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試行錯誤の協力隊活動

今日から6月です。
noteの更新を楽しみにしてくれている方がいらっしゃるようで、素直に嬉しく思います。

「自分にされて嬉しいことは、他の人にもすること」こんな説教くさい教えを学校の先生が言っていたのを思い出しました。

自分が嬉しいと感じるなら、相手もきっと嬉しいだろうというのは、なかなか大胆な発想です。でも、多くはうまくいくような気がします。それは、嬉しいと感じる行動原理が少なからず、多くの人の間で共有されているからだと思います。
多分大事なのは、自然に振る舞うこと。世間的に、できる人やかっこいい人は、これができる。
一方で私は、できていないように思う。現に、自分にされて嬉しいことを、他の人にできていない。だから、ここで伝えさせて下さい。

他の協力隊員(特に同期)、noteやインスタグラムの投稿を拝見しています。日頃の活動の様子(悪戦苦闘や試行錯誤)が伝わってきて、エネルギーをもらっています。体に気をつけて、これからも楽しみにしています!

ひとまず、かっこいい人になりたい自分の葛藤に区切りをつけて、本題に入ります。

今回は、協力隊員としての活動紹介です。
配属先に赴任して、3ヶ月が経ちました。派遣国は、ケニアです。ケニアには、countyという日本の県にあたる行政区分があり、私の配属先は、2つのcounty(ナイロビとキアンブ)のちょうど境界線に位置しています。
ちなみに、日本でいう東京と埼玉みたいな感じです。(なんか違う気がする)
正式名称は、「カベテ更生学校(Kabete Rehabilitation School)」になります。(以下、CPというcounterpartの略称)


ボールを蹴る音が始まりの合図

JICAの要請には、CPを日本の少年院にあたると表現していますが、似て非なるもので、実態や様相は異なります。もちろん、一括りにカテゴライズして、比較することはできません。施設の環境と特徴を踏まえて、個別化した上で比較する必要があるのですが、ここで記す範囲を超えます。
しかし、日本の少年院とCPが目指すゴールは一致するかもしれません。それは、非行少年が社会復帰できる心技体を養うこと。CPが実践しているゴールに向かうアプローチは、いくつかあります。先ずは、基礎教育と職業訓練。

基礎教育は、初等教育レベルを修了できるような学力を身につける。職業訓練は、電気工事士や自動車整備士など特定の職業に必要なスキルを身につける。この職業訓練が、CPの大きな特徴です。8つのコースがある上に、実践的な経験を積めるインターンシップの機会があります。これは、あまり類を見ない取り組みだそうです。

次に、精神的なサポートを施すためのカウンセリング。専門スタッフが常駐し、青少年の心のケアをしています。最近は、心理学を修めた大学生がインターンシップに来ています。

最後は、外部の人々と交流できる機会があること。職業訓練のコースのひとつに、太陽光発電があります。これは、DIYで自作パネルを作り、自家発電しようというものです。年間の日照時間が長いケニアでは、太陽光発電が効率的とされています。定期的なワークショップには、地元住民も参加し、青少年にとって学びの多い時間になっています。

私が担当しているのは、農業の科目指導と職業訓練です。科目指導といっても、農業はKCPE(5科目の全国統一試験)の試験科目ではないため、教科書は使用していません。また、職業訓練はいわば実習です。授業内容を、学校内の畑で実践し、その効果を観察し、試行錯誤する時間です。これが、メインの仕事になります。
C Pとのコミュニケーションの中で、従来のやり方(慣行農業)とは別のアプローチで、生徒達と農業することが活動の方針になりました。
あくまで、ゴールは「社会復帰に必要な心技体を養うこと」であり、念頭におきながら活動しています。
生徒である彼らは、それぞれ別々の場所(社会、コミュニティ)から来ているため、社会復帰に求められるものは、少しずつ異なります。
例えば、どの品目(コーヒー、茶、米など)を育てる農家がいるのか、地域ごとに異なり、共生していく準備も変える必要があります。
正直、試行錯誤しながら悪戦苦闘しています。難しさを感じながら、どうにか切り拓いていけるように、生徒達との時間を過ごしています。


堆肥と同じく、じっくりと

最後になります。
大変な思いをしていますが、ここでしか感じられないものだと思っています。
前向きに、6月をスタートし、次の投稿ができるようにします。それでは。


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