曲輪のお盆制作①

※8月~9月に参加した漆芸教室での作品作りを、「芸術の秋」バージョンでお届けします!

2022.8.27.
今日、何時起きだと思います?
金曜日は深夜まで韓国ドラマを観てしまい、1時頃就寝、起きられない不安と戦い5時頃起床・・という週末のはじまりはじまり!

というわけで、7時過ぎに自宅を出発し、京王線・山手線を乗り継いで、日暮里からは常磐線。と、遠いね。
どこへ向かうって?ゴールは取手!

取手からもまだ遠い。
東京藝術大学の取手の校舎なのですね。SUICAやPASMOの使えない、現金のみの支払いしか受け付けてくれない路線バスで、15分ほど揺られます。

記事タイトルにもあるように、「曲輪で作る漆のお盆」の講座のため、今週来週と都合4回、取手校舎に通うわけです。曲輪技法で檜、椹(さわら)材でお盆を製作し漆で彩色する、という文字では簡単なようで手間暇をかけて作る代物。お盆って、実家を出て以来持っていないなあ、ということで、今回申し込んだのでした。
備忘録メモだけれど、講習料 28,500円(教材費別途11,000円)でした。

まずは、お盆の外枠から。
竹の定規みたいな1mほどの長さの檜の薄い板を、熱湯で温めて柔らかくして、お盆の枠にします。

お盆の形は、こんなそら豆みたいな形。
型に沿わせるってことか。

そう、その通り。
枠の部分を型の外周に置いて、ぎゅっと固定して暫し放置。

その間に、お盆の部分に取り掛かりましょう。
今回制作するお盆は、木の表情を活かした木地を活かす「浮造り」(うづくり)で、雨ざらしの縁側の木材の様な、木目の模様が浮きだった表情をつけた仕上げのことなのだそう。
木材は、昔、技術家庭の授業で習った記憶が蘇ってきたのだけれど、冬目と夏目の硬さの違いがあり、夏目の柔らかい繊維がえぐられ、硬い冬目の部分が強調される特性があり、今回はサンドブラストを用いた浮造り技法で表情付けを行うとのこと。

家で考えてきた模様をマスキングシートに書いて、椹の底板の上でレイアウトを検討してみよう。

お盆を作る機会なんて、これまでもこれからも、そうそうないのだろうけれど、考えても正解なんてわからないのだから、適当にレイアウト。

シートの貼られなかった部分が、サンドブラストで削られて凸凹の表情ができる、ということね。
サンドブラストも、使ったことがないので、お盆との距離や放射時間などは先生に聞いた通りに。

網の上にお盆を置いて、ミシンのように足元の踏み台で
砂を放出して模様付けをします。※作品は他の方のもの

☟では真ん中の先生の作業を両側で見ていますが、こんな機械で砂を当てるのです。

掛け終わったら、お盆に残っている砂を風で飛ばす工程も経て、模様付けは完成!

マスキングシートの貼られていないところは、木目地がしっかり出て、立体感があるように浮き彫りに。

シートを剥がすと、くっきり!

ちなみにこちら、蓮の実と葉のデザインなのです。
ちょっとわかりにくいか・・。

午前の作業はここまでで、いったん休憩時間。
取手校舎に来るのは三年ぶりだけれど、セミの鳴き声が東京都はまた違うんだよね。

ちなみに講座はこのプレハブで。
漆の塗と工場との移動がちょっと面倒だけれど、いい気分転換にもなるね。

午後、放置していた外枠の糊が乾いたので、ここにお盆を納めます。

外枠との間の糊(ボンド)がはみ出ると目立つので、しっかり取っているつもりだけれど、これが残っちゃうんだよねえ。とりあえずは、一体化完成!
側面、底面、しっかりやすり掛けをします。

次は、お待ちかねの漆の行程。
実は私、食べ物ではウルシ科のアレルギーがあって、銀杏、ピスタチオ、マンゴーでかぶれちゃうので、漆にも注意しています。

漆はいわゆる朱色が想起されるけれど、いろいろな色を作ることができます。漆の液(地は薄茶色)に顔料(着色するための色の粉)を混ぜるのですね。顔料がいろいろあるので、お盆の地、彩色する際の模様の色味などを検討します。

個人的には、赤口などの朱色系、黒系が好きだなあ。

私のデザインだと、蓮の葉、蓮の実にもそれぞれ着色が必要なので、紫と緑あたりを使おうか。

メタリックカラーもあるのだけれど、漆らしさはないといえばないかな。でも、彩色が楽しいね。

私はお盆の地は、黒に決定!
締まって見えるので、お盆ぽくなるかな?お盆ぽいって何かは説明しにくいけれど・・。
漆の液に顔料を加えて、黒を作って・・。

平筆を使って、ざざざっと塗っていきます。塗り残しが無いように。

今日の作業はここまで、19時に終了。
詳しい作業内容は下記もどうぞ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?