見出し画像

1分でわかる「マナス」とは!【RE-CEREBRO】1分で脳を再構成する-EP063

キルギスの叙事詩「マナス」は、中央アジアのキルギス民族に伝わる大規模な叙事詩で、歴史的、文化的に深い意義を持っています。
その物語はキルギス民族の英雄マナスの生涯を軸に展開され、彼の勇気、知恵、戦闘技術を称え、異民族からの防衛や民族の統一と発展を目指した彼の業績を描きます。
総行数は50万行以上にも及び、これはホメロスの「イリアス」や「オデュッセイア」を凌駕する長大さで、世界最大級の叙事詩とされています。

「マナス」は単なる英雄の物語にとどまらず、キルギス民族のアイデンティティを象徴するものです。
物語の中では、マナスが敵と戦うだけでなく、家族や仲間たちとの絆、自然との調和、祖先の教えや神々への信仰なども重視され、道徳的、宗教的な価値観が織り込まれています。
こうした要素が「マナス」を単なる物語以上の存在にし、キルギス人の精神的な支柱としての役割を果たしています。

また、「マナス」はキルギスの伝統的な語り部「マナスチ」によって口承で伝えられてきたため、地域や時代によって異なるバージョンが存在し、多様な文化的影響を反映しています。
現在ではキルギスの無形文化遺産としてユネスコに登録され、民族文化の象徴として再評価されており、キルギスの人々にとっての誇りとなっています。

いいなと思ったら応援しよう!