にも嬉しい仕様ですね。

外観について

画像2

U18tは赤を基調としたパターンが特徴的なデザインでしたが、U18sはモノトーンの落ち着いた印象となっています。黒い筐体にはヘアラインが残るガンメタル調の金属製プレートがあしらわれており、そのデザインはヒョウ柄やジラフ柄を思わせるような独特の仕上がりとなっています。
【写真:DSS02043】
18基ものBAを積んでいるだけあってイヤホン本体は少し大きめですが、耳に当たる部分がつるりと丸く、耳に収まる面積自体は小さく設計されているため、適正サイズのイヤーピースを合わせるとフィット感はなかなか良好。本体が大きすぎて耳から落ちてしまう……というような懸念はそこまで感じられないかと思います。「サイズ感の割には結構着けやすいな」くらいの印象です。

apexモジュール&付属品について

画像3

他の64 AUDIOの機種同様、外耳道内の空気圧を抑える独自技術『apexテクノロジー』を搭載。
【写真:DSS02044】
付属のフィルターを差し替えることで、ユーザーの好みに応じたノイズアイソレーションのレベルを調節可能。耳への負担を最適にした状態で音楽を楽しむことができます。
【写真:DSS02036】
付属のケーブルは8芯の銀線。しなやかでクセがつきづらく、取り回しにも優れています。
【写真:DSS02040】
リケーブル端子は汎用的なCIEM用2pinですが、接続部が埋め込みではなくフラットになっているので気になる方は注意。
【写真:DSS02031】
イヤーピースは3種類×3サイズ。形状が違う2つのシリコンイヤーピースと低反発イヤーピースがそれぞれ付属しています。社外製のイヤーピースに付け替えるのも良いですが、付属品だけでも聴き比べて楽しめるでしょう。

音質レビュー

画像4

一聴して、中低域を中心とした厚みのある音像が一番印象的に感じるのではないでしょうか。単にブーミーという話ではなく、ひとつひとつの音の中身がぎっしりと詰まっているような感触で、質量感がシビアに表現されています。それが実在感、リアルさに繋がっているのでしょう。多ドラ機にありがちな違和感も少なく、ドライバー間のつながりも自然に仕上がっています。
TAKU INOUE「3時12分」を再生してみると、同氏ならではのクラブミュージックを基盤としたミドルテンポでムーディーなサウンド、そのディープかつキャッチーな展開からなる心地よい明暗が見事に描写されています。華やかなシンセやカリッとしたリズムパターンの手触りもよく、決して強調的な色付けはされていないながらも、楽曲が持つ美味しいところがしっかりと引き出されています。星街すいせいによる歌声のニュアンスも細やかに表れており、ボーカルの描写力も秀逸。楽曲の世界にドップリ浸かりやすいというか、豊富な要素のそれぞれに深くフォーカスしやすい緻密さと濃厚な音作りが高いレベルでマッチしている1本だと感じました。
すっきりめなサウンドが好みの方は少し圧が強く感じてしまうかもしれませんが、前述のApexテクノロジーにより物理的な負担は抑えられています。聴き応えがありつつもキツすぎない感じにまとまっておりますので、ぜひ一度お試しください!

終わりに

画像5

以上、64 AUDIO U18sのご紹介でした。
18基ものBAドライバーを搭載しながら、数々の独自技術により見事に高完成度なIEMとしてまとめ上げられた1本です。
メーカーの希望小売価格は約37万円とかなり高額な製品ですが、ONZOではレンタルという形で気軽にお試しいただけます。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。お相手はだいせんせいこと工藤寛顕でした。

お相手はだいせんせいこと工藤寛顕でした。