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チョムスキーとの対話 13インタビューの準備

2008年4月上旬

一ヶ月半も期日が延びてゆっくり準備を整えられると思いきや、仕事が忙しくなって直前までキリキリ舞いをする羽目に。結局学生時代の試験勉強と同じく、当日の3日ほど前からあわてて準備にとりかかった。

『現代社会で起こったこと』の編集担当者にインタビューすると伝えると、表紙に載せるための顔写真を撮影することと、いくつかの質問をすることを依頼された。インタビューの内容は私個人のウェブサイトに掲載し、抄訳をあとがきに反映させればいいという。写真とインタビューのレポートは準備のしようがないので、質問事項をまとめることに集中する。

まず編集者からの質問と、私が今までチョムスキーの本を読んだり講演を聞いたりした中で、疑問に思ったことをリストアップして優先順位をつける。『現代社会で起こったこと』に関する質問がいくつかあるが、本に出てくる内容と重複してはつまらない。できるだけ他の本にも出ていないような、新しい話が聞けるようにしよう。

今まで誰かにインタビューをしたことなどないので、45分という長さの感覚がわからなくて困る。とりあえず多めに質問を用意しておいて、時間があまることだけはさけたい。

とはいうものの、チョムスキーは一を聞くと百の返事が返ってくる人なので、一番の問題になるのは彼の怒涛のような話をどうやってコントロールするかだ。一つの質問に時間がかかりすぎて、ほかの質問ができなくなるおそれが十分にある。練習のしようがないので、そのあたりのペース配分もぶっつけ本番だ。

下手なことを聞いて自分の無知が露呈するといけないから、リストにした質問に関するリサーチもしなければならない。もっといろいろなことを勉強しておけばよかったと小学校以来の反省をここでも繰り返すが、今さらどうしようもない。とほほ。

続く

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