あたしに色んな事を教えてくれた大切な人と作っていたリレー小説。
やり取りしていたのは2014年頃。
出来上がっているところまで公開してみようと思い立ちました。
どの部分があ…
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エピソード3「少女と誰かと探し物」
少女は視線を外さなかった。
見なくてもわかった。
瞳が焼き付いたから。
言い訳も思いつかないくらいの距離。
猫が静寂を裂く事もなく
耳鳴り。
わずかに聞こえた首輪の鈴の音。
足は止まったまま。
夜は嫌いかも。呼吸の乱れもバレやすい。
急にかっこ悪くなって
「こんばんわ」
って言ってしまった。
間違ってない唯一の言葉を出したつもりだが、
少女に自分が場違いだって事実を悟られない事を願った。
エピソード2「言葉と主観と音」
僕の両目と両耳は
一切の機能を失っていた。
────ような感覚に襲われた。
そう言った方が正しい。
でも、暗くなってから起きた時はいつもそうだ。
開けた瞳は暗闇に慣れず、耳も寝ぼけるのか音にあまりいい反応をしてくれない。
寝た状態のまま何度か瞬きをしてみると、だんだん目が暗さに慣れてきて、天井の輪郭がうすぼんやりと見えてきた。
聴覚もやっと働く気になったのか、家の少し先にある道路を走る車の音を
エピソード1「ひとりぼっちのかみさま」
正午。
彼の携帯が鳴った。
「………おっと。やれやれ。また徴収だぜ」
言い方から察するに、おそらく会社だろう。
時々、休みの日でもこんな風に連絡がくる事があって、急遽休日出勤を余儀なくされる時がある。
実にお疲れ様だ。
「大変だね」
「ま、繁忙期だし仕方ねぇな」
電話を終えて、ギターをケースにしまい始めた彼に声をかける。
「稼げる時に稼ぐさ」
言って屈託なく笑う顔を、時々眩しいと思う。
多分、僕
プロローグ「始まりの人」
眠らない人なんていないでしょ?
だから当たり前過ぎてみんな気付かないだけでさ
君は昨日と今日は繋がってると思う?
そう。昨日と今日。
だって君だって昨日寝たでしょ?
一度途切れてるじゃない?
………「今」が。
僕が言ってる事わかるよね?
さぁ。ならもう一度聞くよ?
昨日の君と今の君は同じ君だって証明できますか?
プロローグ「始まりの人」
「はぁ?お前何言ってんの?」
………そん