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ひらき

うごけない

3日前、
家に帰ってくると、

布団にバタンと倒れた後、
全く動けなくなってしまった。

たいへんだ。
うごけない。ピクリともしない。

金縛りじゃないね。
風邪でもない。
気力がゼロに近いだけ。


仕事はそれなりに
忙しいとはいえ、

このところの疲れ方は
いままで経験がないほど。

心地いい疲れではなくて。

まるで自分が分裂して、

半身ずつが
別々の方向に
歩こうとして、

お互いに引っ張り合って

ものすごいエネルギーを
その場にとどまるだけのことに
使ってしまっているかのような。


ひらきになるイメージ

布団に倒れているとき、
自分の体が
いつのまにか

片身ずつに開かれて
鰺の開きみたいになって
干からびるイメージが浮んだ。

そういうとき、
うちは絵を描く。

解体 phptpshop

こういう
精神に肉薄したテーマを描くエネルギーは、

うちが、漠然と憧れているような
「きれいな絵」を描こうとする
微かな気配のようなエネルギーとは

比べものにならないくらい
うちを駆り立てて

他の絵は
一ヶ月近くほったらかしで
完成しないこともあるのに

この絵は三日前イメージして
その場でクロッキー帳にラフを描いて

昨日、仕事休みになったので、
半日で完成まで描き続けた。

絵に描けば、
自分のことが、
何か分かるかもしれない、
という予感もあったと思う。

苦しいときほど、
どうやらうちは絵を描く。
筆は進む。

こころの不思議



そういうときに描いた絵は、


「きっと人の鑑賞に耐えない」
と思ってしまうような絵も多くて、
発表せずにおくことも多いけれど、

今回の絵は、
こうやって言葉とともに、
現すことにした。

だって、うち自身が、
描き終えたとき、
ちょっと
元気になっていたから。



心って不思議。

少なくともうちは、
元気になろうと、もがいても
元気になりきれない半身との引っ張りっこで
余計に疲れて、

ついには分裂。
ひらきになる。

ひらきになったことを
ひらきなおって絵に描いたら
元気が戻ってきた。

元気になろうと一直線に進もうとしても、
どうやら無理みたい。
そんなことを感じた。


描いてみよう

描いてみようと思った。

何度でもひらき直って。
どんなことだって。


血の滲む実感を、
絵に託そう。

寂しいときには、
さびしいことを。

かなしいときには、
かなしいことを。

そして、
中心に帰ってくる。
懐かしい感じがする。


すこし、
元気になる。

27years old,12.26,Mizuki

絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。