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ここから始まり、ここに戻って来る

12月14日、約60日間の訓練生活の最終日です。JICA海外協力隊派遣前訓練の修了式が終了しました。正式に候補生から隊員という立場になり、よりいっそう気が引き締まります。今回は、訓練所@福島県二本松市での訓練生活を振り返りたいと思います。

本隊次の隊員は、総勢111名。全国各地から、大きいスーツケースと共に集まりました。訓練所内は広く、階段も多いため、荷物の持ち運びに苦労したことを覚えています。隊員は、基本的にいずれかのグループに属します。生活班、派遣国、語学、職種、年齢など、横のつながりが明確になりやすいと思います。特に初対面の場合、一から関係性を構築するより共通項がある方が、親しみやすいと感じました。この点は、任地での活動に活かせると思います。例えば、一番わかりやすい例は、言語です。現地語を話すと、相手と打ち解けやすくなるという知識は、自分の実感に近いものになりました。自分と相手との間に、どういう共通項があるのか、近い感覚をもって共感することはあるのか、協力隊員として大事な姿勢を学ぶことができました。

また、他の隊員との訓練を通して感じたのは、自分自身の意思があるということです。誰も、お願いされて隊員になったわけではないと思います。多くの人が主体的に、時にはわがままに、自分の人生を歩んでいます。私も、決断するまでの過程に、躊躇や葛藤など、色々な感情の変化がありました。協力隊員になった今も、変化し続けています。それは、いわゆる情緒不安定な状態ではなく、緊張と不安のバランスがいい具合にあると思っています。
(緊張と不安について、以前にnoteを書いたので、是非ご覧下さい)

派遣前訓練の講座「局長講和」の中で、局長の印象的な言葉があります。

協力隊員には、自分の決断への責任と公人としての責任を果たしてほしい。

この先は、自分の理解によるものです。どのように、この言葉を受け取ったのか、人によって異なるかと思います。自分の決断への責任とは、青年海外協力隊である以上、必要最低限の責務を全うすることだと思います。少し重なりますが、隊員は自らの意思のもと、協力隊に参加しています。私の場合、初志貫徹のような固い意思に基づいていたわけではありませんでした。日々変化しながら、これまでを振り返りつつ、半信半疑のまま参加を決断しました。自分の知識・経験・技術が現地の人々に受け入れられるかどうか、未知数です。そもそも、それらが客観的な数字やデータで測れるものかどうかも分かりません。それを上回る
のは、恐らく「自分のやりたい」ではないでしょうか。自分の正直な気持ちの中に、最も大きなエネルギーや情熱があると思います。
一方で、「自分のやりたい」は理解してもらえないことがあります。私自身も、親や友人からの反対や批判を受けました。理解してもらうことが目的ではないですが、相互理解の過程が大事だと学びました。それは、本気度が問われるからです。私の場合、自分の気持ちをストレートにぶつけても、伝わらなかったです。自分と相手の間に共通理解がない中で、どのように伝えるのか、試行錯誤しました。個人的に、周りに対する自分の正直な意思表示を続けることは、協力隊として活動することを決断した自分自身への責任を果たす重要な意味をもちます。

公人としての責任は、日本と相手国との二国間援助の技術協力という国の事業である以上、任国での立ち振る舞いや帰国後の社会還元など、立場を理解することや活躍を期待されています。冒頭に、正式に候補生から協力隊員になったことで、気が引き締まると言いました。それは、「公人としての責任」というワードが急に重くのしかかったからです。訓練所の講座では、どういった行動がそれに該当するのか、また値するのか、学びました。しっかりと遂行できるように、意識的に気を引き締めます。

最後になります。二本松訓練所では、多くの素晴らしい人たちに出会いました。「海外協力隊」だからこそ、出会えたと思います。私は、ケニアへ旅立ちますが、世界のどこかで活動している仲間の存在は、大きいと思います。無事に帰って、また2年後に新しく出会いたいです。


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